ソムリエおすすめニュージーランドワイン11本!通販サイトもご紹介
この記事では“NZワイン偏愛ソムリエ”である岩須が、おすすめのワインやNZワインに関する豆知識をご紹介します。
NZワインは日本人に親しみやすい香りと味わいのものが多く、ワイン初心者の方にもおすすめなんです!
まずは、その基本的な5つの特徴をお話しますね。
わー楽しみ♪では、お願いします!
- NZワインの全生産量の85%以上は白ワイン
- 代表的なぶどう品種はソーヴィニヨン・ブラン(全生産量の70%以上)
- NZのソーヴィニヨン・ブランは、フレッシュ&フルーティーで、親しみやすい!
- 1,500〜2,000円の価格帯が最も売れている
- NZワインのほとんどがオーガニックワイン
実は、NZは「白ワインだらけの国」。生産されているNZワインのうち85%以上が白ワインで、更にその中でも「ソーヴィニヨン・ブラン」という品種が圧倒的な割合を占めており、国を代表するワインとなっています。
日本のスーパーや酒屋さんなど、一般の店舗で販売されているNZワインも「ソーヴィニヨン・ブラン」が中心です。
そうなんですね!次に見かけたら、チェックしてみます!
その香りと味わいは、主要生産国であるフランスのものと比べてもフレッシュかつフルーティーでとても親しみやすく、世界の中でも唯一無二のキャラクターとして認められています。
次にNZワインの価格についてですが、NZではその多くが家族経営や小規模ワイナリーで生産されているという背景もあり、他の国と比較すると低価格帯のものが少ないという特徴があります。
ですのでNZワインで「お手頃価格」というと1,500〜2,000円を指すことになり、最も売れているのもこの価格帯になります。
そして、NZワインはそのほとんどがオーガニックワインです。実際にNZの約96%のぶどう畑とワイナリーが、NZ独自の「サステイナブル認証(SWNZ)」(ワインづくりにおける環境保護についての認証)を受けています。
それでは、そんなNZワインの中で僕が自信を持っておすすめするものをご紹介したいと思います!
この記事を読めばおすすめワインはもちろん、NZワインのことがだいたい分かるようになりますよ〜。
ただ文章量がちょっと多めなので、「おすすめワインだけを知りたい」という方は、目次から選んで読み進めて下さいね。
この記事の筆者

- ニュージーランドワインが好きすぎるソムリエ。ラジオの原稿執筆業(ニッポン放送、bayfm、NACK5)。栄5「ボクモ」を経営。毎月第4水曜はジュンク堂名古屋栄店でワイン講師(コロナでお休み中)。好きな音楽はRADWIMPSと民族音楽。最近紅茶が体にあってきた。一般社団法人日本ソムリエ協会 認定ソムリエ。
ボクモ(BOKUMO)
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もくじ
お手軽価格のおすすめ白ワイン【2本】
具体的なワインの紹介に入る前に、初心者向けの「NZ白ワインの選び方のコツ」を4つお伝えしましょう。
冒頭でも述べた通り、NZワインの70%以上は「ソーヴィニヨン・ブラン(SAUVIGNON BLANC)」というぶどうからつくられています。ですので、まずはその大本命のワインから試してみましょう。「フレッシュ、フルーティー、親しみやすい」という三拍子が揃った、NZにしかない素晴らしい味わいを感じることができるはずです。
「まずは、これを飲んだら良い!」っていうのが分かりやすくて、助かる〜♪
どんな味わいや香りかと言うと…
まず、口に含んだ瞬間に「ハッ!」っと驚くような旨さを感じます。
そして、グレープフルーツ、ライム、パッションフルーツ、パイナップルのような南国フルーツのニュアンスがはっきりと感じられ、ハーブ類の爽やかさが後から心地よく香ってくるんです。
香りのイメージ図
そして2点目、産地は「マールボロ地方(MARLBOROUGH)」のものを選びましょう。マールボロ地方はNZワインの7割以上を生産する巨大産地。
気候の特徴として、
- 豊富な日照量
- 昼夜の寒暖差
- 強い風が吹く
という3つの条件がそろっており、そのような環境下で育つソーヴィニヨン・ブランには、より強いNZワインの個性が感じられます。
次にヴィンテージ(ぶどうの収穫年)です。白ワイン、特にマールボロ地方のソーヴィニヨン・ブランは、とにかくフレッシュさが命。時間の経過と共に、本来持っていたフレッシュさが失われていく傾向にあるので、なるべく売り場にあるものの中で最新の(ヴィンテージ)を選ぶようにしてみて下さい。
ヴィンテージの例。表ラベルに表記されている年のこと。
最後に価格について、
これは僕の個人的な経験則になりますが、どうやらNZの白ワインには「1,800円の壁」というものがあり、それ以上の価格になると品質が安定してくるように思います(この価格は、税別の希望小売価格を指します)。
1,800円の壁!(笑)
でも中途半端に買って失敗するより、金額の目安がある方が選びやすいかもしれませんね!
もちろん、それより安いものの中にも美味しいNZワインは存在します。ただ、NZワインが大好き過ぎる僕は「香り、味わい、余韻、その全てにおいて“NZワインらしさ”が表現されている」ものこそが、その魅力を100%発揮していると考えています。そして、そんなワインには1,800円を超えるあたりから遭遇率がぐっと増えるんですよね。
では、ここからは僕が本気でおすすめする、入手しやすくお手軽価格のハイコスパNZ白ワインをご紹介します!
ヴィラマリア プライベートビン ソーヴィニヨン・ブラン 2020
画像のヴィンテージは異なるものです
この味わいでこの価格はすごい!ヴィラマリアはNZワインの伝道師的存在です。
ワイナリー名 | ヴィラマリア(Villa Maria) |
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シリーズ名 | プライベートビン |
ぶどう品種 | ソーヴィニヨン・ブラン |
産地 | マールボロ |
ヴィンテージ | 2020 |
希望小売価格 | 2,000円(税別) |
輸入元 | 木下インターナショナル |
2018年に「ニュージーランドワイン・オブ・ザ・イヤー」で銀賞を受賞するなど、世界にその名を轟かせるNZワインのリーディングカンパニー「ヴィラマリア」。その代表的なワインがこちらです。
マールボロのソーヴィニヨン・ブランの王道の味わいを実現しながらも、希望小売価格を2,000円に抑えているのは、さすがです。
このワインには、ベビーリーフやサニーレタスなど少し苦みのあるお野菜や魚介料理がよく合います。鶏の唐揚げなど油を使った料理も良いでしょう。
シレーニ エステート セラーセレクション ソーヴィニヨン・ブラン 2020
画像のヴィンテージは異なるものです
日本におけるカジュアルNZワインの顔といえば、このシレーニでしょう。
ワイナリー名 | シレーニ エステート(Sileni Estates) |
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シリーズ名 | セラーセレクション |
ぶどう品種 | ソーヴィニヨン・ブラン セミヨン |
産地 | マールボロ |
ヴィンテージ | 2020 |
希望小売価格 | 1,900円(税別) |
輸入元 | エノテカ |
とりわけ日本にファンが多い「シレーニ」。
中でも「セラー セレクション」というシリーズは、価格は抑えつつも土地と品種の個性をしっかりと表しているコスパGOODなラインです。
このワインはソーヴィニヨン・ブランに少量のセミヨンがブレンドされており、ややコクのあるスタイルを実現しています。
相性の良い料理は、ひとつ前のヴィラマリアと同様、野菜・魚介を使ったお料理や揚げ物などです。
【おまけ】コンビニで買えるNZ白ワイン
価格の面などで先程挙げた条件には当てはまらないものの、入手のしやすさで群を抜くNZワインもご紹介しましょう。
モアナ ベイ ソーヴィニヨン・ブラン
最新ヴィンテージのものは、ラベルが異なる場合があります。商品公式サイトでご確認下さい。
数年前までは、まさかNZワインがコンビニで手に入る時代が来るとは思いませんでした。良い時代になったなあ!
ブランド名 | モアナ ベイ(Moana Bay) |
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ぶどう品種 | ソーヴィニヨン・ブラン |
産地 | マールボロ |
ヴィンテージ | 表記なし |
ファミリーマート通常価格 | 823円(税別)※500mlボトル入り |
輸入元 | メルシャン |
「メルシャン」が輸入し、ファミリーマート限定で販売しているNZワイン。少し細めの500mlボトルに入って817円なので、これを通常の750mlボトルに換算すると約1,220円となります。マールボロワインとしてはずいぶんお値打ちですね。
味わいについて正直に書くと、先程紹介した2本のワインのような“マールボロの個性”はやや控えめという印象です。しかし、個人的には他のNZバルクワインと比べると、ワインとしての完成度は高いと思います。熟練の技術を持つメルシャンがきちんと品質管理をしている結果だと推察できますね。
お手軽価格のおすすめ赤ワイン【2本】
冒頭で「NZは白ワインの国」と言い切ってしまいましたが、もちろんNZには素晴らしい赤ワインもたくさん存在しています。ただ、白ワインと比べると、どうしても赤ワインは生産量が少ない分、やや値段が高くなってしまいます。具体的に言えば、NZの赤ワインは2,500〜5,000円がメインの価格帯です。よって、NZの赤ワインを飲むときは、財布に少々余裕があるときが良いでしょう。
なるほど。でも、本音で言えば2,000円台前半…くらいまでの美味しい赤ワインがあると助かるんですけどね〜!
わかります、わかります。「日常にワインを取り入れる」にはもう少しお手頃価格な方がベターですよね〜。
けど、そんなワインないですよね(泣)
いいえ、探せばちゃんとありますよ!
ここでは、「リーズナブル」かつ「ちゃんと美味しい」NZ赤ワインを2本紹介しましょう!
ブラッケンブルック シャングリ・ラ ピノ・ノワール 2018
画像のヴィンテージは異なるものです
優しく渋みが少ない赤ワインが好きな方におすすめです!
ワイナリー名 | ブラッケンブルック(Blackenbrook) |
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シリーズ名 | シャングリ・ラ |
ぶどう品種 | ピノ・ノワール |
産地 | ネルソン |
ヴィンテージ | 2018 |
希望小売価格 | 2,300円(税別) |
輸入元 | サザンクロス |
ピノ・ノワールはもともと渋みが少ない品種で、このワインも渋みは控えめ。赤ワインを飲み慣れていないような人でもカジュアルに楽しんでいただける1本だと思います。
冒頭でソーヴィニヨン・ブランの特徴を「フレッシュ、フルーティー、親しみやすい」と表しましたが、この赤ワインにもその印象が感じられます。しかし、同じと言っても「白ワイン」と「赤ワイン」では、それぞれ意味することが変わってきます。
まず、赤ワインにおける「フレッシュさ」とは、もぎたてのいちごやラズベリー、さくらんぼのような、新鮮な果実のニュアンスがあることを指します。そして「フルーティー」というのは、そのフルーツの要素がしっかりと感じられること。それらが揃うと、自然と「親しみやすい」味わいとなります。
このワインは、焼き鳥やすき焼きなど軽めのお肉料理や、フレッシュチーズにも合いそうです。お値段は、高級なぶどう品種であるピノ・ノワールとしては破格の2,300円(希望小売価格、税別)となっています。
ヴィラマリア プライベートビン メルロー・カベルネソーヴィニヨン 2018
コクがあってやや渋みもある赤ワインが好きな方におすすめです!
ワイナリー名 | ヴィラマリア(Villa Maria) |
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シリーズ名 | プライベートビン |
ぶどう品種 | メルロー カベルネ・ソーヴィニヨン |
産地 | ホークス・ベイ |
ヴィンテージ | 2018 |
希望小売価格 | 2,000円(税別) |
輸入元 | 木下インターナショナル |
日本に輸入されているNZ赤ワインの中で、個人的に「最もコスパが高い」と感じているのがこちら。希望小売価格を2,000円まで抑えられれているというのは…、さすがヴィラマリアです!(本日2度目。笑)
ぶどうの品種は、メルロー&カベルネ・ソーヴィニヨン。ワインの本場、フランス・ボルドー地方のスタイルを踏襲していて、コクと渋みがはっきりとあるタイプに仕上がっています。
ボルドーワインとの違いは、NZワインの特徴である「フルーツのニュアンス」がしっかりと感じられることです。そのフルーツ感を中心とした濃厚な味わいと、余韻に残る心地よい渋みが絡み合い、素晴らしくバランスの取れた味わいとなっています。ぜひお肉料理と合わせて頂きたいです。
お手頃価格のおすすめロゼワイン【1本】
ロゼワインのピンク色の外観はとてもチャーミング。そして、白ワインの飲みやすさに、赤ワインの持つ複雑さと渋みをほんの少しプラスしたような、いわば“良いとこ取り”のロゼワインは、実は合わせる食事の幅がとっても広いのです。
ロゼワインは今、世界でブームになっています。僕も大好きなんですが、まだ日本にはその波はやってきていないんですよね。
個人的には、もっと日本でも広まってほしいなって思っています!
そうなんですか。ロゼワイン、見た目も可愛いので、私は好きですね!
NZのロゼもぜひ試してみたいです♪
そんなロゼワイン、NZからも日本人好みのものが続々とリリースされています。本格的に日本に「ロゼブーム」がやって来る前に、おさえておいて損はないでしょう。
グラハムノートン ピンクデザイン ロゼ 2018
どんな食事にもあう万能ロゼワインです。
ワイナリー名 | インヴィーヴォ(Invivo) |
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シリーズ名 | グラハムノートン |
ぶどう品種 | ピノ・グリ ソーヴィニヨン・ブラン ピノ・ノワール |
産地 | マールボロ ホークス・ベイ |
ヴィンテージ | 2018 |
希望小売価格 | 2,200円(税別) |
輸入元 | サザンクロス |
実は多くのヨーロッパ諸国で「白と赤を混ぜてロゼを作る」という方法は禁じられています。しかし、NZではそのような規制が特にありません。だったら、2つを混ぜて美味しいワインをつくろうじゃないか、とつくられたのがこのロゼ。
結果、とても美味しい!
爽やかさ、まろやかさ、適度な渋み、これらの要素がバランス良く折り重なっています。合わせられる食事は幅広く、和食にも、洋食にも、中華などでもバッチリ。食卓に1本あると重宝するワインです。
お手頃価格のおすすめスパークリングワイン【1本】
スパークリングワインは世界中でつくられていますが、NZではまだそれほど盛り上がっているジャンルではありません。
シャンパーニュを代表するような本格的なスパークリングワインをつくるには、大規模な設備投資が費用なんですが、家族経営の小規模ワイナリーが多いNZでは、なかなか挑戦しづらいんですよね。
なるほど〜、本格的なスパークリングワインは大規模なワイナリーじゃないと、なかなか採算が取れないんですね。
そんなNZでも少数ではありますが、本格的なシャンパーニュ方式でスパークリングワインをつくるワイナリーがあります。しかし、やっぱりお値段はそこそこお高め。
そこで、ここでは割とシンプルな工程(炭酸ガスを注入するなど)でつくられた、比較的カジュアルなお値段のNZスパークリングワインをご紹介します。
トイ トイ ソーヴィニヨン・ブラン スパークリング
とっても華やかなフレイバー!柑橘の香りが鼻腔を刺激する、エネルギッシュなワインです。
ワイナリー名 | マールボロ・ワインズ(Marlborough Wines) |
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シリーズ名 | トイ トイ |
ぶどう品種 | ソーヴィニヨン・ブラン |
産地 | マールボロ |
ヴィンテージ | NV(ノン・ヴィンテージ) |
希望小売価格 | 2,500円(税別) |
輸入元 | アプレヴ・トレーディング |
NZ・マールボロのソーヴィニヨン・ブランの良い香りが、スパークリングになることで、さらに弾けるような強い香りとなっています。少し甘みも感じられるため、食前酒としても良いでしょう。ピクニックやBBQなど、アウトドアのシチュエーションにも似合いそうな爽快な味わいです。
ちなみに「トイトイ」というのは、古来からマオリ族が大切にしているNZ固有の植物の名前なんです。見た目はススキに似ています。
記念日に飲みたいおすすめの高級NZワイン【3本】
ここまでは比較的リーズナブルな価格帯のNZワインをご紹介してきましたが、ここからはちょっとリッチに、記念日向けの高級ワインをご紹介しましょう。
フランスやイタリアなどのヨーロッパ諸国と比べるとワインづくりの歴史は浅いNZですが、「伝統では勝てなくても、技術力ならば負けない」と野心と情熱を持つ醸造家たちがいます。そんな彼らのつくるワインは世界で評価され高値で取り引きされており、近年ではワイン愛好家たちが高級ワインを語る上でも欠かせない存在となっているのです。
その中でも、NZワイン偏愛ソムリエの僕が「日本人の味覚にバッチリあう」と感じるワインを3本紹介したいと思います。
記念日ワイン、いいですね♪
NZが好きな人のお祝いなど、プレゼントにも良いかも!
ご紹介するワインは、白1本、赤2本。価格は5,000〜7,000円台のものです。
クラウディ ベイ テ ココ 2016
複雑でクリーミーな味わいのソーヴィニヨン・ブランです。
ワイナリー名 | クラウディ ベイ(Cloudy Bay) |
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ぶどう品種 | ソーヴィニヨン・ブラン |
産地 | マールボロ |
ヴィンテージ | 2016 |
希望小売価格 | 5,900円(税別) |
輸入元 | MHD モエ ヘネシー ディアジオ |
泣く子も黙るNZワインの名門「クラウディ ベイ」。その名門がつくる上級ワインが、この「テ ココ」です。これまでお伝えしてきたようなNZソーヴィニヨン・ブランの“フレッシュ、フルーティー、親しみやすい”というスタイルとは一線を画します。
ソーヴィニヨン・ブラン種を使いながらも、その香りや味わいはフルーティーと言い切れない「複雑で奥行きのある旨み」があり、重厚感もあります。このワインは、オーク樽の中での熟成すること実に3年。他のNZのソーヴィニヨン・ブランはステンレスタンクで発酵・熟成が行われて、その熟成期間も短いものが多いので、とても珍しいつくり方なのです。
オレンジのような柑橘系のニュアンスは感じられるものの、オーク樽に由来するバニラの香りや乳製品のようなクリーミーなまろやかさ、生姜やドライハーブのようなスパイシーさも相まって、他にはない非常にたくさんの要素が入り混じった旨みの強い味わいとなっています。このワインは言わば「NZワインを次のステージへと導くような新機軸のワイン」。
ワインの経験値がある程度ある人達が集まるワイン会にこのワインを持っていくと、きっと驚かれると思います。パワフルさと存在感がある1本で、こってりしたお肉料理でもマッチする白ワインだと思います。
フェルトン ロード ピノ・ノワール バノックバーン 2018
画像のヴィンテージは異なるものです
NZワインの最高峰のひとつ!とってもエレガントで上質な味わいのピノ・ノワールです。
ワイナリー名 | フェルトン ロード(Felton Road) |
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ぶどう品種 | ピノ・ノワール |
産地 | セントラル・オタゴ バノックバーン |
ヴィンテージ | 2018 |
希望小売価格 | 7,200円(税別) |
輸入元 | ヴィレッジセラーズ |
このワインがつくられているセントラル・オタゴ地方は、上質なピノ・ノワールを生み出す生産地として、近年、世界中にその名が知られています。(人気の観光地クイーンズタウンからもほど近い場所です。)そのセントラル・オタゴの中でも、最も有名なワイナリーのひとつがこの「フェルトン ロード」です。
美しく手入れされたフェルトンロードのぶどう畑:2015年 岩須撮影
有機栽培およびバイオダイナミクス農法でつくったぶどうは、なるべく負荷をかけないよう「グラヴィティ・システム」と呼ばれるシステム(ぶどう自体の重さを利用して、それを運ぶ仕組み)で醸造施設へと移動し、天然酵母で発酵が行われます。人の介入をなるべく抑えながら、自然に寄り添うようなワインづくりをするフェルトン ロードが生み出すのは、本場フランス・ブルゴーニュを思わせる非常にエレガントなワインばかり。
バノックバーンは、セントラル・オタゴの中のサブリージョン(小区域)。山に囲まれた自然豊かなロケーションです。このワインは、バノックバーンの少し離れたところにある3箇所の畑のぶどうをブレンドして、絶妙な味わいを作り出しています。
鴨肉、ラム肉や、白カビのチーズなどと合わせると完璧です。
マン オー ウォー アイアンクラッド ボルドーブレンド 2018
がっちりとしたフルボディ。ボルドータイプの重厚な赤ワインです。
ワイナリー名 | マン オー ウォー(Man O’ War) |
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ぶどう品種 | カベルネ・フラン メルロー プティ・ヴェルド カベルネ・ソーヴィニヨン マルベック |
産地 | オークランド ワイヘキ島 |
ヴィンテージ | 2018 |
希望小売価格 | 5,500円(税別) |
輸入元 | リブ・コマース |
「マン オー ウォー」は、NZ屈指のリゾートアイランド「ワイヘキ島」にあるワイナリー。このワイヘキ島は「ワインの島」とも呼ばれ、小さな島に高級ワインをつくるワイナリーがひしめき合っています。
島の東部にあるMan O’ War Bay(=軍艦の湾)という湾沿いに作られたこのワイナリーは島内に75以上の畑を持ち、比較的規模の大きな生産者。ワイヘキの他のワイナリーでは1万円オーバーのワインが珍しくない中、5,000円台から購入可能なのがこのワイナリーの魅力です。
この島の名産品は、フランス・ボルドーのスタイルを踏襲した、凝縮感と渋みのある重めの赤ワイン。この「アイアンクラッド ボルドーブレンド」は、その名の通り、ボルドーで使われる品種を6種類ブレンドした、まろやかでコクの深い味わいとなっています。
牛肉やラム肉との相性は抜群でしょう。
優しい味わいの“ナチュラル志向”ワイン【2本】
ここ10年ほどのワイン業界において、大きなトレンドのひとつに挙げられるのが「ナチュラル志向(のワイン)」。世界中で、自然と人の体に優しいワインが好まれるようになってきています。このようなジャンルのワインは呼び名がいくつかありますが、一般的に「自然派ワイン」と呼ばれます。
日本でもファンが増えているジャンルのひとつですね。
私も自然や体に優しいワイン、興味ありあます!
しかし、ただ一口に「自然や人の体に優しいワイン」と言っても、複雑な工程を経てつくられるワインの、どの部分にフォーカスして「優しい」と言うのか議論が分かれるところ。
へ〜そうなんですね、それはなぜですか??
なぜかというと…、
ってこれ、きちんと説明しようとすると長くなっちゃいますので、また別の機会に!
難しい栽培や醸造の話は別として、口に含んだときに「あ、これまでのワインとはちょっと違ったナチュラルな優しさがあるな」、そんな感想を持ったとしたら、それはナチュラル志向のワインであると言えるのかもしれません。
そんな“自然派ワイン”の中で、話題となっているジャンルが次の2つです。
- オレンジワイン
- ペット・ナット(ペティヤン・ナチュレル)
では、その中でおすすめのNZワインをご紹介します!
オレンジワイン
まず「オレンジワイン」。これは、白ぶどうでつくるのに、ぶどうの皮の渋みが含まれる一風変わったワインです。辛口のものが多く、濁っているものもあります。
製造過程で白ぶどうの果皮と果汁を一定時間漬け込むので、皮の色素がワインに移り外観がオレンジっぽい色になります。
果物のオレンジが入っているわけではありませんよ(笑)
ラブブロック オレンジ ソーヴィニヨンブラン 2019
NZの異端児。チャレンジングなワインをつくっています!
ワイナリー名 | ラブブロック(Loveblock) |
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ぶどう品種 | ソーヴィニヨン・ブラン |
産地 | マールボロ アワテレヴァレー |
ヴィンテージ | 2018 |
希望小売価格 | 3,000円(税別) |
輸入元 | サザンクロス |
認証機関「バイオ・グロ」の非常に厳しい基準をクリアしたオーガニックのぶどうのみを使っています。普通のワインで使われる亜硫酸塩は一切使わず、代わりに酸化防止策として「緑茶パウダー」を使っています。世界中のワインづくりから見ても、とても珍しい方法だと言われています。
レモングラスやオレンジピールの優しい味わいが印象的で、ほんのりとした渋さとじわっと残る旨みは、海鮮料理などとの相性が良さそうです。
ペット・ナット(ペティヤン・ナチュレル)
2つ目は「ペット・ナット(ペティヤン・ナチュレル)」。甘口、辛口、濁りワインなどバリエーションは豊富で、カジュアルながら旨みが強い微発泡のスパークリングワイン。ガス圧が低く、フレッシュな味わいが特徴です。
現在NZワインの中では、このようなスタイルのワインはまだ珍しい部類です。しかし世界での自然派ワインの流行を受け、NZでもペット・ナットづくりにチャレンジする生産者が出てきてます。
グリーンソングス ペットナット ザ クリフス 2019
とても上品で、複雑な味わい。毎年味わいが変わると思うので、その変化にも注目!
ワイナリー名 | グリーンソングス(Green Songs) |
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ぶどう品種 | ピノ・ノワール ピノ・グリ |
産地 | ワイララパ グラッドストーン |
ヴィンテージ | 2019 |
希望小売価格 | 3,400円(税別) |
輸入元 | サザンクロス |
日本人醸造家、小山浩平氏がつくるチャレンジングなワイン。
当サイトでは、以前にこのワインのテイスティングのレビューをしましたが、ワインの性質上、もしかするとレビュー時と現在の状態では味わいが変わってきているかもしれません。
開けたときにどんな状態になっているのか、わくわくする感じもこういったワインの楽しさかもしれませんね。
【番外編】一生に一度は飲んでみたい“幻のNZワイン”とは!?
NZワインの中に「カルトワイン」と呼ばれるワインがあります。カルトワインとは、価格が高騰し入手困難になった一部のカリフォルニアワインを指すのに使われていたワイン用語ですが、現在は他の産地の「とてもレアな高品質・高級ワイン」という意味で使われることが多くなっています。
一般的な言葉で言えば、“幻のワイン”という表現がぴったりくるかもしれません。
そんな、NZにおける最も有名なカルトワインが「プロヴィダンス」です。
ボクモで保管している「プロヴィダンス プライヴェート・リザーヴ1996」
プロヴィダンス(Providence)
「プロヴィダンス」はNZワイン好きならば知らない人はいない、伝説のワイナリー。そのワイナリーは、オークランドのマタカナにあります。ここはNZのぶどう産地の中ではかなり北部の位置にする、(NZは南半球にあるので)温暖な気候の小さな産地です。
1990年に弁護士であるジェームス・デルヴィッチ氏によって創業されたプロヴィダンスですが、その名が一躍有名になったのは、あるブラインド・テイスティングがきっかけでした。それは著名なワイン評論家たちによって行われ、そこで本場フランス・ボルドーの有名シャトーを抑えて1位を獲得したのです。それ以来、プロヴィダンスはNZ最高峰の赤ワインとして、その存在を揺るぎないものとしています。
プロヴィダンスでは、とことん自然なワインづくりを行っています。その特徴は主に下記の3つです。
- ぶどう栽培は完全に「オーガニック」であること
- 「天然酵母」で発酵を行い「酸化防止剤」を一切使わないこと
- 通常のワインで行われる「清澄」や「ろ過」も行わないこと
上記のようなヨーロッパで受け継がれてきた伝統的な手法は、安定して質の高いワインをつくるのは難しいと言われています。しかし、プロヴィダンスでは設立以来、そのスタンスを守り続けています。NZの他のワイナリーのように最新の技術は使わず、あくまでもクラシカルな手作りの製法にこだわってワインをつくっているのです。その分、毎年つくられる本数には限りがあり、日本での流通価格は約2万円〜と高価格なワインとなっています。
ワインの種類は、メインアイテムである「プロヴィダンス プライヴェート・リザーヴ」のほかに、
- プロヴィダンス シラー
- プロヴィダンス フォー・アパースル
- プロヴダンス ロゼ
もあります。
ちなみに、2010年ヴィンテージの各ワインは、プロヴィダンスの大ファンだと公言している元プロ野球選手の桑田真澄さんが収穫の手伝いに訪れたことから「クワタ・ヴィンテージ」と名付けられました。
そのラベルは、桑田さんの背番号であった「18」の文字とご本人のサインが施された仕様になっています。
▶プロヴィダンスが購入できる「オンラインショップ・ワッシーズ」
【番外編】注目の日本人生産者のワインも
島国で、四季があって、自然が豊か。日本との共通点も多いNZ。
そんなNZに魅せられて、現在およそ2万人の日本人がNZで暮らしています。
そんな中、NZでワインづくりをする日本人生産者達がいるのをご存知でしょうか?彼らのつくるワインは、NZワインのトップクラスであると言っても過言ではありません。
「自分(達)のワインをつくる」という夢を叶え、世界にも通用するようなワインを生み出している日本人がいる。同じ日本人としてとても誇らしいし「僕も頑張ろう!」と励みになっています。
ここでは、そんな日本人が作るNZワインを一覧にして紹介します。
代表者の名前 (五十音順) |
ワイナリー/ブランド名 |
---|---|
大沢 泰造さん | 大沢ワインズ |
岡田 岳樹さん | フォリウム ヴィンヤード |
木村 滋久さん | キムラセラーズ |
楠田 浩之さん | クスダワインズ |
小山 浩平さん | グリーンソングス |
小山 竜宇さん | コヤマ ワインズ |
佐藤 嘉晃さん | サトウワインズ |
さらに詳しい情報は、下記の特集ページをご覧下さい。
▶「NZで活躍する日本人生産者特集!世界に誇るワインをつくる7つのワイナリーを紹介」
NZワインが買える便利な通販サイト(ネットショップ)
魅力たっぷりのNZワインですが、残念ながらまだ店頭にあまり並んでいないのが現状です。ここでは、そんなNZワインを購入するのに便利でおすすめな通販サイト(ネットショップ)をご紹介します。
通販サイトには、下記のようなメリットがあります。
- 重いワインを運ぶ手間が省ける
- 店頭に置いていないワインを探すことができ、説明もじっくりと読める
- 24時間注文が可能
- NZワインの場合、ネットの方が種類が豊富なことが多い
ただ、ネットって便利なんですけど、送料高いですよね〜?
そうですね、でもお店と思うんですよね。
なんせワインは1本1kg以上ありますから、車で運ぶにしても公共交通機関にしても、自分で運ぶというのは意外と体力も時間も必要なんじゃないかなと思います。
なるほど…!それに、ネットだとじっくり説明を見たりしながら選べますよね。深夜でも注文できるし。
そうなんですよね。でも、酔っ払った勢いでポチっと購入してしまう癖のある人は、ワインを飲みながらの閲覧は要注意かも!?(笑)
ということで、ここでは、主に「インポーター(輸入商社)」が直販するサイトのリンクをまとめておきましょう。
<直販サイトで注文するメリット>
輸入ワインを購入する場合、その一般的な経路は「インポーター→酒屋さん→消費者」となります。そして、それらの場所を移動する時に振動が加わったり、保管される状態により温度変化が生じます。
ワインはデリケートなお酒なので、そのような外から加わる振動や温度変化に弱い面があります。直販サイトを利用すると「酒屋さん」という過程をカットすることができ、その分ワインにかかる負担が最小限で済むと言えます。
NZワインが豊富に取り揃う!サザンクロス
運営:サザンクロス
NZワイン専門インポーターによるオンラインショップ。
お得な飲み比べセットや、定期購入のコース、アウトレットなどの企画も充実。
「シレーニ」や「ハカ」のワインを取り扱う!エノテカ
運営:エノテカ
輸入ワインの大手で品質に対する信頼度が高い。
NZワインは、自社で輸入する「シレーニ・エステート」が中心で、近年日本でも人気の「ハカ」のワインも取り扱っている。
「ヴィラマリア」を取り扱う!木下インターナショナル
運営:木下インターナショナル
基本的にポルトガルワインのオンラインショップだが、特集ページなどから自社で輸入するNZワイン「ヴィラ・マリア」が購入可能。
日本企業がつくるNZワインの直営ショップ!大沢ワインズ
運営:大沢ワインズ
自社がNZで経営する「OSAWA WINES」の各シリーズがずらりと揃う。
また、NZの特産品であるマヌカハニーやオーガニックティーも扱うなど、品揃えは豊富。
NZのプレミアワインを買うならココ!クラフトワインパーク
運営:リブ・コマース
日本ではまだそれほど知られていないNZのプレミアワインを扱うインポーターのオンラインショップ。記念日やプレゼント用に上質なNZワインを探している方にはうってつけ。
個性派NZワインが揃う!シュナベ
運営:SHUNABE (シュナベ)
11年のNZでの滞在を経て、日本でNZワインの輸入をスタートさせた阿部俊さんによるマイクロインポーター。他ではなかなかお目にかかれない個性あふれる銘柄を紹介している。
番外編|NZワインのラインナップが豊富な酒屋さんによるサイト
ここまでで、一通りのNZワインの解説は終わりました。
ここからは、復習を兼ねてもう少し詳しいNZワインのお話をしていきます!
もっと知りたい!NZワインの味わい
冒頭でも簡単に触れましたが、NZワインの味わいについてもう少し詳しく説明していきましょう。
僕が経営しているお店は「NZワインがメインの飲食店」です。毎日お店に立っていて、お客さまにいちばん尋ねられるワイン関連の質問は、やはり「味」についてですね。
これは僕にとって、一番うれしい質問だったりします。なぜならとっても答えやすいから(笑)
たとえば「フランスワインの味の特徴」は、有名産地の説明から入らなきゃいけないので、端的に説明するのはかなり難しいんです。「イタリアワインの味の特徴」だと、20の州でとんでもなく多様性があるので、これまたややこしい。
その点、NZワインは、比較的シンプルに言いあらわすことができます。それは・・・
NZは、フレッシュでフルーティーな親しみやすい白ワインだらけ!
ということ。
このシンプル過ぎる説明がありがたいです(笑)
難しく考えずに、ワインが飲めますよね♪
はい、そうなんです。だから僕は常々、NZワインってとってもワイン初心者にも向いているワインだなぁって思っているんです。
NZワインの3つの特色
ではNZワインはなぜそんなにシンプルに説明できてしまうのか。それは以下の「NZワインの3つの特色」を見るとわかります。
復習ですね!!
- NZワインの全生産量のうち85%以上は白ワインである。
- 代表的なぶどう品種が「ソーヴィニヨン・ブラン」で、全生産量の70%以上を占める。
- NZのソーヴィニヨン・ブランは、他の国にない独特な味わいで、その大きな特徴が「フレッシュ、フルーティー、親しみやすい」こと。
これをまとめてざっくり言うと「フレッシュでフルーティーな親しみやすい白ワインだらけの国」となるわけです。ワイン産国としてこんなに明瞭な特色を持った国は、他には見当たらないでしょう。
もちろんソーヴィニヨン・ブラン以外の白ワインや、素晴らしい品質の赤ワインも生産していますが、やはりまずは「ソーヴィニヨン・ブラン」にチャレンジして頂きたいんです。
他で例えるならば、うどんなら讃岐うどん。寿司ならマグロ。チャンプルーならゴーヤ。ディズニーならミッキー。という感じ。
あれ?ちょっと違うかな(笑)。
話がそれましたが、言いたいのは「ド定番こそまず最初に通って欲しい」ということです。
(笑)けど、その例え好きですよ!
私、初心者だから、まずそのド定番から入りたいです!
では、その王道である「NZのソーヴィニヨン・ブラン」の「香り」や「味わい」はというと・・・・
まず、ひとくちでハッと驚く旨さがあります!
グレープフルーツ、ライム、パッションフルーツ、パイナップルのような南国フルーツのニュアンスが、とても強く感じられるはずです。さらにその奥からハーブ類の心地よい爽やかさも心地よく香ってきます。
僕の場合、飲んだ瞬間に頭の中に広がるイメージは「青空、切り立つ山、新緑、美しい湖…」ですね。ハッとするような鮮やかな景色。
そんな大自然が広がるアウトドアで飲んだら最高だな、と思わせてくれるワインです。キリッとした酸味と口いっぱいに広がる果実味たっぷりな味わいは、晴れた日の渇きを潤し、気分を高揚させてくれます。
なんだかワインから風景が思い浮かぶなんて、ロマンチックでいいですね〜♪
私はどんなイメージが出てくるかなあ。はやく飲んでみたいです。
こんなイメージ、かな?
もちろん、感じ方は人それぞれ。飲んだ感想も人によってさまざまだと思います。ただ、年間100本のNZワインをテイスティングする僕は、王道スタイルのソーヴィニヨン・ブランを飲むたびに「NZの大自然を思わせるような気分爽快な味わい」を感じています。
NZワインの価格について
次に、価格についてです。
実は統計データを見ると、NZから輸入されているワインは、他の国からの輸入ワインと比べて価格における違いがあります。それは、NZ産ワインは「日本でもっとも売れている価格帯」が「他国と違ってやや高い」ということなんです。
まず、日本で販売されている輸入ワインのほとんどは、500〜1,000円、あるいは1,000〜1,500円の価格帯がもっとも売れるゾーンです。
たとえば、チリやイタリア、スペインのワインは500〜1,000円の価格帯がいちばん売れていますし、フランスワインの場合は1,000〜1,500円の価格帯が最大のボリュームゾーンとなっています。
しかし、日本にワインが輸入されている国の中で唯一、NZだけは「1,500〜2,000円の価格帯のワインが最も売れている」のです。
理由は簡単。現在のところ「1,500円を下回るNZワインはごくわずかしかないから」です。
では、他の国と比べて、なぜNZワインはリーズナブル路線のワインが少ないのか。その理由は、NZのワイナリーのほとんどが「家族経営の小さなワイナリー」だからです。
ワインは、ぶどうの栽培から醸造、瓶詰め、出荷まで、とても手間とコストがかかるお酒です。大規模ワイナリーは、大量生産することでコストを下げていますが、小規模の生産者は、なかなかコストを下げることは難しいのです。
一方で、そのような小さなワイナリーは、他に負けないような個性と品質を持っていることが多いとも言えます。
NZには激安ワインはないけれど、小さなワイナリーならではの、クオリティが高く個性のはっきりしているワインが多いんです。
品質が高いから、激安ワインはないんですね。じゃあ、今度買ってみたときには、ひとくちを大切に味わって飲まなきゃ、ですね。
環境に優しいNZワイン!
NZは手つかずの自然が豊かに残っている国。政府は、そんな大自然と人の調和を目指すことに重点を置いており、他国からは「環境先進国」と呼ばれています。
積極的な環境保護政策によって、現在NZ国内の約8割の電力が再生可能エネルギーでまかなわれており、政府は2035年までにはその割合を100%にすることを目標に掲げています。そして、ワインづくりにもそんな環境保護の考えが色濃く反映されています。
現在実に96%のぶどう畑とワイナリーが、「サステイナブル」=「持続可能であること」の基準をクリアし認証を受けています。
つまり、ほとんどのNZワインはサステイナブルな環境下で生まれたワインだと言えます。
元からある自然が、人間の営みによって壊れることをなるべく少なくしたい。ワインづくりも、自然に最大限に配慮をしながら行うべきである。
そんな環境先進国としての取り組みが、世界中の「環境問題を意識する人たちがNZワインを選ぶ理由」になっています。
白ワイン選びのコツ、さらに詳しく(おさらい)
「お手軽価格のおすすめ白ワイン【2本】」の中で簡単にお話をした、白ワインの選び方ですが、「もっと詳しく知りたい!」という方のために、ここでは復習も兼ねて詳しくお伝えします。
1つずつ、説明していきますね。
1)代表品種「ソーヴィニヨン・ブラン」を飲もう!
先述したとおり、NZワインの70%以上は「ソーヴィニヨン・ブラン種」のぶどうから作られています。だったら、まずその大本命のワインを味わいましょう。「フレッシュ、フルーティー、親しみやすい」の三拍子が揃った、NZにしかない素晴らしい味わいを感じることができるはずです。
NZワインを見つけたら、ラベルをしっかり見てみましょう。ほとんどすべてのNZワインは、表ラベルに「ワイン名」のほかに「ぶどうの品種」が表記されています。
「SAUVIGNON BLANC」の文字があれば、それは「ソーヴィニヨン・ブラン」。三拍子がそろう期待がぐんと高まります!
ソーヴィニヨン・ブラン。長いし言いにくいし、忘れてしまうかもしれないです・・・。
覚えづらいときは、頭文字のSとBだけ覚えましょう。実際に、ワイン用語でもSAUVIGNON BLANCを「SB」と略すこともあるんですよ。
なるほど。じゃあ私は「SB」って覚えます!(笑)
2)産地は「マールボロ」と書いてあるものを選ぼう!
「SAUVIGNON BLANC」の文字が見つかったら、次にチェックすべきは「NZ国内のどの産地で作られているか」です。
ずばり「MARLBOROUGH(マールボロ)」と書いてあれば、それはナイスな1本である可能性が高いです。
なぜなら、国を代表する味わい「フレッシュ、フルーティー、親しみやすい」である「ソーヴィニヨン・ブラン種」は、ほとんどが「マールボロ地方」から生産されるからです。
マールボロ地方は、NZ国内のワインの75%以上を生産する巨大ワイン産地です。他にも品質の高いワインを生産する地方がいくつもありますが、まず押さえるべきは、このマールボロ産。
日照量が豊富で、昼夜の寒暖差があり、風が強く吹く。そんなマールボロにしかない気候条件によって、「フレッシュ、フルーティー、親しみやすい」が揃った白ワインが生み出されます。
さあ、「マールボロ」「ソーヴィニヨン・ブラン」、この2つのキーワードで、三拍子のそろった味わいにぐんと近づきましたよ!
3)なるべく新しいワインを買おう!
もうひとつ、忘れがちですが、ラベルには大事な情報があります。それは、「ヴィンテージ」と呼ばれる数字です。
たとえば、「MARLBOROUGH SAUVIGNON BLANC 2019」と書いてあったら、その「2019」が「ヴィンテージ」です。このヴィンテージとは「古くて良い」という意味ではなく「ぶどうが収穫された年」のことを指します。
白ワイン、特にマールボロのソーヴィニヨン・ブランのような、フレッシュさが命のワインは、なるべく収穫から時間が経っていないもの、できればその売り場にある最新のものがおすすめです。
あくまで傾向としてですが、時間の経過とともに本来持っていたフレッシュさが失われていきます。
【岩須の補足】
ただ、その年の天候によってぶどうの出来が変わります。当然、ぶどうを原料とするワインの味わいにも大きな影響を及ぼします。その点では、最近のものがベストと言い切れない部分もあります。
しかし、マールボロは、現代的なワインづくりのシステムを持ったワイナリーがほとんどで、各ワイナリーは毎年のブレを最小限に抑える技術を持っていますし、それほど天候に恵まれなかった年であっても、フレッシュさを備えたワインをつくることができると考えます。
ですので、どのワイナリーでも「最新ヴィンテージのワインがもっともフレッシュさが感じられる」ということは、ある程度言えるのではないかと思っています。
4)1,800円以上のものがおすすめ
こちらは、「お手軽価格のおすすめ白ワイン【2本】」の中で詳しく説明させていただいた通りです。まずは1,800円という価格を目安にして、ワインを選んでみて下さい。
最後にポイントを再度まとめてみました。
NZワイン初心者が飲むべきワインのチェックポイント
- 「SAUVIGNON BLANC(ソーヴィニヨン・ブラン)」の表記がある
- 「MARLBOROUGH(マールボロ)」の表記がある
- なるべく最近のヴィンテージ(収穫年の年号)が書いてあるもの
- できれば希望小売価格1,800円以上のもの
さあ、「フレッシュ、フルーティー、親しみやすい」を兼ね備えた「大自然の白ワイン」にたどり着く準備はできました。
このチェックポイントをメモして、ワインショップ、デパート、スーパー、あるいはネットショップから選んでみてください。きっとハッと驚く美味しさの1本に出会うことができることでしょう!
SB、マールボロ、新しい、1,800円以上ですね。しっかりメモしました!
まとめ&岩須の雑感
本記事では、まだNZワインの魅力に触れたことのない方にむけて、NZワインの特徴や、おすすめの銘柄、販売サイトなどを紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
書き始めた当初は、誰もがさくっと読めるよう、簡潔にまとめようと思ったのですが、いざ書き出してみると、ダメですね。紹介したいことが多すぎて、けっこうなボリュームの記事になってしまいました・・・過ぎたるは及ばざるがごとし、かも・・・(反省)
さて、普段僕は、NZワインをメインに扱う飲食店を経営をしている中で、NZワインを注ぎ、NZワインを調べ、NZワインの業者さんとコミュニケーションをとっているのですが、このようにひとつの記事に情報をまとめるにあたって、改めて調べ直したことも多々ありました。
そのとき改めて思ったのは、「まだまだ日本にはNZワインについての情報は少ない!」ってこと。それから、「取り扱い店はかなり少ない」ってことです。
うーん。残念だけど、まだまだマイナーな存在なのだなぁというのが、正直なところです。
ただ、僕が経営する飲食店では、NZワインのリピート率はとても高いですし、NZワインのイベントをやるときは告知後あっという間に予約でいっぱいになります。
そう、ポテンシャルが高いという実感はじゅうぶんあります。だから、むしろ、これからの伸びしろがあるジャンルなんだろうという予感もビンビンあります。
なので、この記事を作ってみて、今後は、もっともっとNZワインファンや、取り扱うショップが増えるよう、より一層、魅力を伝える努力をしなくては!と、改めて思いました
別に誰に頼まれたわけでもないですが(笑)
願わくば、いつか、NZワインファンの皆さんといっしょに「現地のワイナリー巡り」なんかができたら最高だろうな。
よし。そのためには、日頃のテイスティングも大切、ということで、今日もNZワインを開けるとしましょう(笑)
今宵はちょっと贅沢に、僕の大好きな生産者「Mahi(マヒ)」のピノ・ノワールをいただきます。
では「ハレマエ!」(※マオリ語で乾杯)
この記事の筆者

- ニュージーランドワインが好きすぎるソムリエ。ラジオの原稿執筆業(ニッポン放送、bayfm、NACK5)。栄5「ボクモ」を経営。毎月第4水曜はジュンク堂名古屋栄店でワイン講師(コロナでお休み中)。好きな音楽はRADWIMPSと民族音楽。最近紅茶が体にあってきた。一般社団法人日本ソムリエ協会 認定ソムリエ。
ボクモ(BOKUMO)
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