ネルソン地方の白ワイン飲み比べ!サザンクロスNZワインフライトレビュー第2弾
当サイトでは、ニュージーランドワインの魅力を日々お伝えしています。
しかし、まだ日本では流通量が少なく、なかなか店頭では見かけないのが現状です。
どうすれば、もっと気軽に楽しんでもらえるのだろう…。
そう考えていたところ、NZワインの定期便を見つけました。
そのワイン定期便に実際申し込みをし、試飲会の様子をレポートしています。
この定期便の名前は、「ニュージーランド ワインフライト」。
NZワインに特化したインポーター(輸入業者)「サザンクロス」が提供するサービスです。
定期便は全3回にわたるもので、今回はその第2回目のレポートです。
第1回目のワインフライトは、「マールボロとソーヴィニヨン・ブラン」というテーマで、NZの王道的なワインが中心でした。
前回届いたワイン
今回も当サイトに登場するキャラクター、ワイン初心者のなっちゃんとみかさんが、ソムリエ岩須に「ワインの基本」を教わりながら、ワインフライトをレポートします。
実際にワイン初心者の方をゲストとしてお招きし、その会話をなっちゃん、みかさんの会話形式にしています。
- なっちゃん
Web系の会社に勤める29歳。もっとワインを楽しめるといいな、とワイン勉強中。
- みかさん
アパレル会社に勤務する35歳。ワインにハマり始めてる今、ワイングラスが気になってしょうがない。
- 岩須
このサイトの監修を担当する、ソムリエ。自身が名古屋で営むバーでは、ニュージーランドワインを豊富に取り揃える。
もくじ
第2回目のワインフライトの内容は?
第2回目のレポートの前に、まずはサザンクロスのワインフライトについて簡単に復習をしましょう。
「ニュージーランドワインフライト」とは、NZワイン専門のインポーターであるサザンクロスが提供するワイン定期便の名前です。
サザンクロスは、NZワイン愛あふれるインポーターさんです。
その定期便とは、全3回(月1回)に渡り、各回のテーマに沿ったサザンクロス厳選のNZワインと、オリジナルテキストが送られてくるというもの。
1回あたりの金額は10,800円(税込)で、各回平均3〜5本、全3回でトータル13本のワインが送られてきます。
通算平均13,000円以上相当。
送料無料。ただし沖縄・一部離島への配送は別途送料がかかります。
第1回目は“これぞNZワイン!”っていう3本のソーヴィニヨン・ブランの飲み比べでしたね。
前回飲み比べたワイン、どれも美味しかったな〜♡
NZのソーヴィニヨン・ブラン、大好きになりました!
それは良かったです!
NZワインと言えば、なんといっても「ソーヴィニヨン・ブラン」ですからね。これはぜひ最初におさえておいてほしい品種です。
前回でNZワインを学ぶための最初のステップは踏めたと思いますよ。
第2回目は、どんなワインが届くんですか?
今回は「ネルソン地方」の「アロマティック品種」のワインが中心です。
産地やぶどうの特色については、後で詳しく説明しますが、一言で言えば「香り豊かなワイン」ばかりなので、きっと喜んで頂けると思いますよ。
楽しみ〜♡
第2回目のワインの詳細
それでは、気になる第2回目のワインフライトの内容を詳しく紹介します。
今回は2nd Flight.「ネルソンとアロマティック品種」がテーマです。
届いたのは、こちら。
ワインの内訳は、下記の通りです。
- グリーンソングス アタマイ
リースリング(3,400円) - グリーンソングス ネルソン
シャルドネ(2,600円) - シャングリ・ラ
ソーヴィニヨン・ブラン(2,300円) - シャングリ・ラ
ピノ・ノワール(2,300円) - ブラッケンブルック ネルソン
ピノ・グリ(2,500円)
※全てネルソン産/希望小売価格
品種で見てみると、
- (白)ソーヴィニヨン・ブラン
- (白)ピノ・グリ
- (白)リースリング
- (白)シャルドネ
- (赤)ピノ・ノワール
というラインナップでした。
へ〜、今回は全部違うぶどう品種なんですねー、すごい。
そうですね、ぶどうの種類が違うので、香りや味わいの差がわかりやすいと思いますよ。
今回は、赤ワインのピノ・ノワール以外の、4種類の白ワインを試飲してみましょう。
シャルドネは知ってるけど、リースリングとピノ・グリは初めて聞くぶどう品種です!
今日は是非、ポイントをつかんでいきたいです!!
みかさん、いいですね!
「産地」と「ぶどう品種」によっても香りや味わいは変わってきますので、その辺も踏まえつつお伝えしていきますね。
※ピノ・ノワールは後日、岩須がテイスティングをしレビューをしています。
ネルソンってどんな所?ワインの特徴は?
NZワインと言えば「マールボロ地方」が有名ですが、NZには代表的なリージョン(ワイン産地)が9つあります。
ネルソン地方は、マールボロ地方の西隣りの産地です。
この地方でつくられるワインには、どんな特色や魅力があるのでしょうか。
ネルソン地方はNZ南島の最北端に位置していて、1年を通して温暖な気候です。
僕も一度訪れたことがあるんですが、住み着きたくなっちゃうくらい本当に魅力的な所でしたよ!
それから、晴れの日が多い町ということで、“サニーネルソン“とも呼ばれています。
太陽の光が十分にある場所では、
- 香りの強いぶどう品種
- 完熟した糖度の高いぶどう
が、育ちやすいという特徴があります。
へ〜、糖度が高いってことは、ネルソンのワインは”甘い”ってことですか?
そんな風に思うかもしれませんが実際は、「ぶどうの糖度=ワインの甘さを決めるもの」ではなく「ぶどうの糖度=アルコールの元になるもの」なんです。
なので、糖度の高いぶどうからは、アルコールの高いワインがつくられます。
へ〜!!そうなんですね、なるほど!
…って正直、ちょっと難しいですが…(笑)
ぜんぜん大丈夫です(笑)
まずは、”そんな話を岩須がしていたな〜”くらいでOKですよ!
もちろん、生産者のテクニックでアルコール度数を下げることも可能なんですが、ネルソンのように日照量が豊富な地域のワインは、アルコール度数が高いことが予想できるんですよ。
けどこれ、ちょっとでも頭に入れておくと、ワインを買う時のヒントになりそうですね。
うん、産地を見てどんなワインか予想できたら…かっこいいなあ(笑)
そうですね、ワインを買う時もぜひ参考にしてみて下さいね。
あと、ネルソンはアートの町としても有名なんですよ。
今回紹介するワインのラベルにも、地元のアーティストの絵画が採用されています。
ネルソンの実際の風景を、地元のアーティストが描いたもの。
わ〜すっごく可愛い♡
ネルソンという場所に、一気に親近感が湧きますね!
「アロマティック品種」ってどんなぶどうなの?
今回のテーマでもある、「アロマティック品種」。
どんなワイン(ぶどう品種)のことを指すのでしょうか。
アロマって言うと、アロマオイルしか浮かばないです…。
わたし、部屋でアロマを炊くのが日課なんですが、それではないですよね。きっとね。
そうですね(笑)
けれどそのリラクゼーションに使うアロマと意味は同じで、ワインの香りを表現する言葉ですね。
白ワインによく使われる用語なんですけど、第一アロマというのが特に強い品種のことを「アロマティック品種」と言います。
第一アロマ?
てことは、第二とかもあるんですか?
はい、あります。第三まであります。
お話したいのは山々なんですが…話がそれ過ぎてもいけないので、今日は第一アロマの話だけにしますね。
第一アロマとは、ぶどう固有の香りのことです。
それが強く香るタイプのぶどう品種を、アロマティック品種と言います。
今回のワインの中では、どれがアロマティック品種なんですか?
今回、飲み比べをする4つのワイン。
今回のだと、
- ソーヴィニヨン・ブラン
- ピノ・グリ
- リースリング
この3つがアロマティックな品種ですね。
世界で最も有名なぶどう品種の1つ”シャルドネ“は、アロマティックな品種ではないんですよ。
実はシャルドネは、白ワインの分類では香りが少ない品種のグループに入るんです。
え〜そうなんですか、意外!
じゃあ…シャルドネみたいにアロマティックじゃない品種は何て言うんですか?
ぶどう固有の香りがあまり強くないグループの品種は、「ノンアロマティック品種」とか「ニュートラル品種」と言われます。
ネルソン地方のワインの飲み比べ
今回の試飲会では、白ワイン4本の飲み比べをします。
ワイン名(品種)と、試飲する順番は下記の通りです。
- シャングリ・ラ(ソーヴィニヨン・ブラン)
- ブラッケンブルック(ピノ・グリ)
- グリーンソングス(リースリング)
- グリーンソングス(シャルドネ)
左からソーヴィニヨン・ブラン、ピノ・グリ、リースリング、シャルドネ
そして、この4つのワインに合うように、岩須チョイスでフードを用意しました。
せっかく4種のぶどう品種をテイスティングできるので、ペアリングもしっかり楽しんでもらいたいですね!
用意したものは、
- サラダ(日向夏のドレッシング)
- えびの生春巻き
- スモークサーモン
です。
ワインと食事の相性を考えながら組み合わせることを、「ペアリング」と言います。
ペアリングは、ワインを楽しむ為の大切な要素のひとつ。
前回のレポートに引き続き、このような「ワインの基本」も学びながら飲み比べをしていきます。
シャングリ・ラ ソーヴィニヨン・ブラン(Shangri-La Sauvignon Blanc 2018)
まず最初は「ソーヴィニヨン・ブラン」から。
サブリージョン | タスマン |
アルコール度数 | 13.5% |
残糖度 | 3.2g/l |
まず、前回の復習です。
ワインを飲む時は、
- 見た目(外観)
- 香り
- 味わい
この3つに注目をします。
更に、どんな料理と合うかな?と考えたり、ワインと少し向き合ってみることで、より楽しみが深まると思います。
今回はちょっとそれを意識してみて下さいね。
では、見た目はどうでしょうか?
透き通ってて、きれいな色!
透明感がありますね〜。
そうですね、色は薄くて、クリアですね。
では次に、香りを嗅いでみましょう。
前回飲んだソーヴィニヨン・ブランの香り、覚えてますか?
比べるとどうでしょうか。
はい!付属のテイスティングノート※にも記入したので、なんとなく覚えています。
前回のものよりも、優しい感じの香りがしますね。
これっていう表現がなかなか浮かばないですが…(汗)
※前回使用したテイスティングノート
わたしは今日のワインの方が、甘みが強いような気がします。
そうですね、優しい感じですよね。
僕は、はっさくのような白い皮が分厚い柑橘系の香りがしますね。
“はっさく”って言われたら、そんな気がしてきました!(笑)
前回飲んだマールボロのソーヴィニヨン・ブランは、スッキリとして酸味が強い印象でしたが、今回のネルソンのワインは、やはり果実味を感じるスタイルになっていますね。
外観からアルコール度数を見る方法
前回は「外観」「香り」「味わい」について、ワインの基本を学びました。
今回は少しステップアップして、「アルコール度数の見方」についても触れていきましょう。
外観から読み取れることは複数あるんですが、今日はアルコールの見方のお話をしますね。
え、見た目からアルコール度数がわかっちゃうんですか?
はい、ある程度わかるんですよ。
グラスをゆっくり5秒位傾けて、元の位置に戻すと…雫が垂れてきます。
このとろみのことを「ワインの涙」とか「ワインの足」と言います。
これが分厚く垂れてくると、アルコール度数が高くて、旨味が強いワインである、ということが推測できるんですよ。
グラスを傾けて、「ワインの涙」を見てみる。
液体がとろーんと落ちてくると、アルコール度数が高いということですね。
はい。このワインもゆ〜っくりと落ちてくるので、しっかりとアルコールがあることがわかりますね。
ペアリングのコツ
ソーヴィニヨン・ブランにはどんな食事が合うのでしょうか。
このワインの中には柑橘系の香りがあるので、それに合わせてあげるといいですね。
サラダであれば、柑橘系のドレッシングを使うのがおすすめですよ。
この日向夏のドレッシングなんてすごく良いと思います。
たしかに爽やかなもの同士だから、相性いいですね!
ペアリングするときのコツってなにかありますか?
ワインを飲むタイミングとか…意外と迷うんですよねー。
そうですね、食べ物を“ゴックン”した直後にワインを口に入れてみて下さい。
口の中に食べ物の余韻が残っている状態でワインが加わると、そのワインが調味料のような役割を果たしてくれるんですよ。
その組み合わせが「美味しい!」となれば、ペアリング成功です。
なるほど!
実はわたし、モグモグ中にワイン飲んじゃって、変な味になったことがあるんですよね…(汗)
へ〜、意識したことなかったなあ〜。ゴックンした後ですね、了解です!
ブラッケンブルック ピノ・グリ(Blackenbrook Nelson Pinot Gris 2018)
2本目は「ピノ・グリ」のワイン。
サブリージョン | タスマン |
アルコール度数 | 14.5% |
残糖度 | 9g/l |
続いては、同じ生産者の違うぶどう品種のワインです。
「シャングリ・ラ」と「ブラッケンブラック」は商品名は異なりますが、同じ生産者なんです。
まずは見た目からいきましょうか。
ソーヴィニヨン・ブランよりは、黄色いかなぁ?
そうですね。
先程のワインと比べると、透明感はあるものの少し黄色いですね。
香りはどうでしょうか?
う〜ん。なんでしょう、果物で例えるなら、金柑(きんかん)っぽいかなぁ?
わ、それいいですね〜。
確かにちょっと酸味のあるフルーツを思わせるような要素がありますね、あんずの香りもあるかな?
では、飲んでみましょう。
味わいはどうですか?
あまーい♡
とてもまろやかな感じがします!
そうですね、まろやかですね。
合わせる食事は、コクのあるものがいいと思いますね。
今日用意したものの中だと、スモークサーモンが良さそうです。
「ピノ・グリ」について
そもそも「ピノ・グリ」とは、どんなぶどう品種なのでしょうか。
ぶどう品種のそれぞれの特徴を、少しずつ理解していくと、ワインがぐっと楽しくなっていきます。
ピノ・グリは白ワイン用のぶどうですが、”グリ”っていうのはフランス語で灰色の意味で、見た目は黒っぽいんですよね。この写真がピノ・グリです。
わー、ほんとだ。黒っぽい!
白ワイン用のぶどうといえば黄緑色だと思ってた!
ピノ・グリの香りは、よくフルーツの「かくか」で表現されます。
か・く・か…??
新しく流行ってるフルーツの名前!?(笑)
いやいや、そうじゃないです(笑)
かくかは漢字で「核果」と書きます。
英語では「ストーンフルーツ」っていうんですけど、果物の中の種である「核」が大きいフルーツのことを言います。
ストーンフルーツまたは、核果と呼ばれるフルーツの一例。
ピノ・グリは、どんな料理に合うんですか?
ピノ・グリは幅広い料理に合わせることができるので、食卓に1本置いておくといいんですよね。
へ〜、便利なんですね。
そうなんです。
特にNZのピノ・グリはコクが強いものが多いので、重めのお料理との相性も悪くないですよ。
カルパッチョ風のサラダのようなしっかり系のサラダにも合いますし、豚はもちろん鶏肉の料理でも全然いけます。
じゃ、彼氏ができて一緒にごはん食べる時は、ピノ・グリ用意しておけば間違いないですね(笑)
間違いないです(笑)きっと喜んでもらえると思いますよ!
グリーンソングス リースリング(Green Songs Atamai Riesling 2017)
3本目は、「リースリング」です。
サブリージョン | モツエカ |
アルコール度数 | 11.6% |
残糖度 | 7.56g/l |
このワインは、前の2本とはガラッと印象が変わりますよ〜。
さあ、見た目はどうでしょうか?
透明感はあるけど、少しだけ黄色いですね。
そうですね。
では、香りはどうでしょうか?
さっきのワインは甘いフルーツの感じがしたんですが、これは…少し変わった香りがしますね!
なんて表現したらいいんだろう…。
そうですよね、先程の2本とは全く違う香りだと思います。
リースリングの香りを表現する時に、よく使われるのが「青りんご」なんです。
これが青りんご??いまいちピンとこないかも…。
そうですよね、日本だと生の青りんごは馴染みないかもしれませんね。
でもヨーロッパでは青りんごは定番のフルーツで、酸っぱい果物の代表的なものなんです。
へ〜、青りんごが酸っぱい果物の象徴だなんて、初めて知りました。
確かにこのワインはけっこう酸味を感じますね。
他にも、リースリングによく現れる香りで「灯油」とも表現される香りがあります。
え!灯油ですか?もはや食べ物じゃない(笑)
ほんと、ワインの香りの表現って面白いですよね〜。
で、「灯油」と言われたら、そう感じるので不思議です(笑)
ちょっと他にはない個性のある香りですよね。
では味わいはどうでしょうか?
味わいにも、酸味がしっかりある感じがしますね。
でも、香りから想像する味とは少しギャップがあって、とても美味しいです!
リースリングについて、もう少し深堀り
リースリングのラベルをよ〜く見ると「Dry Riesling」と書いてありました。どんな意味があるのでしょう。
また、個性的なリースリングに合う食事とは?
ドライ…。干しぶどうからつくられたワイン…?
アサヒスーパードライ!みたいな、「辛口」って意味なのかな?
そうそう、それです。辛口という意味です。
リースリングっていうのは極端に甘いのと極端に辛いのと、その中間とか、いっぱい種類があるんですよ。
NZだと買ってもらう人に”これは辛口ですよ”ってことを伝えたい生産者は、「ドライ・リースリング」って表記したりします。
へ〜、そんなに幅のある品種なんですね。
このワインは食前に飲んだら食欲が湧きそうじゃないですか?
柑橘系のソースやドレッシングを使った料理や、レモンを絞って食べる料理もいいですね。
レモンを絞る料理といえば…
唐揚げ!どうですか?
唐揚げ、良いですね!
脂っこいものとの相性も良さそうですし、最高の組合わせだと思います!
グリーンソングス シャルドネ(Green Songs Nelson Chardonnay 2016)
最後のワインは、「シャルドネ」です。
リージョン | ネルソン |
アルコール度数 | 13.5% |
残糖度 | 7.56g/l |
熟成 | フレンチ古樽(10ヶ月) |
最後はシャルドネですね。これは、他の3本と比べてみると、濃い黄色に感じますね。
ほんとだ、さっきの3本と比べると全然違う。とても黄色いですね。
ワインの色を比べて見る。左がシャルドネ。
あれ?このシャルドネ、めっちゃ良い香りしますよ!
岩須さん、これでもアロマティック品種じゃないんですか?めっちゃ良い香りですよ?
残念ながら違うんです(笑)
この香りの強さは、主に樽から来てるんですよ。
え、樽に入れてたからこんな香りがついた、ってことですか?
そうです。
樽で熟成させると、こんな香りがするんです。
ちなみにこのワインは10ヶ月間、樽の中で熟成されていたものです。
木樽のイメージ写真。
そうなんですね〜。
でも少しだけ、グレープフルーツっぽい香りもするような…。
そうですね、ほんのりとぶどう固有の香りもしますね。
しかし、メインの立体的な香りは樽由来のものです。
とても良いハーモニーになっていますね。
たしか雑誌のワイン特集に、「樽は”バニラ”の香りを感じることがある」って書いてあったんですけど、これにもそんな香りはありますか?
このシャルドネは古樽を使っているので、バニラの要素はないですねー。
バニラは新樽を使用したときに、強く出る香りなんですよね。
樽にも色々、種類があるんですね〜。
そうなんです。
シャルドネは、ぶどう自体の個性はあまりない品種なので、樽の複雑味を加えることによってその個性を補うことも多いんです。
シャルドネと合わせたい食事
ぶどう自体の個性があまりなく、樽を使うことによって複雑な味わいになるというシャルドネ。
では、どんな料理が合うのでしょうか?
このシャルドネは複雑な旨味があるので、料理もシンプルなもよりは、複雑な味わいのものと合うと思います。
複雑な味わいの料理って…。
一気にハードル上がったんですけど…。
いやいや、
複雑な味わい=凝った料理、ではないんですよ。
例えば、豚肉でも湯通しするのではなく、焼くんです。
すると、メイラード反応と言って、焦げができて香ばしくなり…そこから旨味がぐっと出るんです。
まずはそれだけで、複雑な旨味になりますよ。
そこにソースや調味料を加えて、更に複雑さをプラスしてもいいですね。
焼くだけのシンプルな料理でもいいんですね!
なんか、少しだけ希望が見えました(笑)
豚肉を焼いて、美味しそうなソースを買ってきて、かけたらいいですよね。
うん、うん(笑)
それでも、十分、ペアリングを楽しめますよ。
ポークソテーにオレンジソースをかけるとか?
どうですか?
合うと思いますね!
新樽を使ってバニラの香りがあるシャルドネだと、バターソテーなどバターを使ったお料理もおすすめですね。
岩須のワインレビュー
この記事では、ワイン初心者のなっちゃんとみかさんに合わせて、分かりやすいコメントが中心でしたが、ここからは「ソムリエ」としての岩須のレビューです。
プロの目線では一体どんな表現をするのでしょうか?
シャングリ・ラ ソーヴィニヨン・ブラン(Shangri-La Sauvignon Blanc 2018)
単体でも良いですが、食事と合わせて本領を発揮する一本です。
香りは、はっさくのような内側の白い皮の部分が多い柑橘系のニュアンスを感じます。
ただ、お隣の産地マールボロのソーヴィニヨン・ブランと比べて、このネルソン産はすこしだけフルーティーさは控えめな印象です。
ブラッケン・ブルック ピノ・グリ(Blackenbrook Nelson Pinot Gris 2018)
香りはそれほど強くはないですが、心地よく感じ取ることができます。
あんず、パイナップル、トロピカルフルーツの香りに、ヨーグルトのような爽やかな風味が加わります。
グリーンソングス アタマイ リースリング(Green Songs Atamai Riesling 2017)
かなり切れの良い、キリッとしたシャープな酸が印象的なワインです。
リースリングが持つ独特な香りが心地よいですね。青りんごとはちみつ、ほのかにオイリーなニュアンスがあります。
グリーンソングス ネルソン シャルドネ(Green Songs Nelson Chardonnay 2016)
香りは強く、はちみつ、かりんの甘いフレイバーとともに、樽に由来するスパイシーな香りが感じられます。
味わいは、非常に凝縮したフルーツ感が全面にでていて、それがほのかな樽のニュアンスと複雑に交わり合い、立体的に仕上がっています。
シャングリ・ラ ピノ・ノワール(Shangri-La Pinot Noir 2017)
果樹園を連想させるような、フルーティーな香りが特徴的な赤ワインです。
香りの印象がストレートに味わいにも現れ、飲み込んだあとは樽に由来するほんのりビターな後味も残りますすが、全体としてはとても活き活きとしたフルーティー系ワインですね。
ネルソン地方の自然あふれる風景を連想させるような1本です。
第2回目ワインフライト初心者の感想
サザンクロスのワインフライト第2回目は、NZ南島のネルソン地方の、アロマティック品種のワインが中心でした。
第2回目のワインフライトを振り返り、良かった点やおすすめのシチュエーション、少し気になった点をまとめます。
ここが良かった
届いた5本が全部違うぶどう品種だったから、それぞれの違いが楽しめて良かったね!
うん、それに今回でアロマティック品種をだいたいつかめたと思う!
一気に学べるお得感♡
ネルソン地方のワインって岩須さんも言ってたとおり、ほんとに果実味が豊かだったのも印象的だったな〜。
わたしたちみたいな初心者でも、かなり飲みやすいラインナップだったね!
ワインフライト第1回目はソーヴィニヨン・ブランが中心でしたが、第2回目は全て異なるぶどう品種のワインでした。
その為、それぞれのワインの違いがわかりやすく、飲み比べにも適している様に感じました。
ラインナップも代表的な白ワインの4種だったので、普段のワイン選びに活かせそうです。
また、ネルソン地方のワインは特に果実味が豊かなので、ワイン初心者でも比較的飲みやすいワインが多い様に感じました。
ちょっと気になったところ
もし、苦手なワインが中に入っていたら困るかもな〜。
わたしは全部好きだったけど!
テキストの中にペアリングの提案があったら嬉しいな。
気になった点は、全て異なるぶどう品種なので苦手なワインがあれば困る、ということでした。
ワインは開栓したら、早めに飲むのが好ましいもの。万が一、飲んでみて「飲みにくい」「苦手」と感じるものがあれば、早めにワイン好きの友人に飲んでもらえたらいいですね。
また、ペアリングの提案があれば、楽しみ方も広がり、より良かったと思います。
せっかく全て異なるぶどう品種のセットなので、どんな料理と合うかテキストに書いてあれば初心者には嬉しいですよね。
こんなシーンにおすすめ
最後に、ソムリエ岩須のおすすめシーンもご紹介します。
ワインと食事の組み合わせを考えることも、楽しみ方の1つ。
週末にワインを1本ずつ開けて、それに合わせた料理を作るのはどうでしょうか。
また、これからワインをはじめたいという人には、一度に5つの品種を飲み比べることができるのでおすすめですね。
アロマティック品種の飲みやすいワインばかりなので、女子会にも良いと思いますよ!
それぞれの品種に合わせた料理を考えて作るなんて、なんてステキな週末の時間♡
今度ダンナとチャレンジしてみます!
ワインフライトのレポート、次回は最終回の第3回目です。
次回のテーマは「セントラル・オタゴとピノ・ノワール」です。