ピノ・ノワール飲み比べ!サザンクロスNZワインフライトレビュー第3弾

当サイトでは、ニュージーランドワインの魅力を日々お伝えしています。

しかし、まだ日本では流通量が少なく、なかなか店頭では見かけないのが現状です。

どうすれば、もっと気軽に楽しんでもらえるのだろう…。

そう考えていたところ、NZワインの定期便を見つけました。

そのワイン定期便に実際申し込みをし、試飲会の様子をレポートしています。

この定期便の名前は、「ニュージーランド ワインフライト」

NZワインに特化したインポーター(輸入業者)「サザンクロス」が提供するサービスです。

定期便は全3回にわたるもので、今回はその最終回となる第3回目のレポートです。

▶サザンクロス ニュージーランドワインフライト

サザンクロスフライト

その全3回のワインフライトには各回ごとにテーマがあり、それに沿ったワインが届きます。

各回のテーマは下記の通りです。

第1回目「マールボロとソーヴィニヨン・ブラン」

第2回目「ネルソンとアロマティック品種」

第3回目「セントラル・オタゴとピノ・ノワール」

それでは、前回までを振り返ります。

第1回目はNZワインの定番、ソーヴィニヨン・ブランを中心とした計5本のワインが届きました。

第1回目のワイン

▶第1回目のワインを実際に飲んだレポートはこちらから

第2回目はぶどう品種が全て異なる、個性豊かな白ワインが中心の計5本のワインが届きました。

ワインフライト2-1

第2回目のワイン

▶第2回目のワインを実際に飲んだレポートはこちらから

そして今回レポートする第3回目のワインフライトでは、NZを代表する赤ワイン用ぶどう品種ピノ・ノワールが届きました。

ピノ・ノワールはとってもエレガントで、ワイン好きの間でも非常に人気のある品種です。

今回も当サイトに登場するキャラクター、ワイン初心者のなっちゃんみかさんが、ソムリエ岩須に「ワインの基本」を教わりながら、ワインフライトをレポートします。

※実際にワイン初心者の方をゲストとしてお招きし、その会話をなっちゃん、みかさんの会話形式にしています。

なっちゃん
Web系の会社に勤める29歳。もっとワインを楽しめるといいな、とワイン勉強中。
みかさん
アパレル会社に勤務する35歳。ワインにハマり始めてる今、ワイングラスが気になってしょうがない。
岩須
このサイトの監修を担当する、ソムリエ。自身が名古屋で営むバーでは、ニュージーランドワインを豊富に取り揃える。

第3回のワインフライトの内容は?

第3回目のレポートの前に、サザンクロスのワインフライトについて簡単に復習をしましょう。

「ニュージーランド ワインフライト」とは、NZワイン専門のインポーターであるサザンクロスが行うワイン定期便の名前です。

サザンクロスは、NZワイン愛あふれるインポーターさんです。

▶サザンクロス公式サイト

フライトイメージ

その定期便とは、全3回(月1回)に渡り、各回のテーマに沿ったサザンクロス厳選のNZワインと、オリジナルテキストが送られてくるというもの。

1回あたりの金額は10,800円(税込)で、各回平均3〜5本、全3回でトータル13本のワインが送られてきます。

※通算平均13,000円以上相当。
送料無料。ただし沖縄・一部離島への配送は別途送料がかかります。

いよいよワインフライト最終回ですね!今回はピノ・ノワール」という赤ワインを3本試飲しますよ。

やったー!
赤ワイン楽しみです♡

第1回と第2回に届いたワインは、白ワインが中心でしたよね。

そうですね。第1回目のフライトでは、NZワインの大定番「ソーヴィニヨン・ブラン」を飲み比べて、お二人にもNZワインの香りや味わいの特徴をつかんでもらえたと思います。

3本のワインとグラス

第1回目、試飲した3本のワイン。

そして前回のテーマは、アロマティック品種。香り豊かな白ワインが中心でしたね。

ソーヴィニヨン・ブラン以外の、NZの魅力的なぶどう品種を知ってもらえたと思います。

4本のボトルとグラス

第2回目、試飲した4本のワイン。

はい♡2回とも、すご〜く美味しかったです!

NZワインはとってもフルーティーで美味しくて、ワインがもっと好きになりました♡

それに、きちんとステップを踏んで飲んでいけたから、すごく分かりやすかったです!

うん、分かりやすかった!

ぶどうの香りや味わいの特徴も知れたから、「今度はこんなワイン買ってみようかな〜」って考えるようになったんですよー!進歩!

それは良かったです…(泣)

僕の大好きなNZワインの魅力がしっかり伝わったようですね!

嬉しいです!!

今回はそのNZワインフライトの最終回にふさわしい、特別な赤ワインのセットですよ!

「特別」な赤ワイン♡

これを機に、赤ワインの違いもわかるようになりたいです!

第3回目のワインの詳細

それでは、気になる第2回目のワインフライトの内容を詳しく紹介します。

今回は3rd Flight.「セントラル・オタゴとピノ・ノワール」がテーマです。

届いたのはこちらの3本。

左からマ・メゾン、グリーンソングス、ラブブロック。

ワインの内訳は、下記の通りです。

  • ラブブロック ピノ・ノワール 2016(3,300円)
  • マ・メゾン ピノ・ノワール 2017(4,500円)
  • グリーンソングス ピノ・ノワール 2017(4,600円)

※全て希望小売価格

今まで5本ずつ届いてたのに今回は3本なんですね〜。

そうですね、第3回目のワインは今までのものと比べると、1本あたりの価格が高いんですよね。

ちょっと贅沢なワインってことですね。

わたし3,000円以上のワインって買ったことないかも…。

今日はちょっと、気合い入れて飲まないと…!(笑)

テーマに「セントラル・オタゴ」とあるんですけど、これは産地のことなんですか?

はい、セントラル・オタゴはNZの中でも有名な産地なんです。

詳しくは、後でしっかり説明しますね。

ただ注意しておきたいのが、今回セントラル・オタゴのワインは3本中1本なんですよね(笑)

え、そうなんですか!

なんでなんだろう…?

セントラル・オタゴは、ピノ・ノワールの有名な産地なので、ぜひ皆さんに紹介したいという気持ちからフライトのテーマになったんだと思いますよ。

ただ、それ以外の産地も素晴らしいですし、栽培や醸造にこだわっている生産者のワインばかりなので、そのあたりにも注目して魅力をお伝えできればと思います。

ピノ・ノワールってどんなワイン?

今回のテーマでもある「ピノ・ノワール」とは、どんなぶどう品種なのでしょうか。

ピノ・ノワールはワイン好きの中でも、1、2を争う人気のぶどう品種です。

ツートップのうちのもう1つは、ご存知カベルネ・ソーヴィニヨンですね。

ふむふむ。

この2つにはどんな違いがあるんですか?

ざっくり言うと、カベルネ・ソーヴィニヨンは渋みがあって力強い、という特徴があります。

フランスのボルドー地方が原産地で、ボルドーでは基本的に複数のぶどうをブレンドしてワインをつくるんですが、カベルネ・ソーヴィニヨンはその主役になることが多く「黒ぶどうの王様」とも呼ばれています。

カベルネ・ソーヴィニヨン

黒ぶどうの王様、カベルネ・ソーヴィニヨン。

一方、ピノ・ノワールは優しくてなめらかで渋みが少なく、繊細なぶどうです。

生まれは同じくフランスですが、ブルゴーニュ地方という所が原産地です。

ブルゴーニュではボルドーとは違って、主に単一のぶどう品種でワインがつくられます。

そのブルゴーニュを代表するワインが、ピノ・ノワールなんですよね。

ボルドー&ブルゴーニュ

なるほど〜
とても対照的なんですね。

それで今回は、その「ピノ・ノワール」が飲み比べられるんですね。

はい、そうですね。

ピノ・ノワールはNZでは第2位の生産量を誇る人気品種なんです。

エレガントな香りや味わいを持つ素晴らしいぶどうなんですが、”育てるのが難しい”という側面もあるんですよね。

昔は「ピノ・ノワールはブルゴーニュ地方でしかつくれない」と言われていたくらいです。

ピノ・ノワール

エレガントなピノ・ノワール。

へ〜すごくデリケートなぶどうなんですね〜。

そう、とってもデリケートなんです。

人間に例えるなら…か弱いお嬢様みたいな感じかな(笑)

今は生産者の技術力が高まってきて、世界中で育てられていますが、それでも場所は限られていますし、生産者は他の品種よりも特に慎重に扱って育てているという感じです。

育てるのが難しいってことは、お値段高めだったりします?

そうですね、やっぱり他のぶどう品種と比べると、高くはなってきますね。

1,500円以下のピノ・ノワールも時々ありますけど、はっきり言ってピノ・ノワールらしいエレガントな味のものはないです(笑)

僕はピノ・ノワールなら、2,000円以上の価格帯で選びましょう、ってよくお話しするくらいです。

極端な例で言えば、世界で一番高級なワインと言われる「ロマネ・コンティ」も、実はピノ・ノワールなんですが、それだとワイン一本300万円位するんですよね。

ひぇ〜!!そんなに!?

ロマネ・コンティ恐るべし!

すごいですよね(笑)

NZはヨーロッパと比べるとワインの歴史は浅いですが、実は高品質なピノ・ノワールの産地として、世界からも注目されているんです。

お値段も本場ブルゴーニュと比べるととってもリーズナブルなので、初心者の方にはすごくおすすめなんですよ!

▶ピノ・ノワールについて詳しくはこちら

セントラル・オタゴってどんな所?

NZワインと言えば「マールボロ地方」ですが、NZには代表的なリージョン(ワイン産地)が9つあります

ニュージーランドのワイン産地

▶NZのワイン産地については詳しくはこちら

セントラル・オタゴ地方は、どんな産地なのでしょうか。

NZのワイン産地の中でも一番南にあるセントラル・オタゴ地方は、ピノ・ノワールの名産地として名を馳せています。

南半球にあるNZは、南にいけばいくほど冷涼な気候になるので、セントラル・オタゴは1年を通して冷涼です。

基本的にピノ・ノワールというぶどう品種は暑さを嫌うので、涼しい所の方が栽培に向いてるんですよね。

そっか、北半球の日本とは気候が逆になるんですね。

そうですね。

そして、それ以外にもセントラル・オタゴ地方には、ピノ・ノワールを育てるための非常に良い気候条件が揃ってるんです。

他にはどんな条件があるんですか?

他には、

  • 1日の中の寒暖差が大きいこと
  • 乾燥していること
  • 痩せた土地であること

などがあります。

先程も説明しましたが、ピノ・ノワールは育てるのが難しくてとってもデリケートなぶどう品種ですが、セントラル・オタゴにはこのような好条件が揃っているので、本場ブルゴーニュにも負けないような上質なピノ・ノワールの栽培が可能になるんです。

なるほど〜。

でも1日の中の寒暖差が大きいことが、なぜ重要なんですか?

ぶどうは日中にしっかり光合成をして、糖分を作ります。

そしてその糖分は成長するためのエネルギーとして消費されるんですが、夜になると成長はとまり、昼間に作ったその糖分を蓄えるんです。

ということは、もし夜にしっかり気温が下がらないと、糖分を使っちゃって甘くなくなるってことですか?

そのとおりです。

特にピノ・ノワールは、ゆっくりゆっくり成長して完熟に向かうタイプのぶどうなんですよね。

だから寒暖差が必要なんだ〜。

む、難しいなぁ…けどわかったような気がします(笑)

そう言えば、ぶどうの中の糖がアルコールのもとになるって、前回の試飲会で教わりましたもんね。糖って大事なんですね〜。

あとは、痩せた土地ってなに?ってなりました(笑)

あまりピンとこないんですけど、どんな感じなんですか?

ワインって本当、謎だらけ!

そうですよね(笑)

痩せた土地というのはですね、単純に栄養のない土地のことです。

そういう場所で育つと、根っこは栄養を求めて下にどんどん根を伸ばしていくんですよね。

それで色んな地層の栄養を根っこが吸収して、ぶどうにその栄養がいくんです。

痩せた土地

セントラル・オタゴで撮影した、あるぶどう畑の写真。

へぇ〜、おもしろい!

野菜や果物って栄養たっぷりな土で育つイメージだったけど、ぶどうはスパルタな環境ほど美味しく育つんですね!

セントラル・オタゴは、ワイン以外にはどんな雰囲気の所なんですか?

とても風光明媚なところですよ〜。どこをとってもまるで絵葉書みたいな景色が広がってて。

「クイーンズ・タウン」というメインの町があるんですが、ここは別荘地としても大変人気なんです。

クイーンズ・タウンから各ワイナリーまでのアクセスが良いので、ワイナリーツアーなども盛んに行われていますね。

セントラル・オタゴ

クイーンズ・タウンの風景。

へ〜!観光もできて、ワイナリー巡りもできるなんて最高ですね。

いつか行ってみたいな〜♡

▶セントラル・オタゴについて詳しくはこちらから

ピノ・ノワール飲み比べ

今回の試飲会では、3回目に届いた全てのピノ・ノワールの飲み比べをします。

試飲する順番は、下記の通りです。

  1. ラブブロック (産地:セントラル・オタゴ地方)
  2. マ・メゾン (産地:ワイララパ地方/マーティンボロ)
  3. グリーンソングス (産地:ワイパラ地方)

今回はピノ・ノワールに合わせて、食事もちょっぴり豪華に、

  • まぐろのサラダ
  • やきとり(タレ)
  • ローストビーフ

を用意しました。

料理の写真

今回の試飲会でとても好評だったので、後でそちらも詳しくレポートします!

では、ピノ・ノワールの飲み比べをはじめましょう。

少し最初にお話をしておくと、今日のワインは上級者向けかなぁ〜って思うものが入ってますよ。

それは…初心者には、分かりづらいワインってことですか?

はい、少し(笑)

ワインはぶどうの育て方やその環境だけでなく、醸造方法などによっても大きく変わります。

つまり、生産者によってもさまざまな個性が出るんですよね。

NZのピノ・ノワールは、フルーティーさが前面に出てくるものが多いんですが、今日のワインはそれだけでなく、”つくり方による個性が強く出たワイン”というイメージですね。

そっか、じゃ今日は、違いがわかるようになるチャンスかもしれないですね!

一人で飲んでてもわからないことだらけだし、今日は岩須さんの解説付きで飲めるし!

そうですね、今日はちょっとだけ背伸びして、複雑な香りや味わいのワインの魅力を知ってもらえたら嬉しいですね。

では私も今日は、大人な感じでいきます!よろしくお願いします!!

なっちゃんは、いつも通りでいいと思いますよ(笑)

ラブブロック(産地:セントラル・オタゴ)

(ぶどうの)収穫年 2016年
サブリージョン ベンディゴ
アルコール度数 13.8%
熟成 古樽(8ヶ月)
特徴 ビオディナミ農法

はい、ではまず最初に、色はどうでしょうか?

色は、紫色かなぁ。

このワインは、薄いルビー色というところでしょうか。

薄い!?そんな風には見えないかも…。

ワインの外観を見ている様子。

そうですよね、なかなかこれを薄いとは感じないかもしれないですね(笑)

けれどワインの外観を表す場合、このワインのように、やや向こうが見えるぐらいの色は「薄い」と表現するんです。

ちなみにブルゴーニュのピノは、これよりもっと薄いんですが、NZのものは全体的に色は濃いですね。

香りはどうでしょうか?

ワインの香りの表現って、パッとは出てこないです…。

でもあえて言うなら、果物と木の香り?がするような。

大丈夫、まずは主観でOKですよ!

ピノ・ノワールの香りは、赤系果実(あかけいかじつ)黒系果実(くろけいかじつ)で表されることが多いんです。

具体的には、

  • 赤系果実…きいちご、ラズベリー、チェリーなど
  • 黒系果実…カシス、ブルーベリー、アメリカンチェリーなど

ですね。

このワインは、きいちご、ざくろなど酸っぱいイメージのフルーツの香りに加え、樽(たる)由来のスパイス感も感じられますね。

へ〜、樽って「スパイス感」とも表現するんですね〜。

そうなんです、ワインの樽って焦がして丸く形成してるんですよね。その香ばしさを感じることがあるんです。

次に、口に含んでみてください。どんな味がしますか?自分なりの表現でいいですよ。

酸味を感じます。

あとは深みがあるっていうか…。なんて言えばいいんだろう。

そうですね、このワインはNZの代表的な果実感たっぷりのピノ・ノワールとは一味違う、とても複雑な香りや味わいですね。

熟成について

このワインは2016年にとれたぶどうを使っているので、味わいに少し時間がたったワイン特有の「熟成感」が出ていますね。

ワインを熟成させると、具体的にどんなふうになるんですか?

熟成についてきちんと解説しようとすると長くなりますからね〜(笑)

なので一言では言えませんが、例えばこのワインだと、発酵した後のワインを木樽(きだる)で8ヶ月間熟成しているんですよね。

樽(たる)で熟成させることで、ワインは少しずつ酸素に触れて酸化していきます。

その過程で外観はオレンジを帯びていって、渋みはマイルドになるんです。

また、熟成中にタンニンという渋み成分などが、分子結合して澱(おり)になり、その澱がワイン全体に複雑味を与えていきます。

なるほど〜。熟成の期間を経てワインが変化していくんですね。

どんな赤ワインでも、熟成して複雑な味わいになるんですか?

それぞれのワインのポテンシャル(熟成に耐えうるワインであるかどうか)にもよりますし、結局「美味しい」というのは人の主観なので、これまた一概には言えないんですよね。

例えば、ラベルに10年経ってからが飲み頃だよって記載があっても、買ってすぐに飲んで美味しい、なんてこともあります。

けれど熟成して美味しいワインは、高品質で色んな条件を満たしたものなので、普通のスーパーにはなかなか無いですね。

ということは…普段買うようなお手頃価格のワインに関しては、買ってすぐ飲んでよさそうですね(笑)

そうですね。

カジュアルな価格帯のものは、熟成の為に保存する必要はないと思います。

自宅にワインセラーがある方も少ないでしょうし、特に夏場、気温や湿度の高い環境で保存し続けると、ワインが劣化する可能性もありますからね。

なるほど〜。でも熟成ワインも気になりますね!

頑張って少し良い赤ワインを買って、何年後かの自分の誕生日まで寝かせておくのもいいかもしれないですね♡

マ・メゾン(産地:ワイララパ)

(ぶどうの)収穫年 2017年
サブリージョン マーティンボロ
アルコール度数 13.5%
熟成 新樽10%と古樽
(12ヶ月)
特徴 NZでは珍しい、コルク栓

あれ?このワイン、もしかしてコルク栓ですか?

今まで試飲したワインの中には、なかったですよね。

開栓後のマ・メゾン。

おっ、みかさん、するどいですね。

そうなんです。NZワインは、99%以上がスクリューキャップなんですよ。

僕が普段お店で扱うNZワインも、コルクはほとんどないですね。

へ〜99%ってことはほとんどですね!

高い値段のワイン=コルク、ってわけじゃないんだ〜。

そうですよ〜。

では試飲を始めましょう。

ちなみにこのワイン、個人的にはとても期待しています。

外観はどうでしょうか?

紫で、濁りはないかなぁと思います。

さっきのワインみたいなオレンジは感じられないな。

そうですね、とってもクリーンで美しいルビー色をしてますね。

香りはどうでしょうか?

甘めな果物の感じがします。

いちじくっぽい感じ?

とっても優しくて、心地良い香りですね〜。

「心地良い香り」いい表現ですね〜。

フルーツの香りはカシスやダークチェリーを感じますし、その他にもなめし皮や、樽の香りも感じられますね。

では飲んでみましょう。

このワイン、とっても美味しい!

時間をかけてゆっくり飲みたい感じですね〜♡

僕もこれは素晴らしいワインだなって思います。

これぞNZのピノ・ノワールという、複雑味がありながらも非常に果実味を感じるワインです!

やきとりも、めっちゃ合います〜♡

良かったです!

このワインには、甘いタレのお料理とすごく合うと思いますね。

マーティンボロについて

このワインは「マーティンボロ」という産地でつくられたものです。

生産者の醸造テクニックももちろん素晴らしいんですが、やはりマーティンボロの高品質なぶどうであることも、非常に重要なポイントになりますね。

あれ?

第1回でやった、マールボロとは違うんですか?

そうなんです。

名前が似ていて、ちょっとややこしいですよね(笑)

ざっくり言うと、

  • マールボロ(Marlborough)→南島にある、NZ最大のワイン産地
  • マーティンボロ(Martinborough)ワイララパ地方(北島)の中にある、NZでも有数の名産地

という違いです。

実はマーティンボロは、フランスのブルゴーニュ地方にかなり土壌や気候が似ていると言われているんです。

へ〜すごい、ブルゴーニュってピノ・ノワールの原産地ってさっき言ってましたよね?

そうなんです。なので「NZのブルゴーニュ」とも言われてるんですよ。

この地域の生産者は家族経営が多く少量生産ですが、高品質なワインが生み出されています。

名門のワイナリーがあったりするんですか?

はい、その恵まれた気候や土地を活かした、優秀なワイナリーが多いんです。

このマ・メゾンもとてもこだわりのあるワイナリーで、ぶどうが納得がいかない出来の年は、収穫をせずワインを生産しない場合もあります。

ぶどうの栽培方法もユニークで、ぶどうの樹をとても低く育てていて、太陽の光がぶどうに最大限当たるように工夫したりもしているようです。

その土地の個性、生産者の個性の両方があって初めて美味しいワインが出来上がるんですね〜。

1本のワインから多くのことが読み取れるおもしろさ、それもワインの持つ魅力だと思います。

グリーンソングス(産地:ワイパラ)

(ぶどうの)収穫年 2017年
アルコール度数 12.8%
熟成 フレンチ新樽30%と古樽
(12ヶ月)
特徴 野生酵母での発酵
無濾過(むろか)、
無清澄(むせいちょう)

さあ、最後の一本です。

まずは、外観ですね。

わ〜すごく濃いですね〜!

よく見ると、濁っているのもわかりますか?

わかります、濁ってますね。

底の方が特に濃く感じますね。

その底に沈殿しているのは、澱(おり)ですね。

このワインの生産者は、小山浩平さんという日本人の方なんですが、自然なワインづくりを大切にしている方で、このワインの場合は無濾過(むろか)・無清澄(むせいちょう)でつくられているんですよね。

澱をきれいに取り除く方がクリーンで飲みやすくはなるんですが、より自然なワインをつくりたい場合は、あえてそのまま残しておくんです。

そうすることで、複雑味が出るんです。

これ見た感じでも、上と下の濃さが違うように感じるんですが、ワインを注ぐ時にはどうするんですか?

ジュースみたいに振っちゃダメですよね(笑)

澱を観察している様子。

そうですね…(笑)

例えばグラス6杯に分けて飲む場合、緑茶みたいに薄い部分と濃い部分を少しずつ均等に入れ、どれも同じ濃さにするという方法があります。

もしくは濃さの違いがある状態で、そのままグラスに注いでいくという方法ですね。

後者の場合、最初に注ぐ方にはクリーンな味わいを飲んで頂き、最後の方は複雑で濃い味わいを飲んで頂くということになります。

どっちの方が美味しいというか、おすすめですか?

う〜んそうですね、好みにもよるのでなんとも言えませんが、回し飲みができるような仲間のパーティーであれば、濃さの違いがわかる方が面白いかもしれないですね。

お店のお客様には、どちらの方法が良いか説明をしてみて、選ばれた方法でサーブしています。

なるほど〜、どっちも試してみたくなりますね!

それにしてもこのワイン、香りも味わいも本当に個性的ですね〜。

うん、普段飲んでいるワインとは全然違う。けっこう衝撃的でした。

とっても個性的ですよね。

決してシンプルではない、奥深い味わいだと思います。

このように複雑味のあるワインは、ぜひクセの強い食べ物や食事と合わせてみてください。

クセの強い食べ物…

いぶりがっこチーズとかはどうですか?

いいと思いますね〜。

チーズであれば「シェーブルチーズ」っていう山羊(ヤギ)の乳から作られたチーズも合いそうですね。

あとは、やっぱりお肉ですかね。

鹿肉やイノシシ肉など、ジビエがバッチリ合うと思いますが、ちょっと手に入りづらいので、牛肉でもいいですね。

自然派ワインは人気?

このワインのような「自然派ワイン」や「オーガニックワイン」って、お店でも見る機会が増えてきましたよね。

最近ちょっと気になってるんですけど、どんな特徴があるんですか?

今、自然派ワインって人気ですよね。

ワインはその原料となるぶどうの個性やつくり手の考え方が顕著に出るお酒なんですが、自然派ワインと呼ばれるようなワインをつくる生産者は、なるべく化学的な手法に頼らず、人間の介入を最小限にしてワインをつくりたいと思っている人たちが多いと思います。

エコなワインづくりってことですか?

そうですね。

NZはオーガニック大国で、ワインでも有機栽培やサスティナブル(持続可能)な環境に配慮したワインをつくる生産者は多いんですよね。

例えば、ラブブロックでも実践しているビオディナミ農法は、月の満ち欠けのカレンダーを使って種苗や収穫のタイミングを決めたりするんです。

なんだかとてもロマンティックですね〜。

グリーンソングスのこのワインで言えば、ぶどうの栽培はもちろんワインの醸造にもこだわっています。

野生(天然)酵母といって、ワイナリーに存在する酵母を使ってワインの発酵をしているんですよ。

やっぱりそういうワインの方が一般的に美味しかったりするんですか?

一概にそうとは言えません。

自然派ワインは複雑な味わいになる傾向がありますが、クリーンな香りや味わいを好む人には、少し抵抗感があるという人もいます。

なるほど〜、じゃあ何でもかんでも自然派がいいっていうわけじゃないんですね。

はい。それに「生産者は自ら自然派です!」と名乗らなくても、当たり前にオーガニックなどのつくり方を実践している人も多いんですよ。

だから、味わいからは自然派というのが分からないこともありますね。

ま、そのあたりはあまり固く考えすぎないで、飲んでいくうちに自分の好みを見つけていく方が良いと僕は思いますよ。

番外編:ワインと相性の良い優秀お惣菜

今回の試飲会では、用意したお惣菜がピノ・ノワールに合うと大絶賛でした。

  • まぐろのサラダ(長芋と卵黄のドレッシング)
  • やきとり(タレ)
  • ローストビーフ

今回のお惣菜、どれもワインにすごく合って驚きでした!

試飲会を重ねるごとに、ペアリングの大切さに気づいていった気がします。

デパ地下のお惣菜のクオリティーめっちゃ高いですよね〜。

特に、まぐろのサラダはどのワインにも相性良かったので、みんなにオススメ出来ますね!

実は最初は、赤ワインにマグロ合うの!?…って思ってたけど(笑)

よかった、よかった!

そうですよね、デパ地下のお惣菜ほんとスゴいですよね(笑)最近はワインとのペアリングを提案しているものもあるくらいですよ。

立体的な味付けのものが多いから、今日みたいな複雑な味わいのワインにもマッチしてくれますね。

そうそう。まぐろのサラダも、長芋と卵黄のタレが絶妙なんだよね〜(笑)

これが普通のお醤油ベースのドレッシングとかだったら、またちょっと違ったかなって。

そうですね。

でも家で「味わい深い料理を作るぞ!」ってなっても、なかなか手間もかかりますし、試行錯誤しちゃいますよね。

なので、手軽にお惣菜を買って合わせるのも、僕は全然ありだと思うんですよね。

持ち寄りパーティーにも手軽でいいですね!

試飲会で生まれた、ある疑問。

今回の試飲会のワインを整理すると、

  1. ラブブロック(セントラル・オタゴ地方)→複雑な味わい
  2. マ・メゾン(マーティンボロ)→果実味溢れる王道のピノ・ノワール
  3. グリーンソングス(ワイパラ)→複雑な味わい

ということで、これぞNZの王道のピノ・ノワール!というものは3本中1本、そしてテーマである「セントラル・オタゴ」のワインも1本でした。

この3回目のピノ・ノワール、どれもすごく美味しかったんですが、ちょっと中級者向けのワインなのかな〜、と思いました。

岩須さんに解説してもらって初めて、理解できたかもって。

僕もそれ、最初気になっていたんですよね。

でもよく考えたら、1回目と2回目にもピノ・ノワールが送られてきていたんです。

で、後日試飲してみましたが、そちらの2本はすごくフルーティーで、まさにNZの定番と言える味わいのピノ・ノワールでした。

全3回のワインフライトで届いた5本のピノ・ノワール。

あ!!3回目のパンフレットよく見たら、このページに全3回全てのピノ・ノワールの産地の特徴が書いてあります!

第3回テキストP6

本当ですね。やっぱりそうか(笑)

なので、ピノ・ノワールは第1回目から順番に飲むことをおすすめします。

第1回目のマールボロ地方のピノ・ノワールは、果実味と複雑味のバランスがとても良くて、第2回目のネルソンのピノ・ノワールはとてもフルーティーでした。

その後に、今日のワインを飲んだら、よりピノ・ノワールの幅が広がると思いますね。

この記事を読んでくださった方には、届いた順番通りに飲むことを強くおすすめしたいです(笑)

岩須のワインレビュー

この記事では、ワイン初心者のなっちゃんとみかさんに合わせ、分かりやすいコメントが中心でしたが、ここからは「ソムリエ」としての岩須のレビューです。

プロの目線では一体どんな表現をするのでしょうか?

ラブブロック(LOVEBLOCK Central Otago pinot Noir 2016)

このワインはフルーティーなワインではなく、全体としてはハーブ、スパイス、きのこなどのフルーツ以外の植物的なニュアンスが強く出ていて、それらの要素が複雑に絡み合っている印象です。

セントラル・オタゴの定番である果実味の強いピノ・ノワールとは少し違い、ナチュラルワインらしい独特の複雑味が楽しめるワインです。

▶レビュー詳細はこちらから

マ・メゾン(Ma Maison Martinborough Pinot Noir 2017)

NZのピノ・ノワールにもいろんなスタイルがありますが、このワインは王道と言えると思います。

果実感が全体を支配しながらも、複雑味がきれいにまとまっている。さらに飲み口がすっきりしていて、ワイン単体でも十分楽しめるようなスタイルですね。

▶レビュー詳細はこちらから

グリーンソングス(Green Songs Pinot Noir 2017)

一般的なNZのピノ・ノワールとは一線を画するような、ナチュラルなイメージがとても強いワインです。香りは、プラム、クローブ、土、葉巻。

味わいは、土や葉巻など枯れた葉っぱのような、果実以外の植物的ニュアンスが強いです。ナツメグやクローブなどのスパイス感もありますね。

▶レビュー詳細はこちらから

第3回目ワインフライト初心者の感想

サザンクロスのニュージーランドワインフライト、第3回目は「セントラル・オタゴとピノ・ノワール」というテーマで、NZを代表する赤ワイン用ぶどう品種ピノ・ノワールのワインが届きました。

その第3回目のフライトを振り返り、ワイン初心者の目線から良かった点や気になった点をまとめます。

ここが良かった

第3回のフライトは、ピノ・ノワールばかりが届いたので、特徴が掴みやすかったです!

同じ品種でも生産者によってそれぞれ違う味わいだったから、ピノ・ノワールってこんなに幅のあるワインなんだなぁって驚きました。

そうだね!

3本の中にはNZを代表するようなフルーティーなピノ・ノワールも入っていたし、ちょっと上級者向けの、いわゆる自然派ワインもあって、両方を体験できたからお得感も感じたよね。

熟成ワインや、自然派ワインについても少し勉強できたから良かった♡

あと、ピノ・ノワールは優しい味わいのワインだから、赤ワインに対する苦手意識が和らいだ気がする。

すごく美味しかったので、これから赤ワインもたくさん飲んでいきたいです!

同じ品種のワインを飲むことで、“ピノ・ノワールとは、どんなぶどうか”ということが分かりました。

さらに、3本のワインはそれぞれとても個性的で、果実味が豊かなNZの代表的なピノ・ノワールもあれば、自然派ワインと呼ばれるジャンルのワインも入っていて、それぞれの香りや味わいを知ることができました。

ちょっと気になったところ

しいて言うなら、ちょっと複雑な味わいのワインもあったので好き嫌いが分かれるかもなぁ…?とは思いました。

そうだね、あとはテーマにあったセントラル・オタゴのピノ・ノワールが少なかったね。

気になったところは、ワインがやや上級者向けのものも含まれていたので、初心者には少し難しく感じるかもしれない、ということでした。

そして、今回のフライトのテーマは「セントラル・オタゴとピノ・ノワール」でしたが、その対象となるワインが3本中1本であったことも少し気になりました。

こんなシーンにおすすめ

最後に、ソムリエ岩須のおすすめシーンもご紹介します。

今回のワインは是非、こだわりのピノ・ノワールを飲みたい!という仲間で集まって飲んで見て下さい。

「こんなピノ・ノワールもあるんだ〜」と会話も弾むと思いますよ。

また、大切な人と落ち着いてゆっくりと飲むのもおすすめです。

パーティー

今回届いたワインは、産地も生産者もバラバラのピノ・ノワール3本でした。

それぞれ違う個性を持つワインだったので、その違いを語り合えるような友人・知人同士、または家族などでゆっくり飲むのにピッタリだと思います。

食事も合わせて、大切な一時を過ごしてみて下さいね。

これで、全部で3回のサザンクロス、ニュージーランドワインフライトのレポートは終わりです。

次回は第1回目〜第3回目までの、まとめレポートをお届けします。

この記事の筆者

NZワインラバーズ編集部

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NZワインラバーズの編集部です。ソムリエ岩須の監修の元、ニュージーランドやワインについての情報を執筆しています。
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監修

NZワインラバーズ編集部

岩須 直紀
ラジオの原稿執筆業(ニッポン放送、bayfm、NACK5)。ニュージーランドワインが好きすぎるソムリエ。栄5「ボクモ」を経営。毎月第4水曜はジュンク堂名古屋栄店でワイン講師(コロナでお休み中)。好きな音楽はRADWIMPSと民族音楽。最近紅茶が体にあってきた。一般社団法人日本ソムリエ協会 認定ソムリエ。
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