ニュージーランドで再び市中感染、陽性者が37人に

ニュージーランドに新型コロナウイルスが持ち込まれ、初めて感染者が発見された今年2月26日から100日以上、新型コロナウイルスの市中感染ゼロを継続していたニュージーランドでしたが、8月11日に国内最大の都市Auckland(オークランド)で4名の市中感染が発覚。8月15日までに37名の市中感染が確認されています。

入国時に隔離されている中からの19人の感染者を合わせると、ニュージーランド国内で56人の陽性者がいる状態となりました。

市中感染ゼロが続いていた間も、国境では海外からの帰国者にずっと20名前後の陽性者がいる状態で、市中感染はすぐにでも起こり得ると警戒はされていたものの、マスクもなし、ソーシャルディスタンスもなし、数万人が集まってのラグビー感染など、かなり普通の生活に戻っていたために残念なことに。

感染経路が不明

最初に感染がわかったのは南オークランドに住む家族4名。しかし、この家族がどこから感染したのかがはっきりとはわかっていません。

この家族の中の1名が働いていたのが、輸入の冷凍食品を扱う倉庫なので、そこからの感染ではという説もありますが、品物の表面に付着していたウイルスからの感染だとすると、かなり珍しいケースと言えると専門家は語っています。またこの倉庫はその後調査され、ウイルスによる汚染は確認されていないとのことですが、引き続きニュージーランドに持ち込まれる輸入貨物のウイルス付着の調査が進められています

また、ニュージーランドに入国する人には基本的に入国後すぐ14日間の隔離が求められており、その隔離されている人たちの中からは陽性者がずっと出ていますが、これらのケースからは今回の市中感染が確認されていません。

政府は、症状がある、または陽性者と接触があった、空港等の国境施設で働いている等に当てはまらない場合は検査を受けるのを控えてほしいと呼びかけています。それでも8月14日には28,000件のテストが行われ、市中感染がわかった8月11日から合計で49,700件に。多くの人が検査を求めて集まっており、ドライブスルーで検査を受けられる各拠点には車の列ができています。

オークランドは即日都市封鎖

4名の市中感染が発覚した翌日の正午から、オークランドが新型コロナウイルス警告レベルをレベル3ロックダウンに、残りの国内は警告レベルが2に引き上げられました。これは3日間の予定でしたが、市中感染が広がりをうけ、8月14日にロックダウンの12日間延長を発表しています(8月26日まで)。

この警告レベル3では、スーパー、薬局、ガソリンスタンドなどの必要最低限のビジネス以外は閉鎖。飲食店はテイクアウトのみ許可されています。学校も休みに。また10人以上の集まりは禁止、普段接触する人の人数を少なくするように(基本的には同居する人のみ)求められています。

ニュージーランドは感染が広がり始めてから約一ヶ月で、新型コロナウイルスの警告レベルを4段階に分けたシステムを確率。その結果、人口170万人のオークランドをたった四人の感染が発覚した時点で即レベル3にするという、素早い対応へつながりました。

とはいえ、ルールが守れない人がいるのはどこの国も同じ。Level 3となって初めての週末の土曜日は、まるで春の陽気のような日差しが降り注ぐ、温かな1日になり、多くの人が公園やビーチなどに出かける事態に。

総選挙が延期の可能性

ニュージーランドでは今年9月に総選挙が行われる予定ですが、これを延期するかどうかの議論が進められています。議議会解散が8月17日まで延期され、選挙についても17日に発表される予定です。ニュージーランドでは議会解散前であれば首相に総選挙の日程を決める権限があります。

野党国民党のJudith Collins(ジューダス・コリンズ)代表はすでにジャシンダ・アーダーン首相に選挙の延期を提言、来年への変更も視野に、早くても11月まで延期すべきだと述べています。コリンズ代表は最近代表に就任したばかり。国民党は最近度々の代表変更という事態で、選挙の延期は地盤を固めるのに有利になるかもしれません。

ちなみにコリンズ代表も女性。選挙の結果がどうなろうと、ニュージーランドは再度女性の首相となり、日本人からみるとすごいことですが、アーダーン首相ですでに女性の首相が三人目なため、ニュージーランドでは首相の性別がどうかなどは話題にも登りませんね!

感染経路の特定が急がれるニュージーランド、第二波の1日も早い収束が待たれます。

この記事の筆者

石黒
石黒 沙弥
高校・大学時代を過ごしたNZを故郷と愛する。購入するワインは100%NZで、常備しているのはSILENIのソーヴィニヨン・ブラン。マーマイト大好き。歴代彼氏の半分以上がKiwi。
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