ニュージーランドへの入国者、3日間で陽性者31人確認も国境でストップ

新型コロナウイルス感染拡大をうけ、新年早々東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県に緊急事態宣言が発令された日本ですが、反対側のニュージーランドはウイルスを抑え込み、すっかりコロナ前の生活に。

昨年の素早い国境封鎖、全国4週間以上の徹底したロックダウンが功を奏したのですが、現在も国境封鎖は継続中。国籍または永住権保持者と、政府から特別な許可を受けた人しか海外から入国できません。さらに、入国すると陰性陽性にかかわらず即、隔離施設のホテルへ送られ、2週間の徹底隔離。

1月8~10日の間に入国者からの感染が陽性者が31名と、今までより多く確認されています。幸い、市中感染は発生しておらず、全ての陽性者が、北島のオークランドとハミルトン、南島のクライストチャーチの施設で隔離されています。

イギリス、南アフリカからの変異種も確認

遺伝子配列をしらべたところ今回の31件のうち19件が、イギリスからの感染力の高い変異ウイルスであることが判明。また昨年12月13日に南アフリカで確認された変異種も1件発見されました。

こちらの記事には、陽性者がどこの国から入国し、検査で陽性となったのが入国何日目だったかなど、年末年始の隔離施設での感染状況が掲載されています。入国者の陽性が判明するのは決して入国時というわけではなく、入国してから3日目、12日目に行われる検査や、同じ隔離施設で陽性者が出た場合の検査で発覚することも。

施設では、厳しい規則に沿って隔離者に対し毎日の健康チェックが行われています。また隔離施設で働くスタッフが施設外にウイルスを持ち出さないよう、ウイルスが確実に施設内でストップできるように管理が強化されています。

ロシア、ウクライナから漁師たちが入国

今回陽性と診断されたうちの11人が、6日にロシア、ウクライナから入国した190人の漁師たちからでした。これは、ニュージーランドに大型漁船が停泊したままになっており、遠洋漁業を再開するために集められた人たちだそうです。

Seafood New Zealand(ニュージーランドの海鮮食品業を束ねる組織)のCEOは、遠洋漁業の停止は既に海鮮食品企業に大きな損害が出ているとコメント。また再開されないとニュージーランド国内にある海鮮食品の加工工場などの雇用を守ルことができないため、大きな問題に。これを理由に、昨年10月に政府は漁師たちの入国を特別に許可する決定をくだしました。

合計で800人の遠洋漁業に関わる漁師などが入国予定ですが、ニュージーランドに向かう前に行われる検査で陽性と診断されたケースも多く、全員が入国するにはまだしばらく時間がかかりそう。また、漁師たちを隔離するためにかかる費用も莫大ですが、それよりも遠洋漁業がストップしていることによる損害の方が大きいとのこと。

日本で食べられるニュージーランドの海鮮といえばマッスル(ムール貝)やサーモン。

このサイトを運営しているソムリエ・岩須さんのお店「ボクモ」ではテイクアウトメニューでマッスルが登場していることもあるのでメニューをチェックしてみてくださいね!

ニュージーランドのウイルス追跡アプリ

ニュージーランドにも日本の厚生労働省が出しているスマートフォンアプリCOCOAのような、新型コロナウイルス接触確認アプリ、NZ COVID Tracerがあります。

日本のアプリと違うのは、色々な施設にQRコードが掲示されているのでスキャンしておくと、自分がどこを訪れたのかを記録できるようになっているところ。自分がもし陽性となった場合、どこで感染したのか、追跡できるようになっています。現在、このQRコードは国内で1.5億回以上スキャンされており、自分がどこを訪れたか1日の記録は600万件以上になっています。

なおこのアプリの登録者は約240万人。ニュージーランドの人口が500万人だということを考えるとかなり多い数ですね。

政府が新型コロナウイルス関連の情報を発信しているUnite against COVID-19のInstagramアカウントではその日の陽性者の数がすぐわかるようになっています。

1月11日の新規感染者は4名、そのうちの4件すべて海外からの入国者。現在国全体の陽性者は全て隔離されている海外からの入国者73名。市中感染は0。この市中感染0を続けるため、更なる隔離施設での管理強化が期待されています。

この記事の筆者

石黒
石黒 沙弥
高校・大学時代を過ごしたNZを故郷と愛する。購入するワインは100%NZで、常備しているのはSILENIのソーヴィニヨン・ブラン。マーマイト大好き。歴代彼氏の半分以上がKiwi。
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