木の病気探知犬に海鳥、しまうまの赤ちゃん 1月のニュージーランド動物ニュース

2021年1月のニュージーランド動物ニュースをお届けします!

まずは麻薬探知犬ならぬ、病気探知犬?のお話から。

木の病気を見つける犬、デビュー

ここ1年ほど、あるトレーニングを受けていた二匹の犬が、初めて現場にデビューすることがきまりました。この犬たちは、麻薬探知犬のような、臭いを嗅ぐことで能力を発揮しますが、発見するのは麻薬ではなく、なんと木が持つ病気である枝枯れ。

ニュージーランドの自生樹木の一つであるKauriと呼ばれる木は、ここ近年、オークランド地域で枝枯れに悩まされていました。これ以上広がる前に対策を打たねばならないところですが、木がこの病気に犯されているのかどうかを検査するには数週間が必要。ですが、犬たちにはこの病気を瞬時に察知することができるとか。枝枯れの広がりを防ぐのに大きく貢献してくれるのではと期待されています。この犬たちは、現場となる自然で、野鳥などに気を取られない訓練もされているそうです。

最近ではアメリカで、バスケットボールの試合で新型コロナウイルスの陽性者を探知する犬が話題になりました。世界中で犬の嗅覚が頼られていますね。

Webカメラの人気者が孵化

環境庁が管理するWebカメラでは24時間、northern royal albatross(ノーザンロイヤルアルバトロス)という海鳥のカップルの様子がみられますが、この度ひなが無事孵化しました。南島の下の方、オタゴ半島に住むこのカップルは2017年からつがいに。2020年9月14日から配信が始まった3度目の繁殖期には41個の卵を生み、16羽が孵化しました。

このWebカメラは毎年1羽の雛にフォーカスして映像が配信されます。今年も一つの卵が選ばれ、孵化間近になったところで保護。雛が病気などの危険に晒されないよう、保護施設で孵化が見守られました。元気に孵化した後巣に戻され、現在は環境庁のスタッフが毎日12時間体制で、病気にかかっていないか、親鳥から餌がもらえているかなど、雛の成長をサポートしています。

このWebカメラはYoutubeでライブ配信を見ることができます。夜もはっきり姿を確認できますよ。

※現在、こちらの動画はご覧頂けません

特にみて欲しいのがこちらのビデオ。雛鳥の体重を測るスタッフとそれを見守る親鳥の様子がみられます。親鳥は時折、ぱくぱくとくちばしを鳴らして少し警戒したような、早くひなを返せと言っているような様子を見せますが、スタッフが雛に危害を加えないのをわかっているかのよう。人間と野生動物のふれあいがみられる珍しい動画です。スタッフが始終落ち着いた様子なのも必見。

ノーザンロイヤルアルバトロスは、アホウドリの一種。世界で一番大きい海鳥で、両羽を広げると3メートルにもなるそうです。

また長生きすることでも知られており、大体40代くらいまで生きるとか。”おばあちゃん”の愛称で親しまれた海鳥は62歳で雛鳥を育てたそうです。


巣に戻された雛とお父さん鳥。

マッスルがにわとりの餌に

海の幸が豊富なニュージーランドで人気のグリーン・リップド・マッスル。ムール貝の一種で、ニュージーランドではどこのスーパーでも手に入ります。

色や形が悪かったり、割れてしまっていたりなど、売り物にならないマッスルの新しい活用方法が注目され、ニュースになりました。ゴミにしかならなかったマッスルに目をつけたのは養鶏場、Frenz eggの創設者、ロブ・ダービーさん。

捨てられるはずだったマッスルを引き取り、一晩乾かした後、粉砕し、平飼いのにわとりたちの餌に変身させました。

マッスルはカルシウム、オメガ3、プロテインなどが豊富。特ににわとりが必要とするプロテインを補うのにとても優れているとか。そしてなんと、にわとりたちにとってもとても美味しいらしく、

まるで子供がアイスクリームをもらったみたいに喜ぶ

とダービーさんは語っています。

ちなみにこのマッスル、当サイトの監修と一部執筆をしている岩須さんのお店「ボクモ」でも食べられます。

コロナ禍での営業時間とメニューはボクモのSNSなどをチェックしてくださいね!

オークランド動物園にしまうまの赤ちゃんが誕生

オークランドにある動物園に、しまうまの赤ちゃんが誕生!生後一日で立ち上がって走り回り、すくすくと育っています。お母さんしまうまは昨年、三ヶ月の赤ちゃんしまうまを亡くしたばかり。新しい赤ちゃんの誕生に落ち着いた様子ですが、ちょっと過保護になっているよう。

国営放送でも「とても重要なニュースです」と紹介されました。

この記事の筆者

石黒
石黒 沙弥
高校・大学時代を過ごしたNZを故郷と愛する。購入するワインは100%NZで、常備しているのはSILENIのソーヴィニヨン・ブラン。マーマイト大好き。歴代彼氏の半分以上がKiwi。
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