NZの1番人気観光地「ミルフォードトラック」を全盲の男性が歩く

ニュージーランドといえば広大な自然が満喫できることで人気ですが、その中でも「ミルフォード・サウンド」は1、2を争う人気トップの観光地。

そのミルフォード・サウンドにある遊歩道、「ミルフォード・トラック」を昨年、全盲の男性が歩いたことが、最近になってStuffで紹介されました。

世界で一番美しい遊歩道

ミルフォード・サウンドはニュージーランドの南島、クイーンズ・タウンからバスで5時間ほど行ったところにあるフィヨルド。

「フィヨルド」とは、氷河の侵食によって作られる複雑な地形のことをいいます。このミルフォード・サウンドも含まれるフィヨルドランド国立公園には、他にも13のフィヨルドがあります。

ニュージーランドの先住民であるマオリ族には、このフィヨルドにまつわる伝説が。昔、“トゥテ・ラキファノア”と呼ばれる巨人がいて、このフィヨルドは、その巨人によって手斧で作られた、と言われています。

ミルフォード・トラックは、そのミルフォード・サウンド近くに作られた、世界で一番美しいとも言われる遊歩道。ミルフォード・サウンドまでの53.4kmを4日かけて歩くコースです。

道は整備されているので、服装や荷物などしっかり準備をすればトレッキング初心者でも大丈夫ですが、ガイド付きのツアーがおすすめ。ニュージーランド固有の植物や動物など、見どころの説明が聞けます。

ガイドと盲導犬がサポート

昨年、新型コロナウイルス感染拡大に伴うロックダウンの直前に、このミルフォード・トラックの遊歩道を歩いた全盲の男性は、ネビル・ファルコナーさん。62歳になるファルコナーさんが網膜色素変性症と診断されたのは20代前半の頃。30代には法的に盲目に、そしてここ10年で全盲となりました。しかし、ファルコナーさんは妻のジェニーさんとともに、盲導犬・ソフィーの力を借りながら様々な旅を楽しんできました。

ミルフォード・トラックを歩くにあたって、まずファルコナーさんに必要だったのは、ソフィーを同行させるための許可。ニュージーランド固有の野生動物が多く生息する国立公園内にあるミルフォード・トラックには、通常、犬を連れて行けないからです。いかなる状況にも動じず、主人を守る訓練を受けている盲導犬ということで、今回は特別に環境庁からの許可がおりました。

また、ファルコナーさんたちのトラッキングをサポートしたのは、50年以上に渡り、トレッキングのガイド付きツアーを運営しているアルティメイト・ハイクス社

もともとミルフォード・トラックはニュージーランド政府によって運営されていましたが、1992年からアルティメイト・ハイクス社が担当しているそうです。

視覚以外で自然を満喫

嵐による被害で、所々遊歩道に破損があったため、トレッキングはスムーズにはいきませんでした。ファルコナーさんは、トレッキング中になんと両足を捻挫、足の爪も6枚剥がれてしまったそう。

辛い時は、もうここにはいたくない、帰るための近道はどっちだ、と思いました。でもそれを乗り越え、進むことができました。

と、ファルコナーさん。

ミルフォード・トラックで最も高い場所にあるMackinnon Pass(マッキンノン・パス)にも無事到達。山岳地帯の美しい風景や森林、滝などを見ることはできませんが、視覚以外の感覚でこの遊歩道を存分に満喫したそうです。

滝の音や水しぶき、鳥たちの歌声、全てがとても素晴らしかった

と語りました。

途中、飛べない鳥、Weta(ニュージーランドクイナ)に遭遇。盲導犬ソフィーは、少し興味をそそられてしまった様子だったそうですが、追いかけるようなことは一切しなかったそうです。

最初に視力を失った時はひどく落ち込んだそうですが、今は、

視覚がないことを足かせにするべきではない

と仕事に旅に、精力的に活動しているファルコナーさん。今後もニュージーランドのハイキングの名所をめぐる予定とか。

現在不動産会社の管理職についており、ソフィーと一緒にオークランドまで出張することもしばしば。事務所には、ミルフォード・トラックでガイドがくれた花崗岩(かこうがん)が、思い出として飾られているそうです。

この記事の筆者

石黒
石黒 沙弥
高校・大学時代を過ごしたNZを故郷と愛する。購入するワインは100%NZで、常備しているのはSILENIのソーヴィニヨン・ブラン。マーマイト大好き。歴代彼氏の半分以上がKiwi。
株式会社デック 取締役
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