牛が殿堂入り!?5月のニュージーランド動物ニュース

今月は、牛に犬、そしてキウイ、いろんな動物のニュースをお届けします。おなじみライブ配信中のアルバトロスの雛のハイライトもありますよ!

170,000もの子牛の父親になった雄牛が殿堂入り

まずは酪農大国ニュージーランドから、牛のニュースです。

なんと170,000頭以上の乳牛の父親(種牛)として活躍した雄牛、Beameer(ビーマー)がLIC’s hall of fameに殿堂入り。5月に開催された、牛の繁殖家たちのイベントで発表されました。

LIC’s hall of fameとは、ニュージーランドの酪農業界に大きく貢献した牛たちを讃えるために、LIC(Livestock Improvement Corporation=酪農家の組織)が1954年に創設した殿堂。

ビーマーは2010年生まれの11歳。人工授精でビーマーの子供として生まれた乳牛は、なんと遠くはアイルランドや南アフリカにもいるんだとか。

LICのスポークスマン、サイモン・ワースさんによると、ビーマーは殿堂入りした58頭目の牛に。

ビーマーは殿堂入りするに価値がある素晴らしい牛。170,000頭もの雌牛だけでなく、92頭の雄牛の父親であり、そして54頭の雄牛の孫がいる。雄牛たちはビーマーの後を継いで活躍してくれるだろう

と語りました。

偉大な功績を残したビーマーは種牛を引退。今は牧場でのんびりと暮らしているそうです。

迷子のわんこを偶然ライフガードが救出!

午後の散歩がなんと3時間に及ぶ救出劇に!愛犬のボーダーコリーを散歩中だったゾエ・ローダーさんは、川岸から身動きが取れず泣いている白いわんこを発見。

あんなところに犬が!と本当にびっくりしてパニックになりましたが、放って置けないと思いました。

とゾエさん。しかし、わんこがいる川岸はなんと10mの崖の下。わんこにたどり着くには川を泳いで渡るしかありません。そこでゾエさんはすぐさまパートナーのフレッチャー・ハーニッシュさんに電話。

そう、なんとフレッチャーさんはプロのライフガードであり、ダイバーだったのです!フレッチャーさんはすぐさまウエットスーツと足ひれを持ち現場に到着!川の流れは決して穏やかではなく、反対側の岸にたどり着くのには時間がかかりましたが、わんこはフレッチャーさんが近づくとすぐに肩に飛びのり、ふたりは無事にゾエさんが待つ岸まで戻ることができました。

救出されたこの迷子のわんこ、モリーは無事に飼い主の元へ。この飼い主は、一ヶ月前に飼っていたもう一匹の子犬を交通事故で亡くしたばかりだったので、モリーが保護されたことへの安堵は特に大きかったようです。

ニュースの記事から、救出劇の動画が見られます。

 Molly the dog home safe after three-hour rescue mission at Waikato River

コロマンデル半島でキウイの数が増加傾向

ニュージーランドを象徴する飛べない鳥キウイ。現在、約68,000羽が生息しているとされており、毎年その数が2%ほど減っています。

そんな厳しい状況の中、北島の北岸の半島、コロマンデル半島では、なんと4%の増加に成功しているということでニュースになりました。

その秘密は、半島沖にあるロトロア島。この島は鳥たちの天敵である哺乳類が一切生息していない、いわば鳥たちの楽園なのです。

コロマンデルのキウイは、孵化し200gで、このロトロア島へ。そこで1200gに成長するまで過ごし、その後コロマンデルに戻されるのだそうです。いたちなどに狙われやすい一番危ない雛の時間を安全な場所ですごす、この結果、コロマンデルのキウイの数が少しずつ増えています。

この活動を紹介したニュースでは、ロトロア島で暮らすキウイを見つけ、1200gに成長したのを確認して捕獲する人たちの仕事ぶりが紹介されています。キウイを見つけるのはなんと犬!

犬もキウイの天敵(実際に犬にキウイが殺される例がよく報告されています)なのですが、”キウイドッグ”と呼ばれるこの犬たちは、キウイを見つけるために訓練されています。匂いはもちろん、人間には聞き分けられない鳴き声もわかるのだとか。

最近では7羽のキウイが無事成長し、コロマンデルに帰りました。

ニュージーランドは2030年までに、キウイの数を100,000羽まで増やすのを目標に、各地で保護団体が活動しています。

アルバトロスの母鳥を捕獲?!

たびたびお届けしている、オタゴ半島の生息地に住む、アルバトロスの雛のライブ配信から、ハイライトをお届けします。

※現在、リンク切れ

今月、Tiaki(ティアキ)という名前がついたこの雛。5月25日に、生まれて121日を迎え、体重も7.8Kgに。産毛の下に黒い羽根が生え始めているのもはっきりと見えるようになってきました。

最近いちばん面白かった見どころがこちら。

まず、母鳥である通称LGLが雛にご飯をあげに巣に戻ってきます。近くには二人の保護官の姿が。そのうちの一人がまずそっと近づき、戻ってきたのがLGLであることを確認。そのあと、雛に餌をやるのを見守ります。餌をあげ終え、LGLが雛から少し離れたそのタイミングをみて、二人の保護官がそっと近づきます(動画7:00あたりから)。そう、この二人の今日のミッションは、LGLを捕まえることだったんです!

人が近づいてきたのに気づき、逃げようとするLGL・・・。ここで飛ばずに走って逃げるのがすぐに飛び立つことができないアルバトロスならでは! そしてタイミングよく、カメラに向かって走ってくるLGLの姿がばっちり写っています。

こちらは、穴にハマってしまうTiaki!見た目はかなり大きくなったのですが、ぼてっぼてっとゆっくり歩く姿や、鳴き声はまだまだ赤ちゃんですね。

この記事の筆者

石黒
石黒 沙弥
高校・大学時代を過ごしたNZを故郷と愛する。購入するワインは100%NZで、常備しているのはSILENIのソーヴィニヨン・ブラン。マーマイト大好き。歴代彼氏の半分以上がKiwi。
1 / 4