アルバトロス、とうとう巣立ち 9月の動物ニュース

当サイトのこのニュージーランドニュースでも、1月から9ヶ月にわたり見守ってきたアルバトロスの雛が、無事巣立ちました。

そのほかアザラシの赤ちゃんに、トイレトレーニングする牛、9月の動物ニュースをお届けします!

Tiaki、巣立ち

今年1月末に孵化し、南島オタゴ半島の生息地で無事成長したアルバトロス(アホウドリ)の雛たちが続々と巣立ちを始めました。そして、Royal Cam Chickと呼ばれる、ライブカメラが焦点を当てた1羽、Tiaki(ティアキ)も9月25日、午前6時23分、とうとう巣立っていきました。その映像がこちら。

映像0:46あたりから大きく羽を広げるTiaki、そして一気に飛び立ちました。少しの間は巣の上を飛び回る練習をしてもいい気がするのですが、アルバトロスは一度大きく飛び立つと巣へは戻ってこないそうです。

2016年に始まったこのアルバトロスのライブ配信、今年は初めて雛にGPSがつけられました。背中の羽についているので、羽が生え変わる一年ほどで落ちてしまいますが、それまではTiakiがどこを飛んでいるのか、Web上で確認することができます。

Tiaki(青い線)と父鳥LGK(赤い線)の追跡状況はこちらから

母鳥LGLもGPSをつけていましたが、今シーズン中に壊れてしまい外されました。TiakiがつけているGPSは重さ20g程度と大変軽く、体重が9KgほどあるTiakiの飛行には影響が無いとされています。

Tiakiは巣立った25日から10月3日の間で約370km飛行。アルバトロスは一度巣立つと3年から10年もの間生息地には戻らないそうで、その間ずっと海の上で過ごし、どこにも上陸することはありません。Tiakiは今頃、餌を獲る練習をしているのでしょうか。お腹を空かせて無いといいのですが・・・。

Tiakiの配信ハイライトをまとめたプレイリストはこちら

今シーズンこの生息地から飛び立った雛は合計30羽。今までの最高28羽を2羽更新しました。

赤ちゃんアザラシが玄関先に

北島ホークス・ベイ地方にある海沿いの小さな町、Te Awangaのある家に、珍しい来客がありました。

ブロンウィン・トランフォードさんは朝目が覚めると、ドアの外になんと小さなアザラシの赤ちゃんがいるのを発見!

夫が昨晩物音を聞いたのですが、朝玄関の外を見ると赤ちゃんアザラシがいたのです。この赤ちゃんは午後11:30ごろ姿を現し、玄関先で眠る姿が監視カメラで確認できました。

とトランフォードさん。

うちには赤ちゃんアザラシと同じくらいの大きさのスタッフォードシャー・ブル・テリアがいるのですが、ドアのガラスに鼻先を押し付けて赤ちゃんアザラシを凝視。二匹はガラス越しに鼻先で対面していました。

この赤ちゃんアザラシはここ3週間ほど近隣で姿を見せており、自然保護局の海洋科学アドバイザー、ローレン・ボレンさんによると、この近くにアザラシの生息地があるため、アザラシの姿が見られるのは珍しく無いとのこと。

でも朝起きて玄関にいたらびっくりしますね。

ボレンさんは、この赤ちゃんアザラシを、生まれて9ヶ月から21ヶ月と推測。アザラシと十分なスペースをとること、食べ物を与えないこと、犬を近づけないことをアドバイス。もしも家の中に入ってくるようなことがあれば触らず、すぐに自然保護局に連絡するようにと伝えています。

下記の記事から赤ちゃんアザラシの姿と、ドア越しに見つめるトランフォード家の娘さんのかわいい写真を見ることができます。

牛たちをトイレトレーニング

牛たちは、人間の子供くらい簡単にトイレトレーニングができる!?

研究者たちは、16頭のうち11頭の仔牛が、用意された牛用トイレで用を足すことを学んだと発表しました。これは、人間の子供のトイレトレーニングより簡単かもしれません。

研究者たちはモラセス(サトウキビからできた糖液)をご褒美に使い、たった15日間で仔牛たちにトイレで排尿させることに成功。

尿には窒素が含まれており、これが便と混ざるとアンモニアとなって酸性雨などの環境汚染の原因となるとのこと。また水を汚染し、大気中の汚染物質となることも。これらのことから、すでにヨーロッパでは、牛の尿が問題になっているそうです。そこで牛をトレーニングすることで排泄物を管理しやすくすることができるのではと、この研究が始まりました。

近年、牛がゲップなどから排出するメタンガスも、温暖化の大きな原因となっていることが問題になっています。流石にゲップをトレーニングで制御することはできませんが、排尿だけでもコントロールできれば、環境汚染を少しでも抑えることができるだろうと期待されています。

ちなみに家畜から排出されるメタンガスの削減を目指した研究にも多くの予算が投入されており、肉1kgにつき10%のメタンガスが削減できる牛の改良が進められています。もちろん動物福祉の観点も考慮されており、牛自体が健康でいられる品種であることも必須条件。

ニュージーランドの温室効果ガスの排出の半分が酪農からきているとのことで、対策が急がれています。

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