NZの2021年を振り返る。コロナ禍での明るいニュース

手でつくるハート

世界中が再び新型コロナウイルスの感染拡大に悩まされた2021年。

それは、早くから感染拡大の抑え込みに成功していたニュージーランドも例外ではなく、昨年の後半はデルタ株の感染が広がりを見せました。そんな中でも、キウイ(ニュージーランド人)たちが「キウイでよかった」と誇らしげに語った、明るいニュースががたくさんありました。

ワクチン接種率の目標を達成

ニュージーランドでは新型コロナウイルスのワクチンの接種率を、接種対象者421万人の90%とする目標を掲げ、12月16日に達成しました。
昨日、目標達成との報道がありましたが、正式に90%達成が確認されました。皆さんが自分の役割を果たした結果です。

そして、引き続きワクチン接種拡大に貢献してくれる全ての人に敬意を。

と、当時、新型コロナ対策担当大臣のクリス・ヒプキンズ氏はコメントしています。

ニュージーランドのワクチン接種は、2021年2月にスタート。まずはオークランドの入国者が隔離されている施設でトライアル接種が、その後、空港、税関、隔離施設等の、入国者と接する機会がある労働者、医療従事者から接種開始。そして高齢者、感染した場合重症化しやすい人と続きました。

ジャシンダ・アーダーン首相は6月18日に、保健局のブルームフィールド長官は8月21日に、1度目の接種を終えました(国の重要人物としては遅かった印象ですね)。

10月には“Super Saturday Vaxathon”と銘打った接種促進キャンペーンが開催されました。VaxathonはVaccination(ワクチン接種)+Marathon(マラソン)をかけた造語。

イベント開催日には、接種会場等からテレビ中継が行われたり、オール・ブラックスやアカデミー賞受賞映画監督、タイカ・ワイティティといった著名人も参加したzoomイベント、ミュージシャンが参加したイベントなど、各地お祭りモードの1日となりました。

2022年1月4日現在は、接種率が92.1%に。1回目のみ、接種を終えた人を合わせるとほぼ95%となっています。

学生ボランティアが活躍

新型コロナウイルスの感染拡大が始まる以前から、困っている人々を助ける活動していた学生のボランティアグループがあります。

主に首都ウエリントンと南島のクライストチャーチを中心に活動する“Student Volunteer Army(SVA)”(学生ボランティアアーミー)は、コロナ禍で高齢者や体が不自由な人たちのため、代わりにスーパーで日用品を買い物をするボランティアを行なっています。

2021年にもその活動は続き、2年近くで買い物代行3000回を達成。

2年前は、まさか“買い物代行”組織になるとは思っても見ませんでした。

通常のサービスが未曾有の事態で機能しなくなった時、我々SVAが地域社会を助け、誰も不幸な状態で置き去りにされることがないよう活動しています。

と共同創設者でCEOのサム・ジョンソンさんは語ります。

現在はロックダウンも解除され、感染は広がりつつも経済を活性化させようとしているニュージーランド。SVAの買い物代行も今は落ち着きを見せているそうですが、まだまだ先の見通しが立たない為、いつでもどんなことにも対応できるように準備しているとのことです。

中高生のリーダーが呼びかけ

コロナ禍で、大きな影響を受けているのが世界中の学生たちではないでしょうか。授業がオンラインになったり、イベントも中止になるなど、友達との交流も大幅に減ってしまいました。

そんな中、ロックダウン期間が特に長かったオークランドの学生たちが立ち上がり、学生たちへポジティブなメッセージを届けるためのビデオを制作し、話題になりました。

ホウイック高校の生徒会長、クリッシュ・パテルとハナ・ミロは、オークランド中の45の中高校の生徒会役員約100人をオンラインで集め、5分間のインスタグラム・ビデオを制作。

ビデオでは、学生たちに向けて「自分自身と周りを大切に」「引きこもらず体を動かして気分転換しよう」「外に出て、深呼吸をして」「辛い時は迷わず相談しよう」「自由な時間を楽しんで」「ハッピーバースデーを2回歌いながら手を洗おう」「フェイクニュースを拡散しないように、情報源に注意しよう」などと、元気付けるメッセージを発信しました。

この「一緒に頑張ろう!」というメッセージを通して、ロックダウンで学校に行けず、孤独を感じている多くの生徒たちに「自分たちは学校を超えた大きな仲間の一人なんだ」と、感じてもらえたのではないかと思います。

と発起人のパテルさん。

このビデオは公開一週間で2万回再生されました。

この記事の筆者

石黒
石黒 沙弥
高校・大学時代を過ごしたNZを故郷と愛する。購入するワインは100%NZで、常備しているのはSILENIのソーヴィニヨン・ブラン。マーマイト大好き。歴代彼氏の半分以上がKiwi。
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