水際対策が徐々に緩和へ。海外からの旅行者受け入れも

ニュージーランドの新型コロナウイルスニュース

ニュージーランドでは、新型コロナウイルスの感染が広がり出した2020年3月から、厳しい水際対策を行い、基本的には今まで、国籍または永住権保有者しか入国を認めてきませんでした。

しかし、この度その厳しい規制が緩和されることに。現在も国内では、オミクロン株の感染拡大もみられますが、国内のワクチン接種率が2回目だけでなく、3回目も高くなってきていることから、今回の緩和の動きとなったようです。

緩和は大きく5段階に分けられ、段階的に入国対象者を増やしていく予定です。日本から観光でニュージーランドを訪れることができる日は、いつになるのでしょう。

今回のニュースでは、ニュージーランドの水際対策の緩和について詳しくお伝えします。

これまでの厳しい水際対策では、観光収入の減少や労働不足が課題に

ニュージーランドがこれまでに行ってきた厳しい水際対策によって、経済は大きな打撃を受けました。観光業を束ねる政府の機関、Tourism Industry Aotearoa (TIA)によると、新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年度とその前年を比較すると、外国人旅行者による観光消費額は、91.5%ダウンしたとのこと。

国内旅行は少し増加したものの、外国人旅行者の大幅な減少の影響を補うには到底及ばず、観光業で働く人が34%、観光に関わるビジネスは25%も減少しています。

データはニュージーランド統計局から。

それに加え、農作物の収穫などは、ワーキングホリデーや海外からの出稼ぎ労働者に頼っている仕事も多いため、厳しい入国制限は人材不足を引き起こしています。また労働力だけでなく、知識・技術力のある人材を海外から迎えられないことも課題に。

今回の水際対策の緩和は、このような労働力不足や経済的な問題を解決する為にも必要な対応であるとしています。

緩和は5段階に分けて計画

水際対策の緩和は、当サイト「ボクモワイン」のように、ビジネスでニュージーランドを訪れたい人や、観光で訪れたい人にとっても嬉しいニュースです。しかし、実際に私達が入国できるようになるのは、もう少し先のことになりそうです。

政府は、水際対策による入国制限の緩和を5段階に分けて計画しています。また、今回の緩和で、今まで入国者に義務付けていた、指定の隔離施設での二週間の隔離を撤廃するとしています。

今までの隔離制限では、クリスマスなど帰国希望者が増える時期は施設がすぐに満室になってしまい、予約困難な状況になっていました。かつ、費用も自費のため、帰りたくても帰れない人が多かったのですが、今回の緩和措置により、その問題が解消されそうです。ただし入国時の検査と自主隔離は引き続き求められます。ワクチンの接種が済んでいない場合は、今まで通り、指定施設での隔離が必要です。

全部で5段階ある緩和のうち、2月28日からスタートする第一段階では、オーストラリアから入国するニュージーランド人(国籍保持者)と永住権・居住権保持者、そして現在の国境閉鎖中でも特別に入国が認められている人が隔離なしで入国可能になります。(現在の国境閉鎖中でも医療関係者、酪農、漁業、農業、教育関係者、留学生等に特別に入国が認められることがあります。)

そして3月14日からはじまる第二段階では、オーストラリアだけでなく、高リスク該当国以外の国から入国する全てのニュージーランド人(国籍保持者)と永住権保持者、そして現在の国境閉鎖中でも特別に入国が認められている人を隔離なしで受け入れます。

同時に一部労働ビザやワーキングホリデーでの入国も可能に。労働ビザ取得には、能力・技能があり、NZの収入の中央値(日本円で約650万円)の1.5倍の収入を見込める人という条件があります。ワーキングホリデービザでの入国は、農作物の収穫等の季節的な人材不足を補える見込みです。

4月13日から始まる第三段階では、ビザを保有していながら入国ができなかった人、そして新たに5000人ほどの留学生を、学期の後期に向けて受け入れる予定。また労働ビザでの入国枠の拡大、スポーツや文化イベントに関わる人の入国が認められる場合もあります。

外国人の入国は?

気になる外国人観光客の受け入れは、第四段階にあたり、7月から始まる予定です。

第四段階では、ビザ免除国からの入国が可能になります。ニュージーランドのビザ免除国には日本も含まれており、3ヶ月以内の滞在ならビザなしで入国できます。つまり、日本からは、7月から観光や短期間のビジネス目的での渡航が解禁となる予定となります。

ただし、入国の際には、ワクチン接種と出発前に検査で陰性であることが必須で、入国後10日間の自主隔離が必要です。また、隔離中に2度、検査を受ける必要があります。観光でニュージーランドに、となるとこの隔離期間ではまだまだハードルは高そう。

隔離期間は今後日数が減らされる可能性もありますし、詳しい内容は今後発表になるとのことです。そして緩和措置の第五段階では、全ての国からの入国が可能になる予定。

ニュージーランドは昨年に、今年1月からの緩和を発表していましたが、オミクロン株の感染拡大で延期に。そのため、感染拡大がある程度抑えられており、重傷者が増えない、医療体制が切迫していないことが、今回発表された緩和を計画通りすすめる最低条件になりそうです。

新型コロナウイウスの感染がどうなっていくのか、新たな変異株があらわれないのか、まだまだ安心できませんが、今度こそこの緩和が予定通りに進むことを祈るばかりです。

この記事の筆者

石黒
石黒 沙弥
高校・大学時代を過ごしたNZを故郷と愛する。購入するワインは100%NZで、常備しているのはSILENIのソーヴィニヨン・ブラン。マーマイト大好き。歴代彼氏の半分以上がKiwi。
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