首相の支持率が低下。数字で見るニュージーランドの政治

NZ国会議事堂

今月は首相及び労働党の支持率低下や、元国民党代表サイモン・ブリッジズが45歳で政界引退などのニュースが届きました。そこで今回の記事では、ニュージーランドの政治を数字で見ていきたいと思います。

首相と労働党の支持率低下

最新の世論調査によると、ニュージーランド首相、ジャシンダ・アーダーン及び、アーダーン率いるLabour(労働党)の支持率が低下していることがわかりました。

Labour(労働党)の支持率は37%。39%を獲得したNational(国民党)に敗れ、支持政党二位という結果になりました。アーダーン首相の支持率も34%となり、2020年の58%に比べるとかなりの落ち込み具合に。これは首相に就任した2017年以来最低の水準となります。

長引くコロナ禍での政府の対応に対する懸念や、上がり続ける物価への不満など、国民の不信感が反映された形となりました。先日海外旅行客の受け入れを大幅に前倒しすることを発表したアーダーン首相。支持率の巻き返しになるのでしょうか・・・?

次に、そもそもニュージーランドの政治とは、どのような仕組みなのかということをご説明します。

120人の一院制

ニュージーランドは120人の議員からなる一院制で、現在政権を持つLabour(労働党)が、過半数以上となる65議席を単独で獲得しています。

任期は3年であり、労働党が圧勝した前回の総選挙は2020であったため、次回の選挙は2023年となります。今現在、任期はまだ半分も終えておらず、労働党には挽回の猶予がまだまだある為、国民党が政権交代を叶えるのは安易ではなさそう。今後の支持率の推移に注目です。

この議席数を詳しくみていくと、たびたび話題となるニュージーランドの男女格差の少なさがよくわかります。120議席中61議席が男性、59議席が女性。女性が49%とほぼ半数を占めています。

また、数年前にはこの議会からこんな話題も。議長を務めるトレバー・マラードが、議員の一人が連れてきた赤ちゃんを抱っこし、授乳をしながら議会を進めました。

ちなみにこの赤ちゃんのお父さんは、同性愛者を公表し、男性パートナーと結婚しているタマティ・コフィ議員。この写真は2019年のものですが、議員の男女比といい、多様性に富んだ議会の様子がうかがえますね。

もう一つ、議員の年齢はどうでしょうか・・・?

議員の平均年齢は?

3月15日、元国民党代表、サイモン・ブリッジズの政界引退のニュースが速報で流れました。ブリッジズは若干45歳。

速報でニュースが流れるくらいですし、政界引退にはまだまだ若いですよね。このニュースでニュージーランドの議員の年齢が気になって調べてみると、120人いる議員の平均年齢は47.38歳ということでした。

40代議員が一番多く、全体の40%近くを占めます。その次に多いのが50代の37%、そして20代の28%と続きます。60代以上はなんとたった10%。現在の議員の最高齢は68歳。最年少が26歳となっています。日本と比べるとかなり若い層が活躍していることが見て取れます。

 
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こちらの写真は現在の議員を選出した2020年の選挙後、新人議員が議事堂でオリエンテーションを受ける様子です。

アーダーン首相だけでなく、たびたびその多様性が話題になるニュージーランド議会、今後もどんな議員が生まれるのか楽しみですね。

この記事の筆者

石黒
石黒 沙弥
高校・大学時代を過ごしたNZを故郷と愛する。購入するワインは100%NZで、常備しているのはSILENIのソーヴィニヨン・ブラン。マーマイト大好き。歴代彼氏の半分以上がKiwi。
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