映画でワインのルーツを学ぶ!「ジョージア、ワインが生まれたところ」の感想・あらすじ

今度、ワインの映画を見に行ってみようと思うんです!

それはいいですね〜!ワインを題材にした映画を見ると、きっとワインが楽しく学べると思いますよ。

今回ご紹介するのは「ジョージア、ワインが生まれたところ」という、ワインのドキュメンタリー映画。

引用元:映画『ジョージア、ワインが生まれたところ』公式サイト-UPLINK

この作品はワイン発祥の地とされるジョージア(旧 グルジア)の独特なワインのつくり方、「クヴェヴリ製法」にスポットを当てています。

「クヴェヴリ」とは大きな素焼きの壺のことで、ジョージアではそれを地中に埋めてワインがつくられているのです。

長い歴史の中で、苦難の時代もその伝統的な方法を守り、今の時代に受け継いできたジョージアの人々。そんな彼らのワインづくりと、その暮らしがありのままに描かれています。

ちなみにこの映画は、現在のところDVD化や動画配信はされていない模様。在宅で過ごす人が増えている今、こういったちょっとマニアックな映画も早く自宅で見られるといいですね。

※映画を見に行ったのは、2020年1月です。

「ジョージア、ワインが生まれたところ」詳細情報

今回ご紹介する映画「ショージア、ワインが生まれたところ」は、「映画で旅する自然派ワイン」をテーマに、配給会社のアップリンクが2作同時公開をした映画のうちの1本です。

 

映画ジャンル ドキュメンタリー
テーマ 自然派ワイン、
ジョージアのワイン
原題 Our blood is wine
(私たちの血はワイン)
制作年/国 2018年/アメリカ
時間 78分
監督・撮影・編集 エミリー・レイルズバック
出演 ジェレミー・クイン、他
公式サイト ▶映画「ジョージア、ワインが生まれたところ」

ちなみに、同時公開されたもう1つ作品は、フランスの自然派ワインがテーマの「ワイン・コーリング」という映画でした。

映画の感想

映画の中で特に印象に残ったのは、やはり「クヴェヴリ」という大きな壺ですね。

この粘土製のクヴェヴリを地中に埋めてワインをつくるのが、ジョージアの伝統的なワイン製法なんですが、これがとてもダイナミックでした。

ジョージアの人々はこのことを、次のように表現しています。


大地で育ったぶどうを、母なる大地に改めて預け直す

「大地の力を借りてワインを生み出す」というこの製法は、大きな工場で行われるステンレスタンクを使ったワインづくりとは対極にあるように感じました。

クヴェヴリは、高度な技術をもった専門の職人のみがつくることができる、いわゆる伝統工芸品。現在ではその担い手も少なくなっているようです。さらに、壺を洗う作業などのメンテナンスも重労働ということで、伝統を守り続けることの苦労も同時に伝わってきました。

どんなに大変でも、伝統のワインづくりを守り続けるジョージアの人たちの姿に、感動しました…!

彼らにとって、ワインをつくることも飲むことも、生活の一部になっているようでした。

また、映画中に流れる合唱のような伝統音楽も印象的で、ゆっくりと流れるジョージアの時間を少し共有できたような気がします。

引用元:映画『ジョージア、ワインが生まれたところ』公式サイト-UPLINK

全体的にゆっくりとした雰囲気の映画だったので、リラックスして見れました!

ジョージアのワインづくり、めちゃくちゃ興味深かったですね〜。

こんな風に映画でワインを学べるのって、いいですよね。また何か見てみたいです!

そうですね、2020年はお家で過ごす時間も増えると思うので…ワイン片手にゆっくりワイン映画を見て過ごすのも良いですね!

映画づくりの裏話

この映画は監督のエミリー・レイルズバックが、こだわりと情熱をもって制作した映画です。彼女はシガゴを拠点とする映画監督。その他にもデザイナーや脚本家としての一面も持ちます。

 

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彼女がこの映画を制作したのは、ジョージアの人々の愛情表現やポリフォニー(polyphony)という伝統的な多声音楽に感銘を受けたことがきっかけでした。ポリフォニー(多声合唱)とは、こんな音楽(↓)です。

さらに、ジョージアの個人宅の庭先で育つ貴重なぶどうの固有品種に興味を持ち、ありのままのワインづくりを伝えたいという思いから、長期にわたる取材を決意します。

驚くべきことに、この映画は全てiPhoneで撮影されています。そこには「あらゆるものをセクシーに見せるワイン映画に嫌気がさしていたから」という彼女の思いが込められています。

映画の進行役は、アメリカでもトップクラスの実力と経歴を持つソムリエのジェレミー・クイン。20年近くソムリエとしてのキャリアを持ち、これまでに24カ国以上を旅をしワインの調査を行ってきた人物です。

制作側の真剣な姿勢に、地元の人々も心を許し、自然な表情や普段の様子が撮影されていたように思います。

ジョージアという国は、ワインのルーツ

ここからは映画で登場した「ジョージア」や「ジョージアのワイン」について、お話します。

ワインの起源については諸説ありますが、近年では「コーカサス山脈一帯」が有力であると考えられています。現在で言うと、アゼルバイジャン、アルメニア、そしてジョージアが該当しますが、その3カ国の中でも歴史が最も古い国はジョージアであると考えられています。

ワイン発祥の地でありながら、日本ではまだそれほど実態が知られていない国「ジョージア」。どんな国なのか、ちょっとここでチェックしてみましょう。

ジョージアってどんな国?

ジョージアは東ヨーロッパの、黒海とカスピ海に挟まれた小さな国です。

以前はグルジアと呼ばれていましたが、日本では2015年から現在の呼び名になっています。

国名 ジョージア(Georgia)
旧 グルジア
首都 トリビシ
人口 390万人
公用語 ジョージア語

日本ではあまり馴染みのない国かもしれませんが、近年観光地としても人気が出てきています。

古い町並みと自然が融合するのどかな雰囲気を持ちながら、首都のトリビシ近郊では地下鉄も整備されており、移動もスムーズに行えます。立地的にヨーロッパとアジア、中東などと隣接している為、多方面から影響を受けた食文化も魅力です。

ジョージアのワインについて

ジョージアのワインは歴史も古く、今も昔から変わらない自然的なワインがつくられています。

以下の3つの特徴に分けて簡単にお話します。

  1. ジョージアのワインの歴史
  2. クヴェヴリ製法は「世界無形文化遺産」
  3. オレンジワインの有名な産地

ジョージアのワインの歴史(苦難の時代も乗り越えたワイン文化)

ジョージアで最初にワインが作られたのは、紀元前約6,000年。クヴェヴリの壺の中にぶどうの種が発見されたため、これが世界最古のワインの痕跡とされます。つまり、今日まで約8,000年もの長い間、ワイン文化は受け継がれてきたのです。

その歴史の中で、何度もジョージアのワインは途絶えそうになりました。

もともとジョージア一帯はキリスト教信者が多い場所で、ミサで使う重要なアイテムであるワインが発展した、という経緯があります。しかし、イスラム教国家であるオスマントルコ、セルジュクトルコ、アッバース朝から支配されたことで、ワイン文化は断絶の危機に瀕します。

そのような厳しい環境の中でも、ジョージアの一部の農家ではワインを絶やさないよう、ひっそりとぶどう栽培を続けました。

しかし、イスラム教国家の占領が終わると、今度はソ連占領時代がやってきます。この時代は、一転してワインづくりが推奨されたのですが、つくられたのは安い大量生産のものばかり。伝統的なワインはまたも下火になります。

そんな紆余曲折がありながら、ソ連が崩壊し、ジョージアは国として独立。ようやく本来のジョージアのワインづくりが復興し、国際的に注目されるようになりました。

ジョージアには、土着品種(その土地固有のぶどう)が525品種もあるとも言われています。それは世界のぶどう品種全体の3分の1に相当します。

時代を超えてジョージアの人々によって守られてきた固有のぶどう。

ある産地にいくと、そこにしかない品種が必ずある、それほどたくさんの品種があるのがジョージアのワインです。

クヴェヴリ製法は「世界無形文化遺産」

「クヴェヴリ」は陶器ではなく、1,200度の高温で焼く磁器(セラミック)。純度が高い粘土で作られています。

クヴェヴリ

クヴェヴリを使ったワインの製法は、2013年ユネスコの「世界無形文化遺産」に登録されました。ワインに関する世界遺産はたくさん存在していますが、景観や歴史ではなく「製法」で世界遺産になっているのはジョージアだけです。

その製法とは、まず「サツナヘリ」と呼ばれる木桶に入れたぶどうを足で踏み潰し、添加物は加えず野生酵母で発酵させます。果皮と果汁の入ったクヴェヴリを温度の安定した地中に埋め、長い時間をかけてゆっくりと発酵・熟成させるのです。

ちなみに、同じ2013年には日本の「和食」も世界無形文化遺産に登録されているんです。

ジョージアワインと和食の「世界遺産のペアリング」もきっと面白いですよ。

オレンジワインの有名な産地

ジョージアは近年話題の「オレンジワイン」の生産国としても有名です。オレンジワインは、「白ワイン用のぶどう」を、「赤ワインをつくる方法」でつくられます。

オレンジワイン

白ワインは、発酵する時には果皮や種を取り除いた果汁(ジュース)を発酵させます。しかし、オレンジワインの場合は、それらを取り除かず一緒に発酵させることで、ワインがほんのりオレンジのような色合いになります。ジョージアでは昔から、この方法でワインがつくられてきました。

ぶどうの果皮には自然の酸化防止剤と言われる「タンニン」が豊富に含まれています。そのため、オレンジワインは酸化防止剤(亜硫酸)の使用は最低限で済むというメリットがあります。そのような理由から、オレンジワインは“究極の自然派ワイン”として世界から注目されています。

ちなみに「オレンジワイン」は、2000年代から使用されはじめた造語で、もともとジョージアでは「アンバー(琥珀色の)ワイン」と呼ばれていました。どちらの名前も市場に浸透しているので、「オレンジワイン」=「アンバーワイン」と覚えておくと便利です。

オレンジワインは冷やすとちょっと渋みが際立ちすぎるので、ジョージアでは冷さず飲まれます。

ほどよい渋みは、お肉料理と非常にマッチしますよ。

(おまけ)実際に、ジョージアワインを買ってみました。

映画を見た後日、ジョージアワインが気になったみかさん。

ワインショップに行って、ジョージアのワインを購入しました。

マカシヴィリ・ワイン・セラー ルカツィテリ 2018

クヴェヴリ製法でつくられたジョージアのワイン、買ってみました!

クヴェヴリが描かれたラベル、可愛いですよね〜♡今度の週末、ゆっくり飲んでみます!

おお〜いいですね!そうやって、ワインの世界や楽しみ方が増えていくといいですよね。

まとめ

「ジョージア、ワインが生まれたところ」は、ジョージアの自然なワインづくりを知ることができる監督の思いが込もった映画でした。

ワイン映画は自宅に居ながら、世界や日本のワインを学ぶことができます。

家で何をしようかな?と迷ったら、ぜひワイン映画を見て下さいね。

この記事の筆者

NZワインラバーズ編集部

NZワインラバーズ編集部
NZワインラバーズの編集部です。ソムリエ岩須の監修の元、ニュージーランドやワインについての情報を執筆しています。

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