映画アバターの制作チームがLAからの初めての直通便でウエリントンに到着

しかし、5月31日、特別な許可を得た映画アバターの製作チームがAir NZの特別チャーター機でロサンゼルスからニュージーランドの首都・ウェリントンに到着しました。

ロサンゼルスからニュージーランドへの飛行機は、通常オークランドに到着するため、首都ウェリントンへの直行のフライトは今回が初。

 Avatar crew touch down in Wellington in historic flight from LA(アバターのクルーがLAからウエリントンへ歴史的フライトで到着)

アバターは2009年に公開されたジェームズ・キャメロン監督のアメリカ映画。3D映画として当時大きな話題を呼び、撮影賞、美術賞、視覚効果賞の3部門でアカデミー賞を受賞しました。

以前から続編制作の話は出ていましたが、昨年やっとアバター2(タイトルは仮)が、2021年12月17日に公開決定。3月には1作目に引き続きニュージーランドでの撮影を開始する予定でしたが新型コロナウイルスのため延期となっていました。

ただし、ニュージーランドに入国した製作チームは空港から隔離される施設へ直行。14日間の隔離が義務付けられています。

映画のロケ地として人気のニュージーランド

ニュージーランドはアバターだけでなく、ラスト・サムライ、ロード・オブ・ザ・リングとホビット3部作、ナルニア国物語など、人気映画のロケ地としても有名。

映画のロケのたびにニュージーランド国内でも多くの雇用が創出され、ロケ地は撮影のあとも観光地として人気が出るため、ニュージーランドの経済にも大きく影響します。

ホビット村映画セット、ホビトンはロード・オブ・ザ・リングとホビット3部作にも使用され、今や世界中から観光客が集まる人気の観光地の一つ。

新型コロナウィルスのロックダウンの影響で閉鎖中でしたが、5月30日から再びオープン。

またロケ地だけでなく、特殊効果と小道具のスタジオでウェリントン郊外にあるWeta Workshop(ウェタ・ワークショップ)も多くのハリウッド映画に関わり数々の賞を受賞、このスタジオの現場を間近に見ることができるツアーも大人気です。

経済への貢献度合いではNZへの入国が可能?

ニュージーランドでのアバター2の撮影再開は、映画の製作チーム、経済効果を期待するロケ地地元、そして映画公開を心待ちにしているファンにとっては嬉しいニュース。

しかし、そもそもニュージーランドは外国人に対し国境閉鎖中。世界中にはニュージーランドへ帰国できないニュージーランド人が多くいる中、新型コロナウイルスのホットスポットでもあるロサンゼルスからの製作チーム受け入れを快く思わない人の声も多く聞かれます。

ウェリントンに住むウェンディ・ハーネットさんは、日本人の夫が現在日本からNZに戻ることができない状態だと語っています。

海外にいる家族の(ニュージーランドへの)帰国を心待ちにしている人は多くいる。映画の製作者やビジネスよりも海外にいるニュージーランド人の帰国を優先するべきでは。

現在、ニュージーランドへの経済へ大きく貢献できる場合には、Economic Development Minister (日本でいう経済産業大臣)の許可のもと、外国からの入国が許可される場合があり、今回のアバター製作陣の入国もそのためだろうとのこと。

しかし入国できるかできないか、その判断基準ははっきりと公開されておらず、批判の声が上がっています。

ニュージーランドは5月31日現在、9日間連続で新型コロナウイルスの新規感染者ゼロ、そして国内の患者はたった1名を残すのみとなりました。

この記事の筆者

石黒
石黒 沙弥
高校・大学時代を過ごしたNZを故郷と愛する。購入するワインは100%NZで、常備しているのはSILENIのソーヴィニヨン・ブラン。マーマイト大好き。歴代彼氏の半分以上がKiwi。
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