インターネットのアダルトサイト問題に取り組む政府のCMが話題

インターネットのアダルトサイト問題に取り組む政府のCMが話題

近年、インターネットの普及で、子供達が簡単に成人向けコンテンツを見られるようになってしまい、アダルトビデオ(AV)から恋愛やセックスを学び、現実とフィクションの区別がつかなくなっていると、世界中で問題視されています。

この問題にどう取り組むか、保護者をサポートするサイトをニュージーランド政府が立ち上げました。Department of Internal Affairs(内務省)が中心となって運営されています。

Keep it real online

この取り組みを紹介するために作られたCMが世界的に話題になっています。

Pornography awareness ad reaches millions around the world(アダルトサイト問題のCMが世界中で再生)

このCMは海外のメディアでも紹介され話題になっています。日本ではJapan Timesが掲載。

New Zealand online porn safety campaign goes viral(ニュージーランドのアダルトサイト対策キャンペーンが話題)

裸のAV俳優が突然家に・・・!

話題になっているのはこちらのCM

ニュージーランドのアクセントが強いせいか(笑)、英語の字幕に間違いが多いので、下記にこの動画を書き起こしてみました。

家でくつろいでいた女性の家のインターフォンがなります。出てみると、そこには裸の男女が・・・!

突然女性が自己紹介を始め「息子さんがネットで私たちを検索して、見るんですよ。」そう、この二人はAV俳優。

あっけにとられたお母さん「息子があなたたちを見てるですって・・・?」

女性「そうなんですよー。息子さん、ノートパコンで」

男性「iPadやプレイステーションでも。」

女性「スマホや、あなたのスマホでも。」

男性「スマートTVプロジェクターも。」

女性「私たちは通常、大人のために演じてるのですが。息子さんはまだ子供。恋愛関係が実際はどんなものかわかってないんではと思って。私たちは、性的同意に関してもなにも話さずに、事を進めちゃいますし。」

男性「そうそう。僕は現実ではあんな風にしないしね。」

ここでノートパソコンを片手にもった息子さん登場。二人の姿をみてびっくりしている様子。

ここでお母さんのこころの声(落ち着いて、ここでどうすればいいか、わかってるわよね・・・!)

お母さん、息子に向かって「さあ、そろそろちゃんと、オンラインで見るものと、実際の恋愛関係がどう違うのか、ちゃんと話ししなきゃね!」

最後にナレーション

「多くの若いKiwi(ニュージーランド人)たちは、アダルトビデオでセックスについて学んでいます。Keep it real onlineのサポートとアドバイスを活用しましょう。」

子供と向き合って話をしよう

このCMのすごいところは、いかに子供たちがアダルトサイトにアクセスできないようにするか、という点ではなく、保護者に「子供とちゃんと向き合って話をしよう」と訴えている点。

もちろん、Webサイトには、パソコンやスマホ、Google検索の設定などを子供向けに設定する方法も公開されていますが、サイト内でもコンテンツは

How to talk to your child about pornography”(子供にアダルトビデオについての話をする方法)

がメイン。

保護者にとっても話題にしにくいことだけに、どのように会話をすべきかのアドバイスが紹介されています。

Choose the right moment
会話をすべき適したタイミングを選ぶ

Listen to what they say
子供の話も聞く

Let them know porn doesn’t reflect reality
アダルトビデオが現実を表現しているわけではないことを伝える

Discuss sexual consent and respect
性的同意と相手を尊重する事を話す

Be patient
辛抱強く

そしてどう話を進めれば良いのか、あらゆるサイトを紹介しています。

アダルトサイトなどへ、子供たちがアクセスできないようにするのも大切ですが、CMにもあるように、パソコンだけでなく、ありとあらゆるデバイスでアクセスができ、子供達の周りにあるデバイス全てに対策がされているわけではありません。保護者として「見せない」を押し付けるだけでなく、現実を伝えていく事が重要とし、サポートを提供しています。

またこのサイトではネットいじめや、年長者によるオンラインでの子供の手なづけなどに対するコンテンツも掲載されています。

難しい課題に少しのユーモアを

このCMを制作したのは数々の受賞歴もあるクリエイティブ集団”Motion Sickness”。統括のHilary Ngan Keeさんは、少しの笑いが問題の解決に繋がると語っています。

私たちKiwi(ニュージーランド人)は難しい問題にしばしばユーモアを交えて取り組みますが、それが力になります。もし笑う事ができれば、直面する問題もそんなに怖いことでもないのかも。笑いがあれば、思っていたよりも効果的に取り組んでいけるのでは。なのでちょっと変わったユーモアを加えるのは大切だと思っています。

このCMのアイディアは早い段階から浮かんでいたそうです。

突然、裸のAV俳優が家に現れたらどうします? これは実際に起こっていますよね。彼らはみなさんの家にすでに来ています、デバイスを通じて。

気まずい話題が見事ユーモア溢れたCMになり、笑いと一緒に家庭にオープンなコミュニケーションを生んでいるようです。

この話題で思い出したのはAir New Zealandが2009年に制作した機内安全ビデオ。今でこそちょっと変わった機内安全ビデオを各社が流していますが、ニュージーランド航空のこのビデオが先駆けだった気がします。

ビデオに登場する人たち全員に、制服がボディペイントされています。重要なのにも関わらず退屈で見る気がいまいち起きない機内安全ビデオに、見事人々の注目を集めた、見事なアイディアでした。

この記事の筆者

石黒

石黒 沙弥
高校・大学時代を過ごしたNZを故郷と愛する。購入するワインは100%NZで、常備しているのはSILENIのソーヴィニヨン・ブラン。マーマイト大好き。歴代彼氏の半分以上がKiwi。
株式会社デック 取締役
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