NZのワイン用ぶどう収穫量11%増!2020年「年間収穫量ランキング」発表

「ニュージーランド・ワイングロワーズ」(New Zealand Winegrowers)より、2020年版の「ヴィンテージ・インジケーター」(ヴィンテージ指標)が発表されました。

▶New Zealand Winegrowers公式サイト

今回はそのデータに基づき、NZワインの最新ヴィンテージ情報をお届けまします。

「ヴィンテージ・インジケーター」って、どういうものなんですか?

その年のワイン用ぶどうの収穫量などを、まとめた指標のことです。

NZは南半球なので2〜4月にはぶどうの収穫が終わり、7月頃になると「ぶどうの年間収穫量ランキング」が発表されるんですよ。

2020年は新型コロナウイルスの影響で、NZ国内でも移動や就労の規制がかかりました。その時期がぶどうの収穫期とも重り、生産者たちにとって苦労の多い年でした。

しかし、ぶどう栽培には理想的な気候だったようで、ワインにも大きな期待ができそうです。

では、そんな2020年のぶどう収穫量の動向をみていきましょう。

2020年ぶどうの収穫量や、近年の生産に関する動向

2020年のヴィンテージ・インジケーターによると、ワイン用ぶどうの全体の収穫量は昨年よりも11%伸びました。

収穫年 全体の収穫量
2019年 413,000t
2020年 457,000t

※収穫量の表示単位 t=トン

参照データ:New Zealand Winegrowers NZ Wine Vintage Indicators by Region 2020

今年は11%もぶどうの収穫量が増えたんですね!

そもそもNZワインの生産量などは、どのような傾向があるんでしょうか?

そうですね、近年のNZワインの生産に関する特徴を簡単に説明しますね!

  1. 生産地域はマールボロ地方が全体の収穫量の7割以上を占める。
  2. ぶどう品種はソーヴィニヨン・ブランが全体の収穫量の7割以上を占める。その次にピノ・ノワールが続く。
  3. 生産されるワインの8割は輸出される。輸出量はこの24年右肩上がりに伸びている。

まず、NZでのワイン用ぶどうの生産の特徴として言えるのが「1つの地域と、1つの品種に集中している」ということです。

生産地域は南島の「マールボロ地方」が7割以上を占め、ぶどうは白ワイン用ぶどう品種の「ソーヴィニヨン・ブラン」が7割以上を占めています。

これほどまでに、ワインの生産が「1つの地域と、1つの品種に集中している」というのは世界各国を見渡しても珍しいことです。

また、全体の生産量のうち8割近くが輸出されるというのも大きな特徴です。ここ24年間を見ても、輸出量は順調に伸びています。

(参照資料:New Zealand Winegrowers Annual Report

これらのことを踏まえつつ、2020年の地域別・品種別の詳しい数字とその動向をみていきましょう。

地域別の収穫量ランキング

地域別の収穫量は下記のようになっています。

地域 収穫量(割合) 前年比
マールボロ 343,036t
(77.7%)
+12%
ホークス・ベイ 43,247t
(9.8%)
+16%
ギズボーン 18,959t
(4.3%)
+17%
ネルソン 11,579t
(2.6%)
-6%
ノース・カンタベリー 9,861t
(2.2%)
+22%
セントラル・オタゴ 8,515t
(1.9%)
-28%
ワイララパ 4,472t
(1.0%)
+2%

参照データ:New Zealand Winegrowers NZ Wine Vintage Indicators by Region 2020

ニュージーランドのワイン産地

マールボロ地方が今年も収穫量トップ!

収穫量が断トツのマールボロ地方は、2020年も堅調にその数字を伸ばしました。引き続きNZを代表する巨大産地の座をキープしています。

第2の産地ホークス・ベイ地方も順調に収穫量を伸ばしました。

この地方を代表する品種メルローが豊作だったことが影響しているのかもしれません。

今年の収穫量が前年比で3割近くも減ったのは、冷涼な産地のセントラル・オタゴ地方でした。

この地方の良質なピノ・ノワールは世界で名を馳せているだけに、少し心配です。近い将来発売される「2020年産のセントラル・オタゴのピノ・ノワール」は出荷量が少なくなってしまうかもしれません。

ぶどう品種別の収穫量ランキング

ぶどう品種別の収穫量は下記のようになっています。

品種 収穫量(割合) 前年比
ソーヴィニヨン・ブラン 326,058t
(73.8%)
+8%
ピノ・ノワール 34,105t
(7.7%)
+27%
ピノ・グリ 28,849%
(6.5%)
+38%
シャルドネ 27,568t
(6.2%)
+7%
メルロー 11,166t
(2.5%)
+21%
リースリング 4,510t
(1.0%)
-6%

参照データ:New Zealand Winegrowers NZ Wine Vintage Indicators by Variety 2020

ソーヴィニヨン・ブランは微増。ピノ・グリが大幅UP!

国を代表するぶどう品種ソーヴィニヨン・ブランは、全体の3/4を占めるほどの圧倒的なシェアをキープしています。

「NZワイン=フルーティーなソーヴィニヨン・ブラン」というイメージは、安定の域に達していると言えるでしょう。

そんな中、注目したいのはピノ・グリの躍進ぶり。かねてよりNZでのピノ・グリの収穫量は高まっていましたが、2020年はついにシャルドネを抜き、第3位の品種となりました。

ピノ・グリはNZではここ10年くらいかけて定番の白ワインとして定着してきています。これは他の国ではあまりないトレンドと言えるでしょう。今後、輸出量が増えていけばソーヴィニヨン・ブランの次を担う重要品種になっていく可能性もあると思います。

ピノ・ノワールの収穫量も堅調でした。しかし残念ながら、高級ピノの産地であるセントラル・オタゴの収穫量は減少。この数字を支えているのは、巨大産地マールボロ産のピノ・ノワールだと考えられます。

地域別では南島のノース・カンタベリーが収穫量を伸ばしていたので、2020年ヴィンテージは「ノース・カンタベリーのピノ・ノワール」の品質に注目したいですね。

まとめ

2020年の「ヴィンテージ・インディケーター」をもとに、NZワインの最新情報をお届けしました!

NZワインといえば「マールボロ」と「ソーヴィニヨン・ブラン」が代名詞のようになっていますが、今年の収穫量もその印象をさらに強くするような結果となりました。

しかし、NZにはマールボロ地方以外にもセントラル・オタゴやマーティンボロなど世界で認められるような高いレベルのワインをつくり出す地域も多くあります。ぜひ収穫量のランキングで上位に入らなかった地域のワインも試してみて下さい。

品種別では、今年もソーヴィニヨン・ブランが変わらず1位の座をキープし、世界でも高い評価を得ている2位のピノ・ノワールも、順調に収穫量を伸ばしました。その他、NZワインのトレンドの象徴とも言えるピノ・グリは今後も目が離せません。また、収穫量が安定してきたメルローがこれから熟成してどんな出来映えになるかも注目したいですね。

2020年ヴィンテージのワインは「ヌーヴォー」という形で少しずつ日本にも入っていきていますが、本格的に2020年産のNZワインが日本の店頭に並ぶのはもう少し先。白ワインは今年〜来年にかけてとなります。赤ワインは熟成期間を長くとるものが多いので、1年〜数年先のリリースとなるでしょう。

この先、2020年のワインを飲む機会があれば、またこのページに戻ってきてデータをチェックしてみてくださいね。

この記事の筆者

NZワインラバーズ編集部

NZワインラバーズ編集部
NZワインラバーズの編集部です。ソムリエ岩須の監修の元、ニュージーランドやワインについての情報を執筆しています。
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監修

NZワインラバーズ編集部

岩須 直紀
ラジオの原稿執筆業(ニッポン放送、bayfm、NACK5)。ニュージーランドワインが好きすぎるソムリエ。栄5「ボクモ」を経営。毎月第4水曜はジュンク堂名古屋栄店でワイン講師(コロナでお休み中)。好きな音楽はRADWIMPSと民族音楽。最近紅茶が体にあってきた。一般社団法人日本ソムリエ協会 認定ソムリエ。
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当サイト「ニュージーランドワインラバーズ」は一般社団法人日本ソムリエ協会 認定 ソムリエで飲食店「ボクモ」のオーナー岩須直紀が全記事を監修、一部執筆しているNZワインの専門サイトです。