セントラル・オタゴ地方|ワイン愛好家に注目される世界最南端のワイン産地

ニュージーランドの中で最も南に位置する産地セントラル・オタゴ地方(Central Otago)は、世界最南端のワイン産地の1つとして知られています。

南半球にあるNZは南に行くほど気温が低くなるので、最南端の産地セントラル・オタゴ地方は非常に冷涼です。また、NZ南島を南北に走る「サザンアルプス」という山脈が雨雲を遮るおかげで、1年を通して雨が少なく、とても乾燥しています。

セントラル・オタゴ地方ではこのような気候の特徴を活かし、暑さが苦手で気難しいと言われるぶどう品種「ピノ・ノワール」の栽培が盛んです。そのワインは世界から高い評価を受け、マールボロ地方のソーヴィニヨン・ブランと共にNZを代表するワインとなっています。

また、この地方にはNZ屈指のリゾート地「クイーンズタウン(Queenstown)」があり、そこを拠点に各ワイナリーを巡るツアーも人気です。

僕は実際にセントラル・オタゴを訪れたことがあるんですが、まるで絵葉書のような景色が広がる非常に風光明媚な所なんですよ!

へ〜行ってみたいな〜♪

それでは今、世界のワインファンが熱い視線を向ける「セントラル・オタゴ地方」について、詳しくみていきましょう。

セントラル・オタゴ地方のぶどうの生産量と栽培品種

まず、セントラル・オタゴ地方のぶどう栽培におけるデータの特徴をみてみましょう。

  • 生産量は国内第6位で、割合は全体の1.9% (2020年)
  • 栽培面積は国内第3位
  • 生産されているぶどう品種の7割が「ピノ・ノワール」

セントラル・オタゴ地方はNZでも国内第3位の栽培面積を誇る広大な産地です。しかし、生産されているぶどうの量は全体の約1.9%とごくわずか。生産量だけで見れば、NZワインの7割以上を占める「ソーヴィニヨン・ブラン」に遠く及びませんが、それでもこの地方は世界から大変注目されているのです。

なぜなら、この地方の「ピノ・ノワール」がとっても素晴らしいからです!

ピノ・ノワール

ピノ・ノワールは世界一高級なワインとして有名な「ロマネ・コンティ」にも使われる品種です。うまく育てると非常にエレガントで奥行きのあるワインになるのですが、長年、うまく育てるのが難しい品種として知られてきました。

その理由として挙げられるのは、まず、果皮がとても薄くデリケートであるため繊細な取り扱いをしなければならないこと。それに、病気にかかりやすいので、他の品種よりもケアが必要であること。加えて、早熟な品種であるため、暑い産地で栽培すると、ぶどうが十分に養分をため込む前に完熟してしまい、凝縮感の足りないぶどうになってしまうこと、などがあります。

よって、古くからぶどう農家の間では、「ピノ・ノワールはフランスのブルゴーニュでしかうまく作れない」と言われていました。

しかし、セントラル・オタゴはその常識をくつがえします。1990年代後半「こんなに上質なピノ・ノワールが南半球に存在するなんて!セントラル・オタゴ地方はピノ・ノワールの未来を担う産地になるかもしれない!」と評論家たちの間で噂になったのです。

そして今では「ブルゴーニュ(フランス)「オレゴン(アメリカ)と並んで「世界三大ピノ・ノワール産地」と呼ばれるようにまでなっています。

NZのピノ・ノワールの特徴は、なんといっても果実味溢れる香り。中でもここセントラル・オタゴ地方で作られるピノ・ノワールは、ブラックチェリーとハーブの香りが感じられ、タンニンと酸が豊富で重厚感があり、実にエレガントな味わいです。

また、多くのワイナリーがピノ・ノワール以外のぶどうも栽培しています。主に白ワイン用のぶどうで、代表的なものは下記の通りです。

ピノ・ノワールだけでなく、白ワインも非常に素晴らしいんですよ。

例えば、2018年にこの地方で開催されたワインイベントのウェルカムパーティでは、来場者に10年以上熟成した「リースリング」が提供されました。

そのクラッシックでアロマティックな香りと味わいは、人々を驚かせたといいます。

恵まれた気候と土壌

セントラル・オタゴ地方の気候条件について冒頭でも触れましたが、ここでは下記の項目に沿ってその特徴をさらに詳しく解説していきます。

  • 冷涼で、極端に乾燥している
  • 1日の中の寒暖差が大きい
  • 氷河の影響を受けてできた「痩せた土地」

冷涼で、極端に乾燥している

南緯45度のセントラル・オタゴ地方は、世界最南端のワイン産地であり、とても冷涼です。

我々日本人が「南」と聞くと「暑い地域」をイメージしますが、NZは南半球。南に行けば行くほど涼しい気候になります。

なるほど〜、日本とは真逆なんですね!

また、セントラル・オタゴ地方の西側には「サザンアルプス」という標高3,000m以上の山脈が続き、雨雲を防いでくれます。年間の降水量はたった300〜400mm。日本のワイン産地として有名な山梨県の年間降水量が1,100〜1,200mmなので、比べるといかに雨が少ないかがわかります。

多雨を嫌う性質のぶどうにとって、この乾燥した気候は、非常に良い条件となっているのです。

1日の中の寒暖差が大きい

NZは海に囲まれた国ですが、セントラル・オタゴ地方は海に面しておらず、NZで唯一「半大陸性気候」に分類されています。この気候の特徴の1つに、“1日の中の寒暖差が大きい”ということが挙げられます。

セントラル・オタゴ地方の都市であるクイーンズタウンでは、1月(真夏)の平均最高気温は18℃。それに対し、平均最低気温は9℃となっています。服装で言えば、昼は半袖で過ごし、夜は肌寒くなるため少し厚めのパジャマを来て寝るのがちょうど良いくらい。日本の夏とはだいぶイメージが違いますね。

このような1日の寒暖差が大きい環境で育つぶどうは、豊かな果実味と美しい酸味を合わせもった、エレガントな味わいに仕上がります。

氷河の影響を受けた痩せた土地

この地方の土壌は、氷河が運んで来たとされる「石英(せきえい)」や「雲母(うんも)」、細かいシスト」、岩盤が削られたものなどで構成されています。そのような栄養の少ない土壌は痩せた土地と呼ばれ、ワイン用ぶどうの栽培に向いているとされます。

痩せた土地

岩須が撮影したNZのぶどう畑の写真。「痩せた土地」とは、こういう土地を指す。

なぜ「痩せた土地」の方が、ぶどうの栽培に向いているんですか?

ぶどうは、痩せた土地のほうが、「枝や葉を伸ばすために栄養を使う」のではなく、「果実に栄養を貯め、その栄養たっぷりの果実を鳥や獣が食べることで、種を遠くに運んでもらおうとする」という性質があるからです。

また、痩せた土地に張った根は、栄養を求めて地下へ向かって深く伸びていき、地中にある様々な養分を吸収することができるんですよ。

苦労の絶えない霜対策

この地方の気候や土壌がぶどう栽培にとって好条件ばかりかというと、そうではありません。冷涼な地域であるがゆえに、ぶどうの大敵「霜」がつきやすく、生産者達はその対策に追われます。

特にぶどうの品質に大きな影響が出る、成長期と収穫期には細心の注意を払わなくてはなりません。生産者達は、ぶどう畑に風車を設置したり、ヘリコプターをチャーターして上空から空気を送ったりするなどして、ぶどうに霜が付かないようにします。

このように、生産者達の弛みない努力のもとで高品質なぶどうは育てられるのです。

セントラル・オタゴ地方のワインづくりの歴史

セントラル・オタゴ地方で初めてぶどうの樹が植えられたのは1864年ですが、本格的な商業用ワインがつくられはじめたのは1980年代からとごく最近のことです。

これほどまでに歴史の浅いワイン産地は、世界を見渡してもほとんどありません。

ではなぜこの地方のワインが一躍有名になったのでしょうか?それは、あるワインがきっかけでした。

一夜で名声を得た“シンデレラワイン” 「フェルトン ロード」

この地方の存在を世界に知らしめたのは、1997年に初リリースされた「フェルトン ロードのワイン。

「こんなワインが南半球で出来るなんて…これは本場ブルゴーニュに匹敵する味わいだ!」と世界の評論家たちを驚かせたのです。

このように一夜にして名声を手に入れたこのワインは、別名「シンデレラワイン」とも呼ばれています。

そしてこの出来事をきっかけにして、フェルトン ロードのみならずセントラル・オタゴ地方のワインに対し世界から注目が集まるようになりました。

今でもフェルトン ロードはこの地方を代表するワイナリーであり、そのワインは入手困難とされ「幻のニュージーランドワイン」と言われています。

フェルトン ロード ピノ・ノワール バノックバーン 2017

「フェルトン ロード ピノ・ノワール バノックバーン 2017」

目覚ましい発展を遂げるセントラル・オタゴ地方のワイナリー

セントラル・オタゴ地方には数多くの小規模ワイナリーが点在しています。後発のワイン産地だからこそ、他の地方で育まれてきた新しい技術やアイディアを積極的に取り入れる生産者たち。

ここでは、ぜひ知って頂きたい以下の3つのワイナリーをご紹介します。

どれも素晴らしいワイナリーばかりですよ!

フェルトン ロード

先ほどもご紹介した「フェルトン ロード(Felton Road)」は、この地方のみならずNZを代表するワイナリーの一つであり一際目立った存在です。

1991年にステュアート・エルムズ氏がセントラル・オタゴ地方のバノックバーンに「エルムズ・ヴィンヤード」という畑をおこしたことから、その歴史は始まりました。

その後、醸造家であるブレア・ウォルター氏を招き入れ、1997年にピノ・ノワールを初リリース。そのワインは瞬く間に世界中のワインファンを魅了し、世界最高レベルの評価を得るトップワイナリーになったのです。

自然の力を重要視したフェルトン ロードでは、すべての畑はバイオダイナミック農法により育成、より自然な醸造アプローチによってワインづくりをしています。

中でも注目したいのは「グラヴィティ・フローシステム」を採用していること。これは収穫したぶどうやワインを醸造する過程において、機械を使わずできるだけ自然の重力を利用するという手法です。

▶フェルトン ロード

▶フェルトン ロード ピノ・ノワール バノックバーン 2017のレビューページ

リッポン

「リッポン(RIPPON)」は1970年代半ばに設立された小規模な家族経営ワイナリーです。

標高330mのワナカ湖畔に位置するこのワイナリーは、北向きで日当たりがよく(南半球なので北向きが日当たり良好)、湖の向こう側にはサザンアルプスの山々が美しく広がっています。

ワイナリーの指揮を執るのは、本場ブルゴーニュで修行した経験を持つニック・ミルズ氏。彼は現地で得た知識を元にバイオダイナミック農法を実践。カモミールなどのハーブが植わる自然豊かな畑は「世界で1番美しいぶどう畑」とも称されています。

リースリング、ゲヴュルツトラミネールなどの白ワインも秀逸ですが、やはり世界的に評価が高いのはピノ・ノワール。本場ブルゴーニュに通じる華やかさとエレガントさを持ったワインです。

▶リッポン

▶リッポン マチュア ヴァイン ピノ・ノワール 2017のレビューページ

ミーシャズ ヴィンヤード

「ミーシャズ ヴィンヤード(Misha’s Vineyard)」は、近年、注目を浴びる新進気鋭のワイナリーです。

オーナーのウィルキンソン夫妻の元の職場は、シンガポールの世界的なIT企業。彼らには「いつか自分たちでワインをつくりたい」という夢があり、休暇の度に世界のワイン産地を訪れ2001年からワインづくりや醸造について学びました。

冷涼な土地でエレガントなピノ・ノワールがつくりたいと考えていた夫妻は、セントラル・オタゴ地方に的を絞り、2年もの長い年月をかけ畑用の土地を選定しています。最終的に夫婦が心を決めた場所は、ダンスタン湖が見渡せる美しい土地で、もともとはNZがゴールドラッシュの沸いた頃、金の採掘場として使われていた土地でした。

ミーシャズはNZの中でもまだ新星のような存在ですが、畑選びにもあったように、ひとつひとつ丁寧に歩みを進めるワイナリーです。

ミーシャズ・ヴィンヤード

岩須がミーシャーズ・ヴィンヤードを訪れ、オーナーのミーシャ宅で珠玉のワインをテイスティングした際の写真。

▶ミーシャズ ヴィンヤード

▶ミーシャズ ヴィンヤード ゲヴュルツトラミネール “ザ・ギャラリー” 2014のレビューページ

セントラル・オタゴ地方の個性豊かな「サブリージョン」

ここからは広大なセントラル・オタゴ地方の「サブリージョン」をご紹介します。

サブリージョンってなんですか!?

サブリージョンとは、「リージョン」という広域な生産地域をさらに細かく分けた小地域のことを言います。

少々マニアックな情報かもしれませんが、サブリージョンを知っていると、よりその地域のワインの違いを楽しむことができます。

この地方のサブリージョンは、下記の6つです。

  1. ワナカ
  2. ギブストン
  3. バノックバーン
  4. クロムウェル/ローバーン/ピサ
  5. ベンディゴ
  6. アレクサンドラ

セントラル・オタゴ地方での「サブリージョン」の区分は、“Central Otago Pinot Noir LTD”の基準に沿ってご紹介しています。

それでは、そのサブリージョンの位置や特色をご紹介します。

ワナカ

「ワナカ(Wanaka)」はこの地方最北端のサブリージョンで、サザンアルプスに最も近い場所に位置します。人口7,000人ほどの自然豊かな街で、リゾート地としても人気があります。

クイーンズタウンからは車で1時間30分と少し離れた場所にありますが、雄大な景色は訪れる人々を魅了します。中でも必見なのは「ワナカ湖」です。特にNZで秋にあたる4月下旬〜5月上旬に訪れると、赤色や黄色に染まった美しい木々を楽しむことができます。

冷涼なセントラル・オタゴ地方の中では比較的温暖で、品種を問わず“ややスパイシーな味わい”のワインが特徴です。

この地域の代表的なワイナリーは「リッポン」です。

ギブストン

「ギブストン(Gibbston)」は、この地方の中で最も標高が高く冷涼な気候です。バンジージャンプが楽しめる人気スポット「カワラウ渓谷」もあります。

 

ギブストンのピノ・ノワールは、ラズベリーなどの赤い果実の風味と豊かな酸味が特徴で、繊細な味わい。

「アミスフィールド」「ヴァリ」「ペレグリン」など、有名なワイナリーがいくつもありますが、中でも「ギブストン ヴァレー」の見学ツアーがおすすめです。

「ギブストン ヴァレー」には、セラードアやレストラン、チーズ製造・販売所もあって、半日は楽しめますよ。

バノックバーン

「バノックバーン(Bannocburn)」は、一帯が盆地になっていて、冷涼なセントラル・オタゴ地方の中ではもっとも温暖で乾燥しています。

この地域のピノ・ノワールは、骨格が柔らかく丸みのある果実の味わいが特徴で、長期熟成が可能な高級ワインも数多く作られています。

ぜひ訪れたいのは、有名ワイナリーの「フェルトン ロード」。ワイナリーから見下ろす丘に広がる美しいぶどう畑は絶景そのもの。「マウント ディフィカルティ」「キャリック」のレストラン併設のワイナリーは地元の人々から人気を得ています。

クロムウェル/ローバーン/ピサ

「クロムウェル(Cromwell)」は果樹園が多く立ち並ぶ“フルーツの町”です。

 

この地域は日本人醸造家、佐藤嘉晃さん・恭⼦さんご夫妻による「サトウ ワインズ」の拠点もある場所。

バノックバーンを6号線沿いに北上するとダンスタン湖という縦に細長い湖があり、西側に「ローバーン(Lowburn)」「ピサ(Pisa)」と小さな産地が続いていきます。

また別のサブリージョンの定義では、「クロムウェル」と「ローバーン」「ピサ」を一括にして「クロムウェルベイスン(盆地)」と呼ぶ場合もあります。クロムウェルのワインは、バノックバーンのものとよく似ており、やや丸みのある味わいが特徴と言われます。

ベンディゴ

「ベンディゴ(Bendigo)」はクロムウェルのすぐ北の、ダンスタン湖の東側に位置する地域です。

氷河によって運ばれてきた土壌が重なって形成されており、石英、粘土だけでなく、石灰岩が含まれていることがこの地域の畑の特徴で、この地方のピノ・ノワールは、色が濃く、強烈なスパイシーさが感じられます。

代表的なワイナリーは「プロフェッツ ロック」「ミーシャズ ヴィンヤード」「クォーツ リーフ」などです。

アレクサンドラ

「アレクサンドラ(Alexandra)」は、他のサブリージョンとは少し離れた場所にある小さな町です。

ここは、他の地域と比べると観光客はそれほど多くありませんが、ワインを語る上では重要な産地です。なぜなら、NZの中で最南端であるセントラル・オタゴ地方、その中の最南端にあるサブリージョンなので、ここが正真正銘の「最も南にあるワイン産地」ということになります。つまり、ここより南の寒いエリアではワインづくりは難しいということになるのです。

アレクサンドラはセントラル・オタゴ地方の中でも1日の中の寒暖差が激しい地域でもあり、香り高いワインが生み出されています。

代表的なワイナリーは「トゥーパドックス」です。

セントラル・オタゴ地方のワイン巡りのコツ

この地方は非常に広大なので、複数のワイナリーを巡りたい場合には車が便利です。

宿泊先となるであろう中心都市の「クイーンズタウン」を拠点とし、計画を立てるといいでしょう!

ワイナリー巡りをするには、下記の2つの方法があります。

1.現地で予約できる「ワイナリーツアー」に参加する

一番気軽で、旅の参加者全員が楽しめる方法がワイナリーツアーです。

セントラル・オタゴ地方では、現地のツアー会社がクイーンズタウン発着のワイナリー訪問ツアーを随時開催しています。誰かがドライバーになる必要がないので、全員が試飲したいという場合はこちらがおすすめ。

2.自分たちでプランを組んで、レンタカーで訪れる

特に気になるワイナリーや地域があるという場合には、やはり自由度の高いレンタカーが便利です。

NZは、日本で国際免許を取得しておけば誰でも運転できます。左側通行で日本とほぼ同じ交通ルールなので、比較的日本人が運転しやすい国と言えます。

ワイナリーの多くはハイウェイ6号線沿いに集まっているので、目的地までの運転はそれほど難しくありません。

近いところでは、クイーンズタウンを出発して30分後にはワイナリーに到着できますよ。

セントラル・オタゴ地方で活躍する日本人

NZはワインづくりの歴史が非常に浅く、ここ数十年で飛躍的に伸びた国でありますが、そのワインづくりに恵まれた土地を求めて世界中からワイン生産者が集まっています。それは日本人も例外ではありません。

セントラル・オタゴ地方を代表する日本人経営ワイナリーは「サトウ ワインズ」です。

NZに日本人生産者がいらっしゃるんですね!

とっても親しみが湧きます♪

はい、NZでは多くの日本人生産者の方が目覚ましい活躍をしているんです。

セントラル・オタゴ地方でワインづくりをされているサトウ ワインズさんの、高度な技術とこだわりの詰まったワインは、世界でも高く評価されているんです。

サトウ ワインズ

佐藤さん

画像提供元:ヴィレッジ・セラーズ(株)

「サトウ ワインズ(Sato Wines)」は2009年に佐藤嘉晃・恭子夫妻がが設立したワイナリーです。

かつて同じ銀行に務めていた佐藤夫妻。元々ワイン好きの2人ですが、赴任先のロンドンで世界のワインの魅力に触れ、ワインづくりの道を進むことを決意しました。

そしてNZに渡り、2007年よりリンカーン大学でワインづくりを学びます。その傍ら、2人はNZワインの名門中の名門である「フェルトン ロード」に勤務し、ワインづくりのキャリアを積みます。

その後、2009年に嘉晃さんは「マウントエドワード」に移籍し、ワインメーカーで勤務すると同時に「サトウワインズ」を設立。恭子さんは、今でも「フェルトン ロード」での勤務を続け、スーパーバイザーとして従事しています。

サトウワインズはナチュラルなワインづくりを信条とし、「バイオダイナミック農法」でぶどうを育成しています。

▶サトウ ワインズ

▶サトウ ワインズ ピノ・ノワール ノースバーン 2015のレビューページ

地元のピノ・ノワールを盛り上げる動き

NZのワインがここ数十年で驚くべき躍進を遂げているのは、実は恵まれた気候や土壌によるものだけではありません。地元の人々は積極的にこの地方のピノ・ノワールの魅力を世界に発信しているのです。ここではその一例をご紹介します。

セントラル・オタゴ・ピノ・ノワール・リミテッド

「セントラル・オタゴ・ピノ・ノワール・リミテッド(COPNL:コプネル)」という団体は、2003年に生産者の出資により作られました。彼らのミッションは「特色あふれる高品質なピノ・ノワールを通じて、セントラル・オタゴ地方が優れたワインの生産地であることを世界に伝えること。」

この地方のワイナリーはほぼすべてが小規模の家族経営で、彼らのワインづくりは非常に丁寧で緻密。そして、そこに込められた大きな思いがあります。しかし、小規模な生産者がバラバラに情報発信をしても、なかなか地域の特産物として認知されにくいという問題がありました。

そこで、小さな生産者の集まりである「コプネル」が積極的にイベントを開催したり、魅力を発信をすることによって、この地方の高品質なピノ・ノワールのワインやワインにかける思いを発信しているというわけです。

▶Central Otago Pinot Noir Limited (COPNL)

セントラル・オタゴ・ピノ・ノワール・セレブレーション

2000年から開催され、来年で15回目になる「セントラル・オタゴ・ピノ・ノワール・セレブレーション」は、セントラル・オタゴで3日間に渡って開催されるコプネル主催のピノ・ノワールのイベントです。主な来場者は、ピノ・ノワールの生産者、世界中のワイン愛好家、マスター・オブ・ワインなどの評論家達。

参加者たちは実際にNZのセントラル・オタゴ地方という土地に訪れ、現地の作り手たちの思いの込もった精巧なワインを、自然の中でじっくり堪能します。3日間のイベントの様子は、テーブルを囲みグループでのティステイングや、リラックスしたランチタイムに味わうワイン、一人でじっくりと飲み比べられたりと様々です。

ワインメーカー達も来場することもあり、それぞれのワインがどのようにしてつくられたのか、生の声を聞く貴重な機会でもあるのです。きっとこのイベントの来場者は、もっとNZのピノ・ノワールのファンになってそれぞれの国へ帰って行くのでしょう。

▶Central Otago Pinot Celebration

セントラル・オタゴ地方へのアクセス・観光地

最後に、この地方の観光情報です。下記の2つの人気スポットをご紹介します。

  • クイーンズタウン
  • ミルフォード・サウンド

この地方をまわる際に、拠点となるのは「クイーンズタウン」。

空港もあり、雄大な自然が感じられ、都市機能のあるこの街は、世界中から訪れるセレブ達が余暇を過ごす別荘地としても人気のエリアなんですよ。

セレブもやってくるんですか!気になる〜!(笑)

ワイナリー巡り以外にも、魅力のあるエリアなんですね♪

そのクイーンズタウンを中心に、日本からのアクセスや観光情報をまとめます。

セントラル・オタゴ地方へのアクセス

残念ながら日本からクイーンズタウン空港には直行便は出ておらず、北島のオークランド空港から飛行機で訪れる方法が一般的です。

国内の主要都市から、クイーンズタウンへの所要時間は下記の通りです。

飛行機
オークランド 約1時間50分 約22時間
ウェリントン 約1時間20分 約14時間
クライストチャーチ 約1時間 約6時間

クイーンズタウン

「ビクトリア女王にふさわしい」という意味から名付けられたクイーンズタウン(Quweenstown)

風光明媚で自然豊かなこの街は観光としてはもちろん、避暑地としても人気があります。市内中心部では、ショッピングや、カフェやレストランで食事を楽しむことができます。

町に面するワカティブ湖は息を飲むほど美しく、澄み渡る様子から“翡翠(ひすい)の湖”とも呼ばれています。穏やかでどこか北欧の街並にも近いようなゆったりとした雰囲気のクイーンズタウンはお散歩にもぴったり。

そして、夜空もとっても綺麗なので一晩泊まって星の観察をするのもおすすめです。運が良ければオーロラに遭遇できるようです。

飲み比べのできる「ザ・ワイナリー」

ザ・ワイナリー

岩須が撮影した店内の様子

市内にある「ザ・ワイナリー」というお店では、様々な種類のワインを気軽にテイスティングできます。

このお店のワインの試飲のスタイルは画期的かつ合理的。

カウンターでまず試飲用のICカードを受け取り、ずらりと並んだワインの中から好きなもののボタンを押すと、ワインがグラスに注がれるのです。お手軽価格のワインから、高級なものまで常時80種類以上のワインが用意されていて、量も3つのレベルから選ぶことができるので、多くのワインの飲み比べが1度にできます。

僕もこのお店でワインをたくさん試飲しました!NZじゅうのワインの飲み比べができて、とっても楽しいですよ。

▶The Winery

ミルフォード・サウンド

クイーンズタウンに来たら、「ミルフォード・サウンド(Mildord Sound)」まで足を伸ばしてみましょう。

ミルフォード・サウンドは氷河から生まれた美しい入江です。標高1,682mを超すマイター・ピークを始め、海面から山々がそそり立つ景色は迫力満点です。

そんなミルフォード・サウンドの人気No.1アクティビティはクルーズ観光。その他にも、シーカヤックやダイビング、遊覧飛行、トレッキングなど、遊び方は様々です。ミルフォード・サウンドの近くには宿泊施設が少ないので、クイーンズタウンに宿泊した際に日帰りで訪れると便利でしょう。

まとめ

世界で最も南にあるワイン産地、セントラル・オタゴ地方。

NZで唯一半大陸性気候という特徴を持つこの地方は、フランス・ブルゴーニュ地方にも引けを取らない上質なピノ・ノワールを生み出し、世界中のピノ・ノワールファンの心をとらえています。

NZワインといえば、「マールボロ地方のソーヴィニヨン・ブラン」です。しかし、間違いなくここ「セントラル・オタゴ地方のピノ・ノワール」も、NZワインの存在を確固たるものにしていると言えるでしょう。

今後ますます期待が高まるセントラル・オタゴ地方のワインから、目が離せませんね!

この記事の筆者

NZワインラバーズ編集部

NZワインラバーズ編集部
NZワインラバーズの編集部です。ソムリエ岩須の監修の元、ニュージーランドやワインについての情報を執筆しています。
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監修

NZワインラバーズ編集部

岩須 直紀
ラジオの原稿執筆業(ニッポン放送、bayfm、NACK5)。ニュージーランドワインが好きすぎるソムリエ。栄5「ボクモ」を経営。毎月第4水曜はジュンク堂名古屋栄店でワイン講師(コロナでお休み中)。好きな音楽はRADWIMPSと民族音楽。最近紅茶が体にあってきた。一般社団法人日本ソムリエ協会 認定ソムリエ。
ボクモ(BOKUMO)
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