ピノ・グリ|迷ったときの「とりあえずの一本」として、食事を選ばない万能品種

厚みのある味わいにしっかりとしたコク。さらに、はちみつや熟した果実の香りとまろやかな酸味をもつ白ワイン、ピノ・グリ(Pinot Gris)

どうですか?これを聞いただけでも、もうすでに美味しそうなワインが想像できますよね。

はちみつの香りがするワインなんて素敵〜♪

ピノ・グリは世界各地で栽培されているぶどう品種ですが、生産量はあまり多くありません。ですのでワインが好きな方にも、まだそれほど知られていない品種かもしれません。

しかし、世界各地の栽培面積はじわりじわりと上昇しており、ニュージランド国内においても生産量は上昇中。大注目の品種なのです。

ピノ・グリの最大の魅力といえば、なんと言っても様々な食事にあうこと。

食事を選ばない万能選手なのです。

ニョッキ

さらにニュージランドのピノ・グリは、辛口〜極甘口とバリエーションが豊富という特徴もあります。ピノ・グリが一本あれば、より一層食事が楽しめること間違いなし。もちろん日本食にも合うので、これから是非抑えておきたい品種です。

また、

  • フランスでは「ピノ・グリ」
  • イタリアでは「ピノ・グリージョ」
  • ドイツでは「グラウブルグンダー」

などなど、世界各地で様々な別名をもっているユニークな品種でもあります。

様々な顔をもつピノ・グリ。

この記事では産地による違いやおすすめのお料理など、その魅力についてご紹介します。飲んだことのない方には是非一度、チャレンジしてみてほしい品種です。

きっとあなたもファンになりますよ!

赤ワイン用ぶどうの要素を持つ、ピノ・ノワールの突然変異種

ピノ・グリは白ワイン用のぶどう品種ですが、赤ワイン用ぶどう品種のピノ・ノワールの突然変異によって生まれた品種だと考えられています。

  • ノワール=黒
  • グリ=灰色

という意味。

突然変異で果皮の色がピンク色になり、灰色をおびた果実をつけることからその名前が付けられました。

「白ぶどう」といえば、黄緑色の果実を想像しますよね。ですが、見た目はまるで黒ぶどう。思わず見間違えてしまいそうな外観なのです。

普通の白ワインよりも濃い色味と、重厚感のある味わいは、その色素の影響と言えるでしょう。

黄金の外観、豊かな果実感と凝縮感のある味わい

ピノ・グリは白ぶどうですが、その果実は紫がかった色の皮をしているということがわかりましたね。

その影響を大きく受けたワインの色味は、黄金(ゴールド)。

通常の白ワインよりも黄色味が強く、濃い目なのが特徴です。

甘口から辛口まで幅広い様々な顔を持ち、ボディは軽やかなものや重厚感のあるものも。

また、ワインボトルは細長い傾向にあります。

ピノ・グリを探す時は、ボトルの形状にも注目してみましょう。

豊かな果実感

ピノ・グリはアロマティック品種に分類されます

アロマティック品種とは、どんなぶどうなんですか?

「アロマティック品種」とは、はっきりとした香りがあり、ぶどうの個性が際立っている品種のことを言います。

そのジャンルの中でも“超”がつくほど、アロマティックなのがピノ・グリです。

代表的な香りは、

  • 黄桃
  • はちみつ
  • 洋梨
  • マンゴー

などがあげられます。

どれも完熟感があるトロっとした、濃厚な雰囲気が伝わりますよね。

味わいの特徴は?

濃厚な香りのあとに続くのは、凝縮感のあるボディ。

酸味は少なく、まろやかでコクがあります。

この凝縮感としっかりとしたアルコールからは「オイリー」とも表現されれるような口当たりが生まれ、ピノ・グリをどっしりとした印象にしています。

発酵成分が特徴的

ピノ・グリの中には、発酵成分が感じられるものもあります。

具体的にどのような香りかというと、

  • ヨーグルト
  • 乳製品

のような香りを指します。

ヨーグルトですか!?

この発酵した香りは、「マロラクティック発酵」といって発酵のあとに乳酸菌をいれる製法で生まれます。この製法でワインをつくると酸味が少なくなり、より柔らかい印象になります。

乳酸菌を使うことでワイン全体がまろやかになり、ヨーグルトのような香りも加わるんですね。

ピノ・グリを飲んでみて、シャープではないまろやかな酸味が感じられる場合は「マロラクティック発酵」をしたワインである可能性が高いです。

原産地はブルゴーニュ、有名産地はアルザス

ピノ・グリの原産地はブルゴーニュ地方ですが、現在ではほとんど生産されていません。

現在フランスでの主要産地は、アルザス地方です。

フランス_アルザス

アルザス地方で収穫されたピノ・グリからは、凝縮した香り高いワインが生まれています。

アルザス地方でピノ・グリは

とならぶ最高格付された品種のひとつ。

この4種のぶどう品種だけが「アルザス・グラン・クリュ」という特級畑での栽培を認められています。

石灰質や粘土質など、複数の土壌ががモザイクのように入り組んでいるアルザス地方は、さまざまな品種の栽培を可能にするのです。

アルザス地方はピノ・グリを育てる最高の環境

ピノ・グリの栽培には次のような条件が向いています。

  • 石灰質で水はけのよい土壌
  • 乾燥していること
  • 冷涼な気候であること
  • 日照時間が十分にあること

実はこの条件、全てアルザスには揃っていているのです。

さらにいうと、降水量が少ないことも重要なポイントになっています。

標高が高い山岳地帯のアルザス地方は、冷涼な気候ながらも日照時間が豊富にあります。そこから生まれる日中の大きな寒暖差は、ぶどうをゆっくりと育て、早熟なピノ・グリの遅積(おそづ)みを可能にするのです。

ピノ・グリの生育環境にとても向いているアルザス地方。高品質なワインを生み出すのも納得ですね。

様々な顔をもつ、世界のピノ・グリ

世界各地でさまざまな名前を持つピノ・グリですが、フランスの「ピノ・グリ」とイタリアの「ピノ・グリージョ」は呼び名が違うだけではありません。

この2つは、同じ品種とは思えないほど違った顔をもっているのです。

そしてこの呼び名の違いは重要な役割をしていて、ワインを選ぶ際にはそれぞれの個性を掴むヒントにもなります。

フランスの「ピノ・グリ」

フランスでのピノ・グリは、力強さをもつ豊かなボディ、複雑で深い味わいが特徴です。

トロピカルでふくよかな香りをもち、辛口タイプに仕上げらる傾向にあります。

冷涼な気候を生かし、遅積みで熟成したピノ・グリを味わうことができます。

イメージとしては、重厚感のある存在という感じですね。

イタリアの「ピノ・グリージョ」

一方、イタリアのピノ・グリージョはカジュアルな印象を持っています。

フランス・アルザス地方の伝統的な製法ではなく、ステンレスタンクでつくられるものも多くみられます。

写真は、ステンレスタンクのイメージ図です

イタリアでは早摘みされることが多く、その仕上がりはソフトで軽やかな味わいに。

あと味はほんのり苦く、イタリア料理の前菜にとてもよく合う仕上がりです

これらのことから

  • “ピノ・グリ”=どっしりとしたタイプ
  • “ピノ・グリージョ”=ライトなタイプ

と仕上がりを簡単に予測することができるのです。

その国の気候や文化、人々の嗜好に沿った味わいが生まれるピノ・グリ。面白い品種ですよね。

ニュージーランドでも人気上昇中

ピノ・グリは人気の品種で2020年には、昨年より順位を上げ国内第3位の生産量となりました。その栽培面積の半分はカンタベリー地方マールボロ地方が占めています。

ニュージーランドで生まれる高品質のピノ・グリは、“ヨーロッパのそれに引けを取らない”と言われるほど、大変高い評価を受けています。

香りは穏やかで繊細さも持ち、しっかりとした厚みのあるボディが特徴。リッチな味わいが楽しめます。

手軽に買えるリーズナブルなものもあるので、ピノ・グリ初心者の方にもおすすめです。

合わせる食材の幅広さはダントツ

最後は、気になるお料理との相性をみていきましょう。

白ワインにはお魚。

なんて思っている人、まだまだ多いですよね。

ピノ・グリはそんな先入観を覆す、万能力のある白ワインです。

そう、ピノ・グリの最大の魅力は合わせる料理が多彩であること。

白ワインなので前菜、魚、…もいいですが、チキンやポークなども相性抜群。

チキングリル

前菜からメインまで、ピノ・グリ1本でいけちゃうのです。

食事をする際に何のワインを合わせようか?と困った時は、ピノ・グリを選べば間違いないでしょう。一般的に白ワインにはあっさりした味のものを合わせがちですが、しっかりした味のお料理でもOK。アジア料理や中華料理など、パンチがある料理にも是非合わせてみてください。負けませんよ。

このようにまるで赤ワインのような役目もするピノ・グリですが、それもそのはず。赤ワインのピノ・ノワールの突然変異という経歴があるからでしょうね。

じっくりと食事を楽しみたい時はピノ・グリを!是非試してみてくださいね。

まとめ

赤ワインの王様、ピノ・ノワールの突然変異で生まれてきたピノ・グリ。

白ワインでありながらも、赤ワインの要素をもち、奥深い楽しみ方ができる品種です。

芳醇なコクがありながら、心地よい酸味もあるので、日本食にもよく合いますよ。もちろん家庭料理にも。是非試してみてくださいね。

 

 

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当サイト「ニュージーランドワインラバーズ」は一般社団法人日本ソムリエ協会 認定 ソムリエで飲食店「ボクモ」のオーナー岩須直紀が全記事を監修、一部執筆しているNZワインの専門サイトです。