プティ・ヴェルド|赤ワインのスパイスになるパワフルな香りと味わいのぶどう品種

「プティ・ヴェルド」(Petit Verdot)は、古くからフランスの南西部、主にボルドー地方でブレンド用に使われてきたぶどう品種です。

プティ・ヴェルド?かわいい名前♡

けど、聞いたことないですね…。

そうですね、ボルドー地方で昔からワインをブレンドする時に少量だけ使われることが多かったので、あまり有名ではないかもしれないです。

じゃあ、プティ・ヴェルド100%のワインってないんですか?

そんなこともないんですよ。

数は少ないですが、ニューワールドと呼ばれるワインの歴史が比較的浅い国々では、プティ・ヴェルドだけのワインもつくられています。

2016年には伊勢志摩サミットのワーキング・ディナーで、日本の丸藤葡萄酒工業のプティ・ヴェルドが提供されたことでも話題になりました。

主にブレンド用に少量使われるため、どちらかと言えばあまり目立たない存在の「プティ・ヴェルド」。今回は、そんなプティ・ヴェルドの知られざる魅力を探っていきましょう。

プティ・ヴェルドの特徴とは?

では、早速その特徴をみていきましょう。

色が濃く、香りも豊かで、タンニンも豊富

プティ・ヴェルドは、とても力強く、パワフルなぶどう品種です。

いわゆる「フルボディ」のワインで、色が濃く、香り豊かで、しっかりとした酸味と豊かな果実味が感じられます。さらに、ワインの渋み成分であるタンニンも豊富に含まれているので、骨格のしっかりとしたワインになります。

香りは、ブラックチェリーやプラム、すみれなどが代表的な香りです。

ボルドー地方で、古くから「ボルドーブレンド」に使われていた

プティ・ヴェルドの原産国は、フランス南西部のボルドー地方であると言われています。

フランス_ボルドー

ボルドー地方では昔からボルドーブレンドという、伝統的な製法でワインがつくられてきました。

ボルドーブレンドは、カベルネ・ソーヴィニヨンメルローの2品種をメインとし、カベルネ・フラン、カルメネール、マルベックプティ・ヴェルドの4品種が補助的にブレンドされます。

プティ・ヴェルトがブレンドされる割合は5%以下であることが多く、全体に複雑味を与える役割で使用されます。

たった5%以下ですか!?まるで赤ワインのスパイスみたいな感じですね。

ゆっくり熟す品種

プティ・ヴェルドは他のぶどう品種と比べても、熟すまでに大変時間のかかる品種です。栽培するのが難しいこともあり、全体の収穫量が少なくなる傾向にあります。

ですので、プティ・ヴェルドがボルドー地方で主にブレンド用として少量のみ使用されていた背景には、収穫量の少なさもあると考えられます。

また、ゆっくりと育つ品種なので、完熟まで十分に時間をかけられる気候での栽培が適しています。

世界の生産国は?

プティ・ヴェルドの原産国はフランスですが、スペインで最も栽培されており、次にフランス、オーストラリア、アメリカなどが続きます。

その他には、南アフリカ、アルゼンチン、チリや日本など世界各地で栽培されており、温暖なアメリカやオーストラリアなどの国では、果実味がより豊かになる傾向があります。

プティ・ヴェルド100%のワインもおすすめ!

「プティ・ヴェルドがどんな味わいなのか?」そのことを自分の体験から話せる人は、ワインが好きな人でも少ないはず。

やはりそのほとんどが赤ワインに5%ほどしか入れられていないので、「これが正にプティ・ヴェルトだ!」と感じられる機会が少ないんですよね。

プティ・ヴェルドが、単体で味わえる機会はあまり多くはありませんが、スペインやオーストラリア、アメリカ、日本などではプティ・ヴェルド100%のワインが生産されています。

日本での生産状況

近年では、日本に最もあう赤ワイン用ぶどう品種は「プティ・ヴェルド」だ!と言う生産者もいて、人気が高まっています。

成長のゆっくりなプティ・ヴェルドは、どうやら温暖な気候の日本と相性がいいようで、特に山梨県の南側では素晴らしいプティ・ヴェルドが出来上がります。

冒頭でも触れた、丸藤葡萄酒工業のプティ・ヴェルドも山梨県産です。

▶丸藤葡萄酒工業 2017 ルバイヤート プティヴェルド

食べ物との相性:キーワードは「牛肉」、「熟成」

プティ・ヴェルドのワインが手に入ったら、次はそれに合う食事を考えましょう。

プティ・ヴェルド100%のワインには、その力強さに負けないようなものを合わせるといいでしょう。キーワードは、「牛肉」そして「熟成」です!

なるほど、キーワードがあると分かりやすいです!

ちょっと大人な感じの組み合わせですね!

おすすめは牛肉ステーキや、赤身の厚切り肉。なかでも熟成肉をおすすめします。

ビーフシチューや、ローストビーフなどとも、相性が良いでしょう。

ビーフシチュー

ラムなどちょっとクセのあるお肉にも、決して負けません。

ラムチョップ グリル

熟成させたチーズを、手軽に合わせるのも良いですね。

ブルーチーズとウォッシュチーズ

ニュージーランドでも、プティ・ヴェルドは栽培されている!

生産量は多くはないものの、NZでもプティ・ヴェルドは栽培されています。

主な生産地は、北島のホークス・ベイ地方。ホークスベイ地方はその温暖な気候を活かして、ボルドーブレンドのワインの生産に力を入れており、栽培されるほとんどのプティ・ヴェルドをブレンドに使用しています。

ホークス・ベイ産ではありませんが、当サイトでもプティ・ヴェルドが使われたボルドーブレンドのワインをレビューしました。

それが「マン オー ウォー」というワイン。とても上質なフルボディの赤ワインです。

マン オー ウォー

▶【レビュー】マン オー ウォー アイロンクラッド ボルドーブレンド 2010 

まとめ

とても力強く、パワフルなプティ・ヴェルドは、ワインのスパイスのような存在です。

あまり目立たない存在ですが、ブレンドする際には赤ワイン全体に複雑味を与えるという重要な役割を担っています。

また、近年ニューワールドの国々を中心につくられている、プティ・ヴェルド100%のワインも見逃せません。その貴重なワインが手に入った時には、ぜひ牛肉などの赤身肉や熟成チーズなどと合わせてみて下さいね。

この記事の筆者

NZワインラバーズ編集部

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NZワインラバーズの編集部です。ソムリエ岩須の監修の元、ニュージーランドやワインについての情報を執筆しています。
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監修

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岩須 直紀
ニュージーランドワインが好きすぎるソムリエ。ラジオの原稿執筆業(ニッポン放送、bayfm、NACK5)。栄5「ボクモ」を経営。毎月第4水曜はジュンク堂名古屋栄店でワイン講師(コロナでお休み中)。好きな音楽はRADWIMPSと民族音楽。最近紅茶が体にあってきた。一般社団法人日本ソムリエ協会 認定ソムリエ。
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