クラウディ ベイ ソーヴィニヨン・ブラン 2019

レビュー日 | 2020.09.17 |
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地域 | マールボロ |
ワイナリー | クラウディ ベイ(Cloudy Bay) |
品種 | ソーヴィニヨン・ブラン |
収穫年 | 2019 |
香り | レモン、ライム、グレープフルーツ、ピンクグレープフルーツ、青草 |
アルコール | 13% |
シーン | 春から初夏にかけてのお祝いの席に1本。 |
購入先リンク | ▶楽天市場 |
希望小売価格 | 3,870円(税別) |


岩須
世界に愛されるソーヴィニヨン・ブランを生み出したパイオニア、「クラウディ ベイ」。変わらない、安定感のあるNZワインといえばこの味です!
ニュージーランドワインの大御所の登場です!
NZワインを世界に広めた立役者、それがこの「クラウディ ベイ」というワイナリー。
1985年、クラウディ ベイのソーヴィニヨン・ブランがイギリスで高い評価を受けたことをきっかけに、「新しいワイン産地・ニュージーランド」は世界中のワインファンから注目されるようになりました。
NZワインの人気はクラウディ ベイが起点になったと言っても過言ではありません。
近年ではNZワインも品質の高いものが多くなってきましたが、長きにわたり第一人者として存在してきたクラウディ ベイ。あらためてNZワインの歴史に思いを寄せながら、テイスティングしたいと思います。
色合いは、非常にスタンダードなマールボロ産ソーヴィニヨン・ブランの色ですね。イエローグリーンのトーンですが、日本酒に近いと言ってもいいぐらい透明感があります。
アルコール度数は13%。粘度もしっかりあり、豊かなアルコールを感じるディスクです。
まずは香りを。
まだ若い2019年のワインとあって、フルーツの香りが非常によく出ています。
レモン、ライム、グレープフルーツ、ピンクグレープフルーツなど、ソーヴィニヨン・ブランの特徴香がぎっしりと詰まっている感じですね。青りんごのニュアンスも感じられ、酸味と清涼感がたっぷりです。
そこに複雑に絡み合う、オレガノ、チャービル、セージなどのハーブの良い香り。青草や芝生のようなニュアンスも感じられます。
やはりこれぐらいのクラスのワインになると、フルーティーさが強調されたスタイルではなく、フルーツとハーブの香りが複雑に折り重なり、その両方がバランスよく同居しています。
目を閉じれば、このワインの産地、マールボロという場所を思わせるような香り。青空の下、豊かな大地に吹き抜ける風、揺れる木々…そんなイメージが湧いてきます。
クラウディ ベイのソーヴィニヨン・ブランがこの地を代表するワインであるからこそ、そんなイメージが広がるのかもしれません。
また、ミネラリティと表現される石灰や火打ち石のようなニュアンスもあり、複雑な奥行きも感じます。
一口味わってみると…
もう、風格すら感じる味わいです!
まず、非常にしっかりとした酸味があります。
そして続くのが、さわやかなフルーツ感。頭の中にはっきりとグレープフルーツやライムのようなフルーツの絵が浮かんできます。非常にみずみずしいワインですね。
それを支えるのが非常に強い旨味です。心地良いハーブ感も相まって、「マールボロワインの典型の美味しさ」が見事に表現されています。
これが、30年間世界の白ワインファンを虜にしてきた味わいなんだな、と実感します。
余韻もしっかりあり、お食事にも合わせやすいでしょう。香りと味わいのボリューム感があるので、サラダのようなあっさりとしたものよりは、鶏肉のようなお肉や魚介類など、旨味の強いものと相性が良いと思います。
ちょっと高い部類のワインではありますが(希望小売価格3,870円)、かなり満足感を得られるんじゃないでしょうか。
NZワイン一番の王道から入りたい時(ちょっとお財布に余裕がある時に)是非、このクラウディ ベイに挑戦してみてください。世界が認める「マールボロ ソーヴィニヨン・ブラン」の基準の一つはここであるということを、知ることができると思います。
記念日に開けたいNZの王道ワインです!
おすすめのペアリング
こんな素晴らしいワインにはちょっと贅沢な魚介類や鶏肉料理などと合わせたいですね。
NZらしさがしっかりと出ているワインなので、食事もNZに寄せてみるのもいいでしょう。
ムール貝、サーモン、牡蠣などを、シンプルな調理法で召し上がっていただくと、このワインの味わいは驚くほど変化する思います。
焼き牡蠣
NZの牡蠣「ブラフオイスター」は手に入らないかもしれませんが、日本の牡蠣で焼き牡蠣もおすすめです。口の中に海のミネラル感が残っている状態でこのワインを合わせると、心地よい酸味に変化します。非常に良いペアリングになるでしょう。
鯛の塩釜焼き
日本でちょっと贅沢な魚介といえば、やっぱり鯛ですよね。
たとえば、鯛料理「塩釜焼き」で見栄えもばっちり。このワインとあわせれば、お祝いの席にもぴったりです。
鯛はお刺身よりも、旨味が強くなるので是非焼いて食べてほしいですね。
ワイナリー「クラウディベイ」について
「クラウディ ベイ」はオーストラリアのワイナリー「ケープ・メンテル」の創業者であるデーヴィッド・ホーネン氏によって1985年に設立されたワイナリー。NZの巨大ワイン産地として知られるマールボロ地方に、もっとも早く根付いたワイナリーの1つです。
クラウディ ベイのソーヴィニヨン・ブランは、パッションフルーツやトロピカルフルーツなどのフルーツの香りと、ハーブや青草の香りが融合した、当時では唯一無二のもの。
マールボロの土地の特⾧をいかした、生き生きとしたスタイルは非常に個性的で「世界が白に目覚めた1本」と称され、NZワインの世界的地位を高めたワインとして高く評価されています。
現在は、「モエ・ヘネシー・ルイヴィトン」の傘下に入り、高品質のワインをつくり続け、NZワインの発展に貢献しています。
ちなみに、有名なシャンパーニュのドン ペリニヨン、モエ エ シャンドン、ヴーヴ クリコもMHDの製品です。
アペラシオン・マールボロ・ワイン(AMW)による認証
マールボロ地方のワインの整合性と真正性、ブランド価値を保護する目的で2018年に作られた「アペラシオン・マールボロ・ワイン(AMW)という制度があります。クラウディー ベイの「ソーヴィニヨン・ブラン 2019」はこのAMWの認定を受けているワインです。
▶NZワインの新しい認証制度、アペラシオン・マールボロ・ワイン(AMW)とは
AMWの規約の下で生産されるソーヴィニヨン・ブランは、
- マールボロで育ったぶどうを100%使用すること
- 低収量のぶどうからつくられること
- NZ国内で、ボトリング(瓶詰め作業)されていること
- サステイナブル認証を受けた畑で育てられたぶどうを使用すること
などの条件を満たさなければなりません。
このように「クラウディ ベイ ソーヴィニヨン・ブラン 2019」の裏ラベルにはAMWのロゴが記載されています。
この記事の筆者

- NZワインラバーズの編集部です。ソムリエ岩須の監修の元、ニュージーランドやワインについての情報を執筆しています。
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監修

- ニュージーランドワインが好きすぎるソムリエ。ラジオの原稿執筆業(ニッポン放送、bayfm、NACK5)。栄5「ボクモ」を経営。毎月第4水曜はジュンク堂名古屋栄店でワイン講師(コロナでお休み中)。好きな音楽はRADWIMPSと民族音楽。最近紅茶が体にあってきた。一般社団法人日本ソムリエ協会 認定ソムリエ。
ボクモ(BOKUMO)
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