シレーニ エステート セラー セレクション スパークリング ピノ・グリ

レビュー日 | 2020.10.22 |
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地域 | ホークス・ベイ |
ワイナリー | シレーニ エステート(Sileni Estates) |
品種 | ピノ・グリ |
収穫年 | ノンヴィンテージ |
香り | ほのかな洋梨、青りんご、はちみつ |
アルコール | 13% |
シーン | いろんな料理が集まる、持ち寄りのホームパーティーに。 |
購入先リンク | ▶エノテカ オンラインショップ |
希望小売価格 | 1,900円(税別) |


岩須
なかなかお目にかかれない「ピノ・グリ」のスパークリングワイン。味わいは非常にまとまっていて、さまざまな食事に合わせやすい一本です。
ピノ・グリは、ニュージーランドでは “次に出てくる品種” とも言われるほど人気上昇中の品種で、2020年の国内生産量は第3位。大注目の品種です。
ただ、世界のワインを見渡してみると、「ピノ・グリ」でスパークリングワインをつくっている生産者はあまりいません。
つまり、お手本となるワインがあまりない。
そんな中、いったいどんな感じの味わいに仕上がっているのか。
要注目です!
外観はイエローの色味が強いですね。
香りの主張はあまり強くないですが、ほのかな洋梨の香りと、青りんごのような清涼感があります。はちみつのような甘く優しい香りも感じますね。
味わいは・・・とてもバランスが良く、フルーツ感だけではなく、ジャスミンのような白いお花のニュアンスと、はっきりとした酸味があります。
また、しっかりとアルコールを感じることができ、口に含んだときの充実感を味わえます。
非常にまとまっていて、食事と合わせやすいタイプのワインだと思います!
もともとスパークリングワインは、守備範囲が広く、食中酒としても非常に役に立つんですよね。
特にこのピノ・グリは、シレーニのスパークリングワインシリーズ(白)の中では、果実味が抑え目で、ちょっと「大人」なイメージ。
しっかりとしたフルーティーさはあるものの、決して主張しすぎないこの味わいは、ヨーロッパのスパークリングワインに慣れている方もきっと気に入ると思います。
おすすめのペアリング
合わせる食事は幅広いですよ!本当に万能なワインだと思います。
ワインのボリューム感がしっかりあります。脂分のあるお料理にも寄り添ってくれるでしょうね。
サラダ、前菜、お魚料理、豚肉や鶏肉のお肉料理など…さまざまな料理と上手くまとまると思います。
いろんな料理が集まる「持ち寄りパーティー」に一本用意しておくといいですね。
「スパークリングワイン」について
スパークリングワインの製法は大きく分けて、
- 一度つくられたワインを瓶内で二回目の発酵をさせる「瓶内二次発酵」
- 一度つくられたワインを大型のタンク内で二回目の発酵をさせる「シャルマ方式」
- 一度つくられたワインに炭酸ガス(二酸化炭素)を人工的に添加する「炭酸ガス注入方式」
があります。
「瓶内二次発酵」はシャンパーニュ方式とも呼ばれ、クラシカルな高級スパークリングワインの代名詞になっています。しかし小さな家族経営ワイナリーが多いNZでは、このシステムを導入するには、お金も手間もかかるため、採用しているワイナリーはあまり多くありません。
ただ、「気軽なリーズナブル路線のスパークリングワインが飲みたい」という需要は世界中にあります。
今回レビューしたシレーニのスパーリングシリーズは、この「瓶内二次発酵」より手間やコストのかからない「シャルマ方式」でつくられており、手にしやすい価格でスパークリングワインを楽しむことができます。
また、このシャルマ方式は、ぶどうのフルーティーな香りが残りやすいため、アロマティックなぶどう品種をスパークリングワインにする際によく用いられます。
便利な再栓可能スクリューキャップ「ゾーク」
シレーニのスパークリングシリーズは、NZでもまだ珍しい再栓可能スクリューキャップを採用していることが特徴です。
このワインキャップは「ゾーク栓」といって、オーストラリアのZORK社が開発したもの。
下側にあるミシン目にそってぐるぐるっと剝きとり、ぎゅっと上に引っ張るだけで抜けるので、非常に簡単で便利です。
スパークリングワインの開栓って難しいイメージがあると思いますが、このキャップなら、特別な技術やコツはいりません。アウトドアにもぴったりです。
再栓すればしっかり密閉され、1〜2日は保存可能。
スクリューキャップばかりの国NZらしい、合理的なキャップです。
ワイナリー「シレーニ エステート」について
「シレーニ エステート」はNZ北島東部のホークス・ベイ地方にあるワイナリー。
1997年に設立して以来、世界中で数々の賞を獲得。日本でも流通の多いNZワインの一つです。
ワイナリー名は、ローマ神話に出てくる酒の神バッカスの従者「シレーニ神」が由来。
シレーニ神は、「おいしいワインと食事、そして素晴らしい仲間(Good wine, good food, good company)」を楽しんだとされていて、シレーニ エステートもそれに習い、食事との相性を重視した、毎日飲んでも飲み飽きないようなワインづくりを目指しています。
この記事の筆者

- NZワインラバーズの編集部です。ソムリエ岩須の監修の元、ニュージーランドやワインについての情報を執筆しています。
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監修

- ニュージーランドワインが好きすぎるソムリエ。ラジオの原稿執筆業(ニッポン放送、bayfm、NACK5)。栄5「ボクモ」を経営。毎月第4水曜はジュンク堂名古屋栄店でワイン講師(コロナでお休み中)。好きな音楽はRADWIMPSと民族音楽。最近紅茶が体にあってきた。一般社団法人日本ソムリエ協会 認定ソムリエ。
ボクモ(BOKUMO)
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