シレーニ エステート セラー セレクション スパークリング メルロー スウィート

レビュー日 | 2020.11.18 |
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地域 | ホークス・ベイ |
ワイナリー | シレーニ エステート(Sileni Estates) |
品種 | メルロー |
収穫年 | ノンヴィンテージ |
香り | ぶどう、カシス、ブルーベリー |
アルコール | 10.5% |
こんな人におすすめ | カクテル派の方におすすめしたい甘口ワイン。カクテル卒業なあなたにも! |
購入先リンク | ▶エノテカ オンラインショップ |
希望小売価格 | 1,900円(税別) |


岩須
ラベルは本格ワインですが、とってもジューシーな味わいで初心者にもフレンドリーな一本です。
赤ワインをスパークリングにするとき、「やや甘口に仕上げる」のが典型的な手法です。
ワインの「渋み」は、冷やして飲むことで強くなってしまいますが、その渋みをカバーする甘みがあると、甘み・酸味・渋みのバランスがとれ、口当たりも良くなるんです。
このメルローも「スイート」という名前のついたスパークリングワインですが、はてさて、どのような味わいになってるのでしょうか。
ではまず、外観から。色はあまり濃くなく、紫がかっていて、若いワインということがうかがえます。透明感があって美しいです。
香りを嗅いでみると・・・・
ちょっとこれは…
あの有名な炭酸ぶどう飲料「ファン○グレープ」のような香りです!
もちろん、それだけではありません。
カシスやブルーベリーの香りのイメージに加え、複雑な植物的ニュアンスがあり、普通のスパークリングワインにはあまり現れないような、ちょっと面白い香りをしています。
味わってみると、しっかりとした甘味があります。この高めの糖度によって、ワインが持つ渋味はほぼマスキングされています。
糖度が高いということは、アルコール発酵していない、もともとのぶどうジュースの部分が残ってるということ。ですので、必然的に「ワイン」と「ジュース」のいいとこ取りをしたような、ぶどうの恵みをはっきりと感じられる味わいになっています。
ワインの渋みもあってコクもあり、なおかつカジュアルに飲めるスパークリングワインですね。
ワインファンからすると、甘みがあってかなりジューシーなので少し驚くかもしれません。しかし逆に、カクテルのような位置づけで、ワインを飲みなれない方がいる場面に持って行っても「これなら飲める!」と受け入れてもらえると思います。
ワイン初心者の方や、ふだん甘いお酒を飲むという方も、こういう超フルーティーなものを選んでもらうと、ワインの入り口になるかも知れないですね。
おすすめのペアリング
生ハム
甘味のある赤ワインに合わせるなら、生ハムが鉄板です!
サラダにしてもいいですし、もちろんそのままでも非常に相性がいいです。ハムの塩気と合わせると、この甘みがそれほど気にならず楽しめると思います。
「スパークリングワイン」について
スパークリングワインの製法は大きく分けて、
- 一度つくられたワインを瓶内で二回目の発酵をさせる「瓶内二次発酵」
- 一度つくられたワインを大型のタンク内で二回目の発酵をさせる「シャルマ方式」
- 一度つくられたワインに炭酸ガス(二酸化炭素)を人工的に添加する「炭酸ガス注入方式」
があります。
「瓶内二次発酵」はシャンパーニュ方式とも呼ばれ、高級スパークリングワインの代名詞になっています。しかし小さな家族経営ワイナリーが多いNZでは、このシステムを導入するには、お金も手間もかかるため、採用しているワイナリーはあまり多くありません。
ただ、「気軽なリーズナブル路線のスパークリングワインが飲みたい」という需要は世界中にあります。
今回レビューしたシレーニのスパーリングシリーズは、この「瓶内二次発酵」より手間やコストのかからない「シャルマ方式」でつくられており、手にしやすい価格でスパークリングワインを楽しむことができます。
また、このシャルマ方式は、ぶどうのフルーティーな香りが残りやすいため、アロマティックなぶどう品種をスパークリングワインにする際によく用いられます。
便利な再栓可能スクリューキャップ「ゾーク」
シレーニのスパークリングシリーズは、NZでもまだ珍しい再栓可能スクリューキャップを採用していることが特徴です。
このワインキャップは「ゾーク栓」といって、オーストラリアのZORK社が開発したもの。
下側にあるミシン目にそってぐるぐるっと剝きとり、ぎゅっと上に引っ張るだけで抜けるので、非常に簡単で便利です。
スパークリングワインの開栓って難しいイメージがあると思いますが、このキャップなら、特別な技術やコツはいりません。アウトドアにもぴったりです。
再栓すればしっかり密閉され、1〜2日は保存可能。
スクリューキャップばかりの国NZらしい、合理的なキャップです。
ワイナリー「シレーニ エステート」について
「シレーニ エステート」はNZ北島東部のホークス・ベイ地方にあるワイナリー。
1997年に設立して以来、世界中で数々の賞を獲得。日本でも流通の多いNZワインの一つです。
ワイナリー名は、ローマ神話に出てくる酒の神バッカスの従者「シレーニ神」が由来。
シレーニ神は、「おいしいワインと食事、そして素晴らしい仲間(Good wine, good food, good company)」を楽しんだとされていて、シレーニ エステートもそれに習い、食事との相性を重視した、毎日飲んでも飲み飽きないようなワインづくりを目指しています。
この記事の筆者

- NZワインラバーズの編集部です。ソムリエ岩須の監修の元、ニュージーランドやワインについての情報を執筆しています。
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監修

- ニュージーランドワインが好きすぎるソムリエ。ラジオの原稿執筆業(ニッポン放送、bayfm、NACK5)。栄5「ボクモ」を経営。毎月第4水曜はジュンク堂名古屋栄店でワイン講師(コロナでお休み中)。好きな音楽はRADWIMPSと民族音楽。最近紅茶が体にあってきた。一般社団法人日本ソムリエ協会 認定ソムリエ。
ボクモ(BOKUMO)
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