デスティニー ベイ デスティナイ 2010

レビュー日 | 2021.04.02 |
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地域 | オークランド |
ワイナリー | デスティニー ベイ ワインズ(Destiny Bay Wines) |
ワイン名 | デスティニー ベイ デスティナイ(Destiny Bay Destinae) |
品種 |
カベルネ・ソーヴィニヨン メルロー マルベック カベルネ・フラン プティ・ヴェルド |
収穫年 | 2010 |
香り | ブラックベリー、なめし革、スモーク、メントール |
アルコール | 14.2% |
シーン | 記念日や特別なシーンに開けるワイン。特別な人への贈り物にも。 |
購入先 | 取り扱い店「クラフトワインパーク」までメールで問い合わせください ▶info@craftwinepark.com |
市場価格 | 約20,000円(今後変動の可能性あり) |


岩須
フランスにも負けないNZ最高峰の赤ワイン!日本ではまだあまり知られていないワイナリーの、超本格的なボルドースタイルのワインです。
このレビューの動画はこちら!
オークランドにある「ワイヘキ島」。ここはニュージーランドでも屈指のリゾート地として知られていますが、別名「ワイン アイランド」と呼ばれるほどワインづくりが盛んな島でもあります。
特に、ボルドースタイルの高品質なワインをつくるワイナリーが多く、このワインの生産者である「デスティニー ベイ ワインズ(Destiny Bay Wines)」もその一つです。
「デスティニー ベイ ワインズ」では3種類のワインしか生産しておらず、それらは全て本格的なボルドースタイルのワイン。
さらに、そのワインづくりは世界的にみても珍しいもので、生産量の少なさからも希少価値が高く、高級なものになっています。(※詳しくは後述します)
参考までに、デスティニー ベイ ワインズでつくられている3種類のワインと、現在の日本での市場価格をみてみましょう。
- デスティナイ/DESTINAE(約2万円)
- ミステイ/MYSTAE(約4万円)
- マグナ プラミア/MAGNA PRAEMIA(約7万円)
今回レビューするワインは「デスティナイ」。価格だけを比較するとエントリーモデルとなりますが、しかしそれが2万円(!)ということなんです。
しかも、3種類ともに現地での価格は年々上昇しているので、今後はさらに高価なワインになりそうです。
抜栓前の情報がすごすぎて、期待の高まりがハンパじゃないです。気合いを入れて、テイスティングしたいと思います!!
とても深く濃い、ガーネットの色合い。
これはボルドーワインによくある色ですが、NZワインでもこんな色がでるんだなあと、感激しますね。
このワインのヴィンテージは2010年。11年経過しているということもあり、エッジはわずかにオレンジがかっていて、熟成の表情も見て取れます。
グラスを傾けてみると、トロンとしたワインの涙もあります。これはアルコールのエキスがしっかりあるという、力強いワインの証です。
外観からも旨みたっぷりなワインであることが見て取れます!
香りは、ブラックベリー、なめし革、スモーク、メントールなど…どれかが際立っているわけではなく、これらがまろやかに調和しています。
ずっと嗅いでいたくなるような、たまらなくいい香り。
この香りだけで、お肉料理が食べられるぐらいですよ(笑)
味わいは、とても綺麗で全く雑味はありません。酸味がしっかりとあり、タンニンは熟していています。
黒胡椒、オールスパイス、黒系のベリー、そして最後にカカオのようなほろ苦さがあり、これがすごく心地いい。非常にまろやかで奥行きのある味わいですね。
これは、赤ワイン好き全員を納得させるような、とてもレベルの高い味わいだと思います。
NZ最高峰と言われるような高級ワインなので、上級者向け?と思われるかもしれませんが、これはむしろ初心者の方にも飲んでいただきたいですね。
このように洗練された美味しいものを飲んで「これが高級な赤ワインの味ね!ワインの世界ってすごいんだ!」と知ってもらえたら嬉しいです。
NZにもこういうワインあるんですね〜(泣)
恐れ入りました!
おすすめのペアリング
このワインは必ず、お料理(特にお肉料理)と一緒に楽しまなければなりません!
特におすすめしたいのは、NZの名産であるラム肉。もう、バッチリ合うと思います。ステーキでもいいですし、煮込み料理でもいいでしょう。スパイスを効かせると、よりワインとマッチすると思います。
もちろん牛肉を使った料理でもいいですね。
ちょっと手の込んだ料理と一緒に合わせれば、最高に幸せな気分になれると思います!
【ラムステーキ】間違いなく良いペアリングになります。
【牛ヒレ肉のロッシーニ風】特別なワインには特別なお料理を合わせたいですね。
ワイナリー「デスティニー ベイ ワインズ」について
「デスティニー ベイ ワインズ」はオークランドのワイヘキ島にあるブティックワイナリー。アメリカからの移民であるスプラット夫妻によって2000年に設立されました。
ファーストヴィンテージのリリースは2005年。それが高評価を得て、一気に注目を集めることになります。
さらに一目置かれるようになったコンテストが、2017年西オーストラリアで行われた「カベルネブレンドワインの祭典/ケープ・メンテル」です。
このコンテストで、なんとデスティニー ベイ ワインズの「マグナ プラミア」が世界のカベルネブレンドをおさえ、見事1位を獲得。世界トップレベルのカベルネブレンドワインの仲間入りを果たしたのです。
この結果は世界中を驚かせ、あの「パリスの審判」を彷彿させる出来事とも言われています。
世界的にも珍しいワインのつくり方
冒頭でも触れましたが、デスティニー ベイ ワインズで生産されるワインは、
- デスティナイ/DESTINAE
- ミステイ/MYSTAE
- マグナ プラミア/MAGNA PRAEMIA
の3種類のみで、全てカベルネ・ソーヴィニヨンを主体としたボルドーブレンドのワインです。
これらは全て同じぶどうでつくられ、品質の違いはありません。
では何が違うのかというと、スタイル(ブレンド)の違いなんです。
少し説明しましょう。
赤ワインの醸造では、ぶどうを発酵したあとに圧搾(プレス)して果汁をつくるという工程があります。
その際に、ぶどうから自然に流れ出たフリーランジュース、1度目のプレスジュース、2度~4度目のディーププレスジュース…と、プレスの段階によって異なる種類の果汁が生まれます。
デスティニー ベイ ワインズでは、その果汁の種類ごとに熟成し、ブレンドバランスを変えて、それぞれのワインがつくられているのです。
これは世界的にみても非常に珍しいつくり方なんです。
一般的には一番目にとれた果汁の方が、よりフレッシュで雑味がなくピュアな印象があります。なので最も高価な「マグナ プラミア」に一番目の果汁がたくさん入ってるのかと思いがちですが…デスティニー ベイ ワインズはその逆。
今回テイスティングした「デスティナイ」に一番目の果汁(フリーランジュース)が多く含まれているのです。
それがデスティニー ベイのワインメイキングの面白いところなんです!
確かに一番目の果汁はクリーンでクリアな味わいになりますが、実は「コク」や「複雑味」がより出るのはプレスの回数を重ねた後半の果汁。それらは当然、ごくわずかな量しか残らないので、貴重なものになるのです。
その希少さが3種のワインの価格に反映されているんですね。「品質は同じだけど、使っている果汁のブレンド比率が違う」、そんな作り方をしているワイナリーは、世界を見渡しても珍しいと思います。
いつか最上級の「マグナ プラミア」、飲んでみたいです!そそられますね〜
この記事の筆者

- NZワインラバーズの編集部です。ソムリエ岩須の監修の元、ニュージーランドやワインについての情報を執筆しています。
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監修

- ニュージーランドワインが好きすぎるソムリエ。ラジオの原稿執筆業(ニッポン放送、bayfm、NACK5)。栄5「ボクモ」を経営。毎月第4水曜はジュンク堂名古屋栄店でワイン講師(コロナでお休み中)。好きな音楽はRADWIMPSと民族音楽。最近紅茶が体にあってきた。一般社団法人日本ソムリエ協会 認定ソムリエ。
ボクモ(BOKUMO)
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