ペガサス ベイ シャルドネ 2017

レビュー日 | 2020.02.07 |
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地域 | カンタベリー/ワイパラ |
ワイナリー | ペガサス ベイ(Pegasus bay) |
品種 | シャルドネ |
収穫年 | 2017 |
香り | 樽、桃、メロン、ネクタリン、あんずのジャム |
アルコール | 13.5% |
シーン | ワイン好きが集まるクリスマスパーティーに! |
購入先リンク | ▶楽天市場 |
希望小売価格 | 5,800円(税別) |


岩須
ほんとに素晴らしいリッチなシャルドネ。こういうの久々に飲みました(笑)
ゴールドかかったイエロー。
非常に美しい色をしております。
ディスクはモリッと盛り上がり、粘度は高くとろみをおびています。したがって、アルコール度数が高いということがうかがえます。
外観からして、重厚感がありそうなワインです。
ひとたび鼻をグラスに近づけてみると…
強烈なアロマ。
これくらいの価格帯(定価6,380円税込)のシャルドネは、オーク樽で熟成されているものが多いのですが、このワインも同様に樽の香りをバンバン放っています。
シャルドネという品種は、ぶどう自体に香りの個性が少ないと言われていて、その個性を補うために樽を使うことが多いんですよね。樽の中でワインを熟成させることで樽の成分がじわじわとワインに移り、複雑味が加わります。
また、このワインには樽の香りと同時に強いフルーツの香りも感じられます。個性が少ない品種と呼ぶのには失礼なほど(笑)。
桃やメロン、あるいはネクタリンやあんずのジャムなど、暖かい産地の糖度の高いフルーツを連想させる香りですね。
これぞまさに「リッチな白ワイン」
一口飲んでみると…
超フルーティー!めっちゃ綺麗!
驚きの味わいでした。
まず、香りと同様に熟した核果(ストーンフルーツ)の味わいがあります。
(※核果とは…果実の中心に大きな種が入っているもの。)
香りでは「ジャム」と言いましたが、味わいはジャムというよりフレッシュフルーツからコンポートまでの、そんなに熟してないフルーツのイメージが強いです。白桃や黄桃のようなイメージのフルーティさですね。
そしてさらに、綺麗な酸味があります。
これだけ濃厚なのにしっかり酸味が残っているということは、ぶどう自体がゆっくりと熟成していった証拠です。手をかけて栽培されたことがうかがえます。
アルコールのボリュームは13.5%としっかりありますが、この綺麗な酸によって非常によくまとまっています。ボテッとしてない、飲みづらくないワインになっていますね。
そして、あとから鼻腔に広がってくるのが樽のニュアンス。
表現としては「バニラ」という表現を使ったりしますが、ぼくはどっちかというと「ブリオッシュ」のイメージ。コクのある「バターを使って焼いたパン」の香りを感じます。
そして収斂味(しゅうれんみ)といって、渋み成分で口の中がキュッとなる感じが上顎部分に少し残ります。これが、お食事につなげたくなるイメージを掻き立ててくれます。
余韻も非常に長いですね。
最初の樽の焼けた香りが、最後に余韻として残る感じ。
しかし意外と、全体をまとめているのは樽ではなくフルーツのほうなんです。ここまで樽の香りや味わいを感じさせながら、フルーツが支配的になっているというところがこのワインの素晴らしさだと思います。
このようなワインのことを「リッチな白ワイン」というふうに表現します。
とても素晴らしいリッチなシャルドネ、こういうの久々に飲みました(笑)
飲むときのポイント
このような樽で寝かせたシャルドネは香りが出にくいので、あまり冷やさないほうがいいでしょう。
飲むちょっと前に冷蔵庫からだしておいて、(氷水ではなく)お水の中につけておけば、ゆっくり楽しむことができます。
これは余談ですが、リッチなシャルドネの特徴の一つとして「瓶が重い」ということがあります。ガラスが分厚いんです。
そのガラスの重さも、“今日はいいワイン飲んでるんだ”っていう気持ちの重厚感に繋がってくるのかもしれませんね。
ワイナリー「ペガサス ベイ」について
このワインをつくっているのは、カンタベリー地方にある「ワイパラ」という産地を代表するワイナリー「ペガサス ベイ」。
ワイパラワインの先駆者であるドナルドソン家によって1986年に創立された、NZの中でも古いワイナリーです。
家族経営ながらも個性際立つペガサス ベイのワインは、ワイパラだけでなくNZを代表するワイナリーとして世界中から高い評価を得ています。
また、所有する自社畑のぶどうの樹は、樹齢25年以上の自根を使っているとのこと。
これは、ぶどうの樹自体がある程度成熟していて、凝縮感のある果実をつける能力が非常に高い、ということですね。
このワインも、フルーティさと酸味が備わったポテンシャルが非常に高いぶどうからつくられた、素晴らしいシャルドネなんです。
そしてさらに、1年間もの間樽で寝かせています。
樽で寝かせることによって、最後にブリオッシュのようなニュアンスがプラスされ、複雑味が加わっているのです。
おすすめのペアリング
このような素晴らしいシャルドネに、カンタンな料理をあわせてはいけません。
いいですか、
コンビニのおつまみではダメですよ。
定番の合わせ方としてはホワイトソースのような、クリーミーなソースがバッチリ合うでしょう。
お肉であればポークでもビーフでも、チキンでもいいですね。
もしくは脂身がしっかりあるような魚料理でもいいでしょう。
ポワレやムニエルなど焼いたものであれば、バターのニュアンスがしっかりあったほうがより相性がいいです。
ブルーチーズやフォアグラなどと合わせる人もいますね。
何度も言いますが、このワインはポテンシャルが非常に高いワインなんです。
ならば、食材にも時間とお金をかけて、とにかく高次元の、ちょっとリッチな食材を合わせてみてください!
ゴルゴンゾーラソースのペンネ
ぼくのお店「ボクモ」の人気メニュー、「ゴルゴンゾーラソースのペンネ」。
これは非常に良いです。完璧に合うと思います。
牛ヒレ肉のロッシーニ風
なかなか家で「フォアグラ」なんて食べる機会ないですが…
「牛ヒレ肉のロッシーニ風」とは、レアの状態に焼き上げた牛ヒレ肉とソテーしたフォアグラをトリュフソースでいただくなんとも贅沢な一品。
フォアグラやトリュフなんてなかなか家で揃えられませんが、いいワインがあるときは、思い切ってチャレンジしてみてもいいですよね。
もちろん、牛ステーキだけでも十分いいペアリングになります!
この記事の筆者

- NZワインラバーズの編集部です。ソムリエ岩須の監修の元、ニュージーランドやワインについての情報を執筆しています。
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監修

- ラジオの原稿執筆業(ニッポン放送、bayfm、NACK5)。ニュージーランドワインが好きすぎるソムリエ。栄5「ボクモ」を経営。毎月第4水曜はジュンク堂名古屋栄店でワイン講師(コロナでお休み中)。好きな音楽はRADWIMPSと民族音楽。最近紅茶が体にあってきた。一般社団法人日本ソムリエ協会 認定ソムリエ。
ボクモ(BOKUMO)
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