大沢ワインズ フライングシープ ピノ・グリ 2013

レビュー日 | 2020.05.07 |
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地域 | ホークス・ベイ |
ワイナリー | 大沢ワインズ(Osawa Wines) |
品種 | ピノ・グリ |
収穫年 | 2013 |
香り | セージ、チャービルなどのフレッシュハーブ、マンゴーなどの核果 |
アルコール | 13% |
シーン | お手軽に作れるイタリアンに合わせて |
購入先リンク | ▶OSAWA WINESオンラインワインショップ |
希望小売価格 | 2,800円(税別) |


岩須
清涼感たっぷり。食事にあうタイプの白ワインです。
このワインは、2013年ヴィンテージ。このレビューを書いている時点で、収穫から7年経っているということになります。
このような年代物のNZワインは、日本ではあまり流通していないので、珍しい存在ですね。
どんなワインなのか、ちょっとワクワクします!
赤ワイン用ぶどう品種ピノ・ノワールの突然変異でできたと言われている、ピノ・グリ。
「グリ」はフランス語で「グレー」を意味し、ぶどうの皮の色はグレーがかったピンク色をしています。
ピノ・グリでつくられたワインの色は、イエローやゴールドの色調が強めに出ることが多く、このワインもその特徴がよくでていると思います。
非常にクリーンで、きれいな外観ですね。
香りは、7年も経っているとは思えないほどのフルーティーさが残っていて、ハツラツとした印象も感じます。
ただ、このワインの産地であるホークス・ベイ地方のアロマティック品種は、本来パッションフルーツやマンゴーなどの亜熱帯系フルーツの香りが強烈に出る傾向があるんですが、そういったものと比べるとフルーティーさはやや控えめです。
そしてもうひとつ感じるのが、フレッシュハーブの清涼感。セージ、チャービル、ディルのような、ハーブのニュアンスが思い浮かびますね。
フルーティーさとハーブのニュアンス、どちらもバランスよく同居している感じです。
味わいも香りと同様、経年を感じさせないフレッシュさがあります。
そして、NZの白ワインにはあまり感じたことのないような、滑らかさを感じますね。
おそらく作りたての頃は、もっとフルーティーなイメージが強いワインだったのではないでしょうか。
それが、時が経つにつれてフルーティーさが徐々にやわらかくなり、ピノ・グリがもともと持っているハーブのニュアンスと調和していった結果、このような味わいになっていったんだと思います。
これはNZの定番スタイルというよりも、どちらかと言えばヨーロピアンなスタイルですね。食事に寄り添うようなワインに、徐々に変化していったと考えられます。
その変化をしっかりと支えているのは、アルコール度数の高さです。
高いアルコール度数に守られたワインの旨味が下支えとなり、決してへたっているという印象を与えず、ナチュラルな旨味のあるものに熟成していると思います。
このように、NZワインも「時を経ることでフードフレンドリーなワインになっていく」ということが、このワインを通じて知ることができました。
NZワインのポテンシャルを感じられる、そんな一本です。
ワイナリー「大沢ワインズ」について
「大沢ワインズ」はニュージーランドのホークス・ベイにあるブティックワイナリーです。
「海外で農業をしたい」という少年期からの夢を持ってきた日本人オーナーの大沢泰造さんが、2005年に設立しました。
自然環境の保護に取り組みながら、安全で美味しいぶどう栽培とワインづくりを行っています。
大沢ワインズのエントリーとなるシリーズが、この「フライングシープ」のシリーズ。
元は牧羊地だった土地をぶどう畑として開墾した為、その土地にいた羊たちには、新しい牧羊地に引っ越してもらわなければなりませんでした。その引っ越しの際の羊たちが移動する姿が飛ぶように見えた、というのが「Flying Sheep」というネーミングの由来です。
人間と羊が共生しているニュージーランドならではのエピソードですね。
ちなみに、大沢ワインズのワインは、滋賀県米原市にあるガーデン施設「ローザンベリー多和田」で購入可能です。ここでは、ニュージーランドのセラードアの雰囲気を再現していて、マヌカハニーやオーガニックティーなどのNZの特産品も多数扱っています。
おすすめのペアリング
魚介のパスタと海藻サラダ
このワインは、フードフレンドリーなイタリアワインにとても近いニュアンスを持っています。
また、グラスに注いで少し温度が上がってくると、「ヨード香」という海のミネラルを感じる香りが立ってきます。
ですので、魚介を使ったイタリアンパスタと、わかめなどが入った海藻サラダがあれば、このワインに合わせる食事は完璧です!
サラダのドレッシングは、そのまんまイタリアンドレッシングでも、ごまドレでも良いですね。
魚介パスタのソースは、オイル系でもトマトでもOK。イタリア料理にならってオリーブオイルをたっぷり使ってくださいね。
フレッシュチーズを使った前菜やピザ
モッツァレラやマスカルポーネなどの、フレッシュチーズを使った料理もおすすめですね。
例えば、シンプルなマルゲリータや、マスカルポーネをクラッカーにのせた簡単なおつまみなど。
ちょっとしたホームパーティーにも良いですね。
この記事の筆者

- NZワインラバーズの編集部です。ソムリエ岩須の監修の元、ニュージーランドやワインについての情報を執筆しています。
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監修

- ニュージーランドワインが好きすぎるソムリエ。ラジオの原稿執筆業(ニッポン放送、bayfm、NACK5)。栄5「ボクモ」を経営。毎月第4水曜はジュンク堂名古屋栄店でワイン講師(コロナでお休み中)。好きな音楽はRADWIMPSと民族音楽。最近紅茶が体にあってきた。一般社団法人日本ソムリエ協会 認定ソムリエ。
ボクモ(BOKUMO)
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