ヴァンダル ゴンゾー ミリーシャ 2019

レビュー日 2020.06.02
地域 マールボロ
ワイナリー ヴァンダル(Vandal)
品種 ヴィオニエ
ピノ・グリ
リースリング
シャルドネ
ピノ・ノワール
シラー
テンプラニーリョ
収穫年 2019
香り フローラル系の白い花、ネクタリン
アルコール 13.5%
シーン 普通のワインに飽きたワインマニアが集うパーティーに。
購入先リンク ▶楽天市場
希望小売価格 3,500円(税別)

岩須

真面目なつくりの中に「遊び」を感じるワインです。

“破壊者”という名を掲げ、個性的なワインづくりをしているNZの覆面プロジェクト「ヴァンダル」。(vandal=破壊者という意)

典型的なNZワインの概念を覆し、唯一無二のスタイルを追求したワインは話題を呼び、日本でも毎年入荷と同時に完売してしまうほど人気を集めています。

今年は、4種類の個性的なワインをリリース。そのうちのひとつが、この白ワイン「ミリーシャ」です。

ミリーシャの特徴は、なんと言っても「フィールドブレンド」でつくられているということ。

フィールドブレンドとは、同じ畑に植えられた異なるぶどう品種を混ぜて醸造したワインのことです。

古来ヨーロッパの庶民的なワインと言えば、家の畑で実ったぶどうを踏み潰して、自然に発酵させてつくる手作りの飲み物でした。使うぶどうはとりあえず実ったぶどう全部。どんな品種かはあまりこだわらないという大雑把なやり方でした。その後、製法は洗練されていき、現在のように品種の個性を重要視して、品種別に栽培・醸造を管理するようになっていきます。

品種の個性を引きだそうという考え方は、長いワインの歴史の中では比較的新しいものと言えるでしょう。

このフィールドブレンドとは、そんな昔ながらの「地ワイン」とも言える伝統的なスタイルに回帰したようなつくり方。

▶フィールドブレンドについて詳しくはこちら

ミリーシャに使われているぶどう品種は、合計7種類。ヴィオニエ、ピノ・グリといったフローラルな香りの強い白ぶどうもあれば、シラー、テンプラニーリョのようにしっかりとした渋みを持つ黒ぶどうも入っています。

マールボロ産の白ワインと言えば、主に単一の品種からつくられ、その特徴をしっかり出していくというのが基本的なスタイルですが、このワインは、“それを壊していこう”という、ヴァンダルの主張が現れていると言えるでしょう。

では、ティスティングしていきます。

ヴァンダル ゴンゾー ミリーシャ 2019グラス

やや、くすんだイエロー。オレンジがかった色彩も感じられます。

これは通常のNZの白ワインよりも、濃いめの色合いですね。もしかしたら、原料として使っている黒ぶどうによる影響もあるかもしれません。

無濾過・無清澄ということで、多少の濁りがあります。

グラスを傾けてみるとディスクはやや分厚く、ワインの涙もしっかりあります。旨味の強そうな外観をしていると言えますね。

アルコール度数は高めの13.5%。

この若干の濁りと、しっかりとしたアルコール感で、複雑な味と香りのワインということが想像できます。

ヴァンダル ゴンゾー ミリーシャグラス02

香りを嗅いだ途端、まるでお花畑にいるかのような、フローラルな香りに包まれました。白いお花を連想させる、とても華やかな香りです。

そのお花の香りの中に、ネクタリンやあんずなどのフルーツのニュアンスも感じられます。

この香りは、南フランスの白ワインに近いイメージですね。南フランスにはヴィオニエ、マルサンヌ、ルーサンヌなど、フローラル系の香りが特徴の品種があり、それらを思い起こさせるような、とても華やかなお花の香りが全面に出ています。いつまでも嗅いでいたくなる、心地良い香りです。

香りで飲むワインと言っても過言ではないですね!

ほんとに良い香り!

ひとくち飲むと、とても複雑な味わいに驚かされました。

香りの印象と同じく、お花のようなニュアンスが口の中に広がります。ネクタリンに加えて黄桃のような風味もありますね。

そしてヨーグルトのような滑らかな後味がありながら、上顎や唇の裏側に残る、ほんの少しの渋み。これはロゼワインにもある心地良い渋みと同じで、食事をおいしくしてくれるアクセントになるものです。

白ワインなのになぜ、渋みがあるのか。
ヒントは、このワインの作り方にあります。

白ワインは本来、醸造の前に渋みの元となる皮や種子を取り除きます。しかし、このワインはそれらを取り除かず24時間果汁に漬けておく方法をとっているので、皮や種子から渋み成分が抽出されているのです。

さらに、ピノ・ノワールシラー、テンプラニーリョという皮の黒い赤ワイン用のぶどうも使われているため、このようなほろ苦い渋みが余韻として残るというわけです。

ただ、渋みがあると言っても、苦味やえぐみなどが目立つ粗雑な味わいではありません。むしろ、全体の印象は非常にまとまっていて、複雑で飲みごたえもあります。

知識と経験のある「正統派ワインの醸造家」が、NZワインの既存のイメージをあえて覆し、「遊び心を入れたワイン」をつくっているという印象を受けました。ちょっと変わったワインであることはボトルや商品情報を見るだけでも分かりますが、実際飲んでみると、ますますその個性を感じることができました。

素晴らしい味わいのバランス。

そして、NZでは珍しい個性的な一本です。

ヴァンダルとは

「ヴァンダル」は、マールボロ地方を中心に活動する3人のワインメーカーによって、2016年に始まったプロジェクトです。

おそらく名のあるワインメーカーたちなのではないかと言われていますが、「シークレットプロジェクト」と銘打っており、個人名は名乗っていません。

白い仮面をつけて登場した、スタイリッシュなプロモーション画像は必見です。

ヴァンダル

引用元:サザンクロス公式サイト「ヴァンダル」

「ヴァンダル(vandal)」「破壊者」
手掛けているシリーズ「ゴンゾー(gonzo)」「型破り」という意味。

これらの名前は、NZの一大産地であるマールボロの伝統を壊し、新しいスタイルを追求していこうという、彼らのアグレッシブなポリシーを表しています。

リリースは毎年春先で、日本では3月頃発売されますが、毎回すぐに売り切れになるというファンの多いワインです。

今年(2019年ヴィンテージ)は定番の3種類(赤1種、白2種)に加え、新しくペットナットが登場。更に型破りな魅力を発揮しています。

おすすめのペアリング

料理
このワインには中華やエスニック料理にぴったりあうと思います。

少し脂っこいお料理であっても、心地良い渋みがさっぱりと洗い流してくれるでしょう。

幅広い食材・調理法に対応するので、点心なんてバッチリですね。小籠包、エビシュウマイ、春巻き、胡麻団子など色んなものをつまみながら楽しんでもらいたいワインです。

この記事の筆者

NZワインラバーズ編集部

NZワインラバーズ編集部
NZワインラバーズの編集部です。ソムリエ岩須の監修の元、ニュージーランドやワインについての情報を執筆しています。

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