グレイワッキ ソーヴィニヨン・ブラン 2017

レビュー日 | 2020.07.16 |
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地域 | マールボロ |
ワイナリー | グレイワッキ(Greywacke) |
品種 | ソーヴィニヨン・ブラン |
収穫年 | 2017 |
香り | パッションフルーツ、白桃、ハーブ類 |
アルコール | 13% |
シーン | 香草を使ったアジア料理に。 |
購入先リンク | ▶楽天市場 |
希望小売価格 | 4,100円(税別) |


岩須
ナチュラルで食事に寄り添いやすい味わいにシフトした、マールボロのソーヴィニヨン・ブラン。ボリューム感がしっかりとあり、複雑な味わいのワインです。
色は、透明感のあるライムグリーン。マールボロ産のソーヴィニヨン・ブランの多くが、こんな感じの淡い色です。
香りはスタンダードなNZのものに比べるとやや落ち着いていて、パッションフルーツや白桃、ハーブ類の香りが優しく香ります。
味わいは、フルーティーさを持ちつつもキリッとした酸があり、全体を引き締めています。
余韻には、南国フルーツとともにハーブや白こしょうのニュアンス。
ボリューム感がしっかりとあり、複雑な味わいを持ったワインと言えるでしょう。
NZワイン界の偉人によるワイナリー「グレイワッキ」
ワイナリー「グレイワッキ(GREYWACKE)」が設立されたのは、2009年。NZを代表するワイナリー「クラウディ ベイ」のケヴィン・ジュッド氏が独立して立ち上げました。
クラウディ ベイと言えば押しも押されもしない、NZのワインを世界に知らしめたNZワイン界の最重要ワイナリー。特にマールボロ産ソーヴィニヨン・ブランの個性的な味わいは、世界のワインラバーズに衝撃を与えました。この味は世界のどこを探してもマールボロより他にない、その中でもクラウディ ベイの味わいは特に素晴らしいとの評価を得ました。
ケヴィン・ジュッド氏は醸造責任者としてその味わいを長年にわたって支えてきた存在。いわばNZワインに世界から注目を集める大きなきっかけをつくった、NZワイン界の偉人のひとりと言えます。
グレイワッキでは彼のその経験を活かし、さらにこだわった製法で、NZワインの可能性を追求しています。
僕は、もうこのワインを10ヴィンテージ飲んでいます。ワイナリー設立時と今とでは少しスタイルが変わってきたな、というのが僕の印象です。
グレイワッキ設立当初は、古巣クラウディ・ベイの味を引き継ぎつつ、さらにそれをリッチにしたような印象の味わいでした。つまり、パッションフルーツやグレープフルーツの強烈な香りとフルーティーさ溢れる味わいが前面に出た、いわゆる「フルーツボム(果実爆弾)」的なイメージのワイン。
しかしここ最近は、それらの特徴が抑えられたスタイルに変化しているように思います。フルーツ感を前面に押し出すのではなく、もう少し調和を重視した柔らかい味わいになってきているのです。
フルーツ感が最大のセールスポイントだったマールボロのソーヴィニヨン・ブランを、徐々に、フルーティーさを控えめにした、食事に寄り添うスタイルへと進化させようという意図が感じられます。
これはおそらく、世界のワインの潮流がファーストインパクトの強い味わいではなく、ナチュラルで食事に寄り添いやすい味わいにシフトしていることを受けての変化ではないかと思います。
おすすめのペアリング
単体でも楽しめますが、やはり食事と合わせると1ランク上の旨みを感じられると思います。
生春巻き
パクチーなどの香草の香りと、ワインの中にあるハーブのような香りが調和します。
海老が入っていれば、コクのある料理×コクのあるワインのナイスなペアに。
バインミー
お肉のボリューム感と香草の良い香りが特徴のサンドイッチ。さらっとしたワインよりは、フルーツやハーブのニュアンスがあって、厚みのあるワインがGOOD。
この記事の筆者

- NZワインラバーズの編集部です。ソムリエ岩須の監修の元、ニュージーランドやワインについての情報を執筆しています。
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監修

- ニュージーランドワインが好きすぎるソムリエ。ラジオの原稿執筆業(ニッポン放送、bayfm、NACK5)。栄5「ボクモ」を経営。毎月第4水曜はジュンク堂名古屋栄店でワイン講師(コロナでお休み中)。好きな音楽はRADWIMPSと民族音楽。最近紅茶が体にあってきた。一般社団法人日本ソムリエ協会 認定ソムリエ。
ボクモ(BOKUMO)
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