ロゼワインはなぜ流行らないのか

ソムリエブログ

僕はロゼワインが好きです。

お店にワインを飲みに行って、ロゼがグラス売りされていると、迷わず注文します。近所のカルディに行って美味しそうなロゼワインを見つけると、つい買ってしまいます。

そして、僕はこのロゼワインが今、世界のワイン界でイケているジャンルであるということを知っています。

なぜなら、ワインの最高権威の国フランスでは、ロゼは白よりもどんどん人気が出てきて、売り上げでロゼが白を超えてしまっているから。赤53%、ロゼ30%、白17%(2018年)です。

このフランスでのロゼブームは世界に広まっていて、ビールの国イギリスやコーラの国アメリカでも、ロゼワインがしっかりと食い込んで、定番アイテムとして定着していると言います。

僕はロゼワインが好きです。

だから「フランス人、僕とセンスが似てるなあ」。そんなふうに思ってます(笑)

しかし、しかしです。

日本では、実際はロゼを常時グラスで飲める飲食店はとても少ない。小売店でもロゼのラインナップはぜんぜんない(僕が住んでいる名古屋では特に)。

なぜか。理由は簡単。

完膚なきまでに人気がないからです。

僕は自分の店で、ロゼの影の薄さを日々実感しています。泡や白や赤に比べるとちっとも売れません。直近の体感としては、泡2:白3.5:赤4:ロゼ0.5くらい。

これじゃいかん。

だから僕はカウンター越しに「ロゼも美味しいですよ」とすすめます。ほぼ毎日。

その結果、常連さんには1杯は飲んでいただけるようにはなりました。

でもね、その後はすぐに元々自分の好きだった白や赤に戻っちゃうんだな。もう!

浸透しない。人気が出ない。それが日本におけるロゼワインなのです。

なんでだろう。こんなに美味しいのに。

こんなに色んな料理にあわせられるのに。

そう、料理とのペアリングという点では、非常に優秀なんですよ。

特に辛口のロゼワインは。

・中華料理
・エスニック料理
・和食
・野菜系
・魚介系
・軽いお肉系

これら、だいたい辛口のロゼに合います。

中でも、特筆すべきは中華です。

中華は、色んな食材や調理法のバリエーションがあって、だいたい脂っこい。

ロゼワインは、赤の渋みと白のすっきり感という両方のよさを持っています。だからあわせられる食材の幅が広い。

そして油分は料理の余韻を長引かせます。油の長い余韻の中にワインを放り込むことで、料理とワインとのペアリングがしっかりと感じられる。

一度試せばきっとわかります。

こういう話を僕は、カウンターでよくしているのですが・・・・

残念ながらうちは中華料理屋じゃない。

話したとて、すぐにペアリングが試せない。

「今度、家で中華を食べるときにはロゼをあわせてみてください」とは言います。でも、なかなか実践したという話はききません。

たぶん、みんな酔っ払って僕の話を忘れているんだと思います。残念。

そういうわけで、僕は、いまだにロゼワインを流行らせることに失敗し続けています。

なんとかならんかなあ。

ただ、日本のワイン業界全体が、このロゼ不毛状態に手をこまねいているわけではありません。

世界ではロゼ=イマドキのワイン。日本のワインマーケットでもイケてるワインを広めたい。そう思っているワイン業界人は多いのです。

で、ひねり出したのが、桜のシーズンにあわせたキャンペーンです。

桜色=ピンクのワインということで、各社がこぞって「春はロゼを飲もう」とキャンペーンをやっています。たしかにその時期にはちょっとは売れているんですが、でも、それじゃだめだと思います。

だって、ロゼワインは「夏のお酒」だから。

フランス、イギリス、アメリカでロゼがブームになったのは、「ロゼ=暑い夏を乗り切るためのワイン」というブランディングがうまくいったからと言われています。

すいすい飲めるけど、ちょっとほろ苦くて、食欲を刺激する。そんな性質を持ったロゼワインは、地球温暖化が進みまくる都会の夏では必需品になっているというのです。

だから、日本も「桜のシーズンのお酒」としてロゼを印象づけるのは、ちょっともったいない。

むしろその後の夏にこそ商機がある。日本も世界に見習って、クソ暑い夏=ロゼが似合う、そんな売り出し方をした方がいいと思います。

そして、さらに調べてみると、世界的なロゼワインブームを支えているのが「ミレニアル女子」ということがわかってきました。つまり20代〜30代前半の女性がロゼを飲んでいる。

彼女たちのアイデンティティは、当然「映え」です。

つまり、ピンク色のきれいなロゼは映える。ロゼを飲むアタシたちも映えてる。

それが世界的大流行の一要因になっているというんですね。

なーんだ。そこか。

つまり、日本のワイン業界人は、インスタのインフルエンサーにうまいことアプローチできていない。

ミレニアル女子が好きな夏のイベント会場にロゼのブースを出していない。

そういうことなんじゃないか。

日本のミレニアル女子は、そんなにお酒が強くない人や、普段からワインを飲まない人も多いでしょう。

だったらまずは、低アルコールのロゼを売ればいい。ロゼを使ったカクテルを売ればいい。そうやってロゼの認知度をあげればいいんじゃないか。

今、そう気づきました。

しかし、日本はこれから冬です。・・・残念。

来年の夏にもっとロゼが選ばれるようになるために、インスタの研究&軽いロゼカクテルの研究をするとしますかね。

ロゼ好きおじさんとミレニアル女子の距離が近くなる日も近い・・・かも!?

この記事の筆者

NZワインラバーズ編集部

岩須 直紀
ラジオ番組の構成作家(ニッポン放送、bayfm、NACK5)。「ボクモ」と「ロックモ」を経営。
ニュージーランドワインが大好きなソムリエ。
毎月ジュンク堂名古屋栄店でワイン講師やってます。
ボクモ(BOKUMO)
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