好きになるかどうかは、最初のインストラクター次第

 

「好きになるかどうかは、最初のインストラクター次第」

これは僕の持論です。

僕はどちらかというと、運動が得意じゃない少年でした。

熱心にやっていた少年野球で6年生になっても補欠だったのは、僕と所くんだけ。4年生の上手い子に余裕でレギュラーをとられていました。情けないけどしょうがない。

でも、そんな僕でも、好きになったスポーツがありました。

それはスキーです。

今考えてもびっくりするような制度ですが、なんと、僕が入った高校は、修学旅行がありませんでした。その代わりにあったのが、長野でのスキー合宿。

なんでスキー合宿?

もしかして、ちょっと上の先輩がディズニーでやらかしたせいで行けなくなって、そのあおりで、俺たち、雪山に閉じ込められるのか?

やだなあ、雪山。行ったことないもん。滑れるわけないじゃん。寒い思いをして、ひたすら転びに行くようなもんじゃん。

と思っていました。

しかし、そんな運動音痴の岩須くんに救世主が現れます。

それは、幼なじみのけいちゃんとはっちゃん。けいちゃんとはっちゃんは、毎年、家族とスキーに行っていて、「今年は岩須くんもどう?」みたいな流れになり、僕を誘ってくれたのです。みんな別の高校に通っているのにもかかわらず!

やったー、ラッキー!

修学旅行ならぬ転学旅行の前に、予習が出来る!

そして、そのラッキーは、本当にラッキーで、すでに上級者だったけいちゃんは、僕につきっきりで、ボーゲンを教えてくれました(ごめん、はっちゃんも教えてくれたと思うけど、主にけいちゃんの記憶が残ってます)。

コケる僕を励まし、うまく出来たら「いいじゃん!」と褒めてくれる。

僕はわずか1日で、ゆるい斜面なら、スキー板をちょっとだけ揃えて滑ることができるようになっていました。

わーー、けいちゃん(ごめん、はっちゃんの記憶は曖昧)、ありがとう!!!

スキー、好きになっちゃったよ!スースキスースキスー!(マルC細川ふみえ)

そして、その経験をひっさげての、スキー合宿。もちろん、僕は中級者コースからスタート。へへーん。ちょっと滑れるもんね、と、見事に楽しい合宿に、相成りました!

それから、大学でも社会人になってからも、毎年数回はスキーに行くようになり、れっきとしたマイホビーとなったのでした。

高1のとき、友だちに教えてもらったあの経験がなければ、その後の人生は違っていたんだろうなと思います。

そう、なにごとも最初のインストラクター次第。最初に苦手意識がなくなるって大事。次から、ちょっとした自信を持って挑めるって大事。

だから、NZワインがはじめて、いや、ワイン自体に馴染みがない、そんな方にも、僕が良きインストラクターとならねば。

そう思って、NZワイン専門ショップ「ボクモワインでは、初めての方にも楽しんでいただけるように、これらのものを同梱することにしました。

その1:ワインカード ワインって、ちょっとわかると楽しいもんです。なので、購入していただいたワイン1本1本に、そのワインの簡単な説明を書いたワインカードをおつけしています。飲むときに何もないと、ただ飲むだけ。でも、ちょっとした情報があれば、情報といっしょに楽しめる。

ぴったりあうお食事の例も書いてあるので、ディナーの参考になれば良いなと思います。

その2:NZワインの特徴をまとめた冊子 NZワインとは何か。そこにはどんな世界が広がっているのか。それがわかるような、冊子を初回購入の方に差し上げています。しっかりと時間をかけてつくりました。

その3:オリジナルポストカード リピートしていただいた方には、NZ在住経験のある写真家Shu Itoさんによる「NZの大自然の写真」の絵はがきを封入します。大自然の中でつくられているNZワインを、より近くに感じていただけたらと思っています(準備中)。

 

なかなかいいじゃん。これなら、初めて買ってくれた人にも、より興味をもっていただけるんじゃない?なんて、思っていました。

しかし、甘かった。

共同経営者の佐藤さんから、こんな報告が。

「僕の友人が、届いた赤ワインを飲んだら、やたら渋かったって言ってました。渋いの、どうやら苦手みたいで。」

・・・しまった!

ボクモワインは、この時期、品質保持のためクール便でお届けしているのですが、それをそのまま冷蔵庫に入れて、出してすぐに飲んだら、そりゃ、渋いです!

なぜなら、ワインには適正な温度があって、赤ワインの場合、温度を下げると渋みが増してしまうのです。

ああ、そのへんのこと、ちゃんと案内できていなかった・・・

慌てて、ワインのジャンル(赤・白・泡・ロゼ・オレンジ)のそれぞれの、飲むのに最適な温度の提案を書いた紙を作りました。

いやあ、そんな基本情報を伝えていないなんて、いかん。インストラクター道は、まだまだ道半ば。

もし、これをご覧の方で、「いや、まだここがわからん!」「もうちょっと説明がないと困る」という部分がありましたら、どうぞお気軽にお知らせください。

今後、ボーゲン(初NZワイン)だった方が、ウェーデルン(すいすい自在に楽しめる感じ)になるまで、きっちりとその楽しみ方をお伝えしていこうと思います。

今週のワインとおつまみ

GIBSON BRIDGE PINOT GRIS 2018 RESERVE MARLBOROUGH

ギブソン ブリッジ ピノ・グリ 2018 リザーブ マールボロ

ギブソン ブリッジ ピノ・グリ 2018 リザーブ マールボロ

思わず顔出ししてしまいました。このワイン、個人的にすごく好きな味です。まろやかでスモモや桃のようなニュアンスがあり、凝縮感もバッチリ。余韻も長め。うーん、たまらん。

ピノ・グリは、フランスを除くほとんどの国ではマイナー品種ですが、NZではメジャーです。ソーヴィニヨン・ブランの牙城であることは間違いないですが、白品種において、このところシャルドネと激しい2位争いをしています。

こういうピノ・グリを飲むと、本国で人気があるのがよく分かります。幅広いお食事にあいそうですもん。食卓に1本あると便利なワインって感じです。まだNZのピノ・グリを体験していない方、ぜひ、この1本から入ってください。

豚肉と玉ねぎの軽いトマトソースパスタ

あわせたのは、豚肉と玉ねぎの軽いトマトソースパスタ。ピノ・グリの濃厚な旨みと、豚肉って相性いいなあ。白ワインも、ちゃんとお肉の相棒になることを、改めて実感しました。

この記事の筆者

岩須
岩須 直紀
ニュージーランドワインが好きすぎるソムリエ。ラジオの原稿執筆業(ニッポン放送、bayfm、NACK5)。栄5「ボクモ」を経営。毎月第4水曜はジュンク堂名古屋栄店でワイン講師(コロナでお休み中)。好きな音楽はRADWIMPSと民族音楽。最近紅茶が体にあってきた。一般社団法人日本ソムリエ協会 認定ソムリエ。
1 / 4