「他の国のワインは飲まないんですか?」

 

東京オリンピックの開会式を見て。

国旗マニアの息子

「スイスの国旗って本当は縦横比が1:1なのに、騎手が持ってる旗、2:3になってる!」

ファッションに興味がある娘

「ケニア選手団の服、かわいい!」

奥さん

「聖火台に火がつきそうになったら起こして。それまで寝るわ。」

「イタリアだ!ワイン大国が来たぞ。次、イスラエルね。ワイン作ってるけどまだ飲んだことないな。インドは、インドに住んでた友人にワインいただいて、美味しかったなあ。五十音順だと、ニュージーランドワインはずいぶん先だなあ・・・」

四者四様の反応でした。

ところで、僕はこのところずっと、NZワインへと傾いているわけですが、たまに「他の国のワインは飲まないんですか?」と聞かれることがあります。

もちろん、飲みますとも。

理由は、ポジション確認のためです。

ワインの世界って、とても広いです。フランスとイタリアを中心としたヨーロッパの伝統国、そして、NZやオーストラリア、アメリカ、南アフリカ、日本などの「ニューワールド」と呼ばれる国々。さらに、イギリスやジョージアなど、ここ最近改めて注目されている国もあって、その流行は年々変わっています。

その中で、NZワインはどのポジションなのか。やはり、ある程度、NZワインを外から見たときの位置を確認しておく必要がある。ただ単に、好きなものは好きだからしょうがない、ではなくて、他と比較して、こんな特徴がある、とわかっておきたい。

これって、飲み物の中でワインのポジションがどうなのか?っていうことを意識するのと同じですね。それも大事。

生活の中で、飲食店がどのポジションか、通販がどのポジションなのかも意識しなきゃとも思っています。

たまに、同い年の人の中で自分はどのポジションかな、と思うこともありますが、たとえば、デヴィッド・ベッカム、タイガー・ウッズ、オダギリジョー、ムロツヨシ(なぜか片仮名ばかり)と自分を比較しても意味がないな、と思い、それはあまり意識しないことにしています。そもそもの人生のポジション取りが違いすぎるので。

というわけで、このうだるような暑さの中、僕がNZにハマる前に大好きだった「シャブリ」を久々に買ってみました。

シャブリはフランスの白ワインで、キリッと辛口のミネラル感がある味わいが特徴。夏になると飲みたくなるすっきり系のワイン。NZにはない味。よし、ワイン界の広さを楽しむぞ!

の、はずでした。

しかし、久方ぶりのシャブリは・・・

残念。「熱劣化」っぽい味でした。ぜんぜん本来のシャブリじゃなかったなあ。

実は、このワインを買った酒屋さん(初めて行きました)に入った瞬間、ヤバ!と思ったのですが、空調がぜんぜん効いていなかったんです。体感温度30度くらいの店内。ここで買うのはどうかなあと思いつつも、レジを通らないと出口にたどり着かない構造だったため、えいや!っとシャブリを手に取ったのですが、案の定な結果に。

教訓。

美味しいワインを届けるには、店内の温度管理、とても大事。ボクモ&ボクモワインはきっちり定温管理します。ちゃんとした品質のワイン屋さんというポジションは、死守したいです。

近いうち、また別の店でシャブリを買おう。それから、イスラエルワインも探してみよう。インドワインも久々に飲みたいな。

今週のワインとおつまみ

熱劣化。よく言えば、長旅ご苦労さん、みたいなくたびれた味のシャブリ。ただ、本来の味じゃないだけで、ワインとしては成立している味だと思いました。

ワインがNZ以外でも、おつまみはNZっぽいのにしてみようと思い、キウイフルーツをトッピングしたパスタをつくってみました。

シャブリとキウイフルーツトッピングのパスタ

まずまずの相性。次回、ちゃんとしたシャブリでリベンジです。

この記事の筆者

岩須
岩須 直紀
ニュージーランドワインが好きすぎるソムリエ。ラジオの原稿執筆業(ニッポン放送、bayfm、NACK5)。栄5「ボクモ」を経営。毎月第4水曜はジュンク堂名古屋栄店でワイン講師(コロナでお休み中)。好きな音楽はRADWIMPSと民族音楽。最近紅茶が体にあってきた。一般社団法人日本ソムリエ協会 認定ソムリエ。
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