クリスマスが苦手でした

ソムリエブログ

僕はクリスマスが苦手でした。

子供の頃は、母親が英会話教室をやっていたので、毎年この時期にはその教室のクリスマスパーティーをやるのが恒例になっていたし、地域の子供会のクリスマス会とかも、わりと普通に楽しんでいました。

転機となったのは、ラジオ業界で働いていたとき。

毎年11月くらいから、ラジオ局はクリスマスソングを頻繁に流します。特に僕が携わっていたのは音楽番組なので、それはもう頻繁に流すのです。マライヤ・キャリーを。ワムを。山下達郎を。

ADとして現場に入りたての頃は、「ああ、クリスマスシーズンだから、盛り上げるためにかけるのね」くらいに思っていましたが、毎年となると、これがなかなか厳しい。

クリスマスソングって、ものすごく飽きるのです。

でも、リクエストはじゃんじゃん来るし、トークの内容的にも流すべきタイミングが多い。だからディレクターは選曲せざるを得ないんです。

もうね、何十回もタイム計測しているから、最終的には、マライヤは5秒、ワムは17秒、達郎は32秒と、イントロのタイムを覚えてしまいます。ああ、お腹いっぱい。もういらない。はよクリスマス終わらんかな、もっと別の曲かけたいんだけどな、とずっと思ってました。

それから、クリスマスシーズンには、屋外の広場とかでイベントをやります。ミュージシャンを呼んで、クリスマスソングを歌ってもらう。集まったカップルたちは、聴いてうっとり。

それを横目に、現場の僕らは凍えながら進行をします。

「クリスマスめ!」

案の定、風邪を引いて鼻水ズルズルの年越し。悲しいぜ。

だいたいね、クリスマスって、キリストのミサでしょ?キリスト教の人が家族で仲良くおうちで過ごすイベントでしょう?極東で曲解してなにがデートだよ。家が仏教なら、4月に釈迦の生誕祭「灌仏会」でデートしたらどうなんだよ。苦手だわあ、クリスマス。

 

とまあ、20代の頃は、とにかくクリスマスの悪口を言ってました。

しかし、そんな若き僕に、今、40代の僕は言ってやりたい。

「おいお前。お前は将来、キリスト教のミサのために使うことで有名な「ワイン」を売ることになるぞ。」

 

自己矛盾の極みです。

 

ワインはキリスト教の伝播とともに世界に広まった文化であると言っても過言ではありません。

ミサに必要なワインは、キリスト教を核とした西洋文化の象徴的存在。クリスマスもそう。クリスマスがそんなに嫌なら、御神酒だけ飲んでろ、と言われても仕方ないです、20代の僕は。

まあ、その頃の僕は、文化ってものをよくわかっておらず(今もそんなに深くはわかってないですが)、「日本は戦後、自国の文化と西洋文化をまぜこぜにすることによって、経済を急拡大させてきた」という当たり前のことを理解していませんでした。

海外の目新しいものが欲しいという国民の欲望が経済成長を支える原動力。その力のおかげで日本は発展し、結果、今のごちゃまぜの文化が出来上がったわけです。

若き日の僕が、この日本文化のオリジナルな成り立ちを知っていたら、もうちょっとクリスマスという舶来イベントに寛容になれた気がします。ああ、日本はこうやって戦後復興を果たしたんだなって、理解できた気がします。

 

そして最近、それを踏まえた上で、ひとつ思うことがあります。

僕が好きな料理研究家の土井善晴さんは、

「フランス料理は、素材をあわせて煮詰めて、別の新しい価値をつくる。それに対して和食は、素材をなるべく加工せずに、さっと和えることで、もとの素材の良さを慈しむ」と言います。

その言葉を借りれば、日本って、クリスマスでもワインでも、日本の文化とあわせてぐつぐつ煮ることはせず、なるべくそのまま良い部分を受け入れて、自分たちの生活に「和えている」とも言えるのかな、と。

そう考えると日本人は、一見、西洋の表面的な部分だけを真似ているように見えて、実は、根っこにあるものはそれとして置いておき、西洋からやっていたものを、さらりと生活の中に、ほどよく配置する能力があるように思えます。

「足した色をまんべんなく混ぜて新しい色をつくる」わけではなく、「別々の色をマーブル状のままで置いておき、それで良しとする」。それって日本人の懐の深さかもな、と思うのです。

だから、ワインが好きならば、ワインと日本文化がどう融合するのかは置いておいて、もっと気楽な気持ちで、ワインをいつもの食卓にぽんと置けばいい。

おかずとワインのマーブル具合が楽しいと思えたら、それでいいんじゃないかな。最近そう思っています。

わかりましたか?20代のクリスマス逆恨みボーイよ。

今週のペアリング

これは、ボクモのメニューじゃないのですが・・・

こないだ、バインミーをお店に行って食べました。

バインミー

ベトナムの方がやっているお店で、お客さんもベトナムの方らしき人しかいませんでした。なかなかの異国情緒を楽しむことができました。

甘辛のお肉+香草を挟んだフランスパンのサンドイッチ、非常に美味しかったです。

フランスの植民地だったベトナムならではの、文化のミックスを感じました。これぞマーブル。

このときはワインをあわせることはできなかったのですが、今度はこのワインをあわせてみようと思います。これもきっといい感じのマーブルになるはず(マーブルが気に入って多用)。

「ヨハネショフセラーズ ゲヴュルツトラミネール 2020」

ヨハネショフ セラーズ ゲヴュルツトラミネール 2020

クリスマスセールは12/25まで

最後にお知らせです。

クリスマスに乗っかることができる大人になった岩須は、もちろんキャンペーンにも積極的です。

NZワイン専門店「ボクモワイン」は12/25まで全品15%オフのクリスマスセールをやっています。同時開催中の歳末セールで、すでに20%オフになっているスパークリングワインなら、定価の32%オフとなりますので、この機会に年末年始用のNZワイン、よかったら仕入れてくださいませ。

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この記事の筆者

NZワインラバーズ編集部
岩須 直紀
ニュージーランドワインが好きすぎるソムリエ。ラジオの原稿執筆業(ニッポン放送、bayfm、NACK5)。栄5「ボクモ」を経営。毎月第4水曜はジュンク堂名古屋栄店でワイン講師(コロナでお休み中)。好きな音楽はRADWIMPSと民族音楽。最近紅茶が体にあってきた。一般社団法人日本ソムリエ協会 認定ソムリエ。
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