テロワールって何ですか?

ソムリエブログ

こないだ、お客さまから「テロワール」って何ですか?と聞かれたので、今日はテロワールの話を。

みなさんは聞いたことがあるでしょうか。ワイン用語としては一般的ですが、日常ではまず使われることのない「テロワール」。

意味は、ズバリ、「土壌や地形、それに雨、風、気温、湿度などの気候の特徴や、近くで育っている他の植物を含めた、ぶどうの生育環境及びぶどう産地の特性」です。

ぜんぜんズバリじゃない(笑)

もともと「土」を意味するフランス語 「Terre(テール)」から派生した言葉で、日本語でカチッとハマる訳語はないので、どうしても長い説明になってしまいます。

異国の言葉には、その言葉を使う人々の文化があるわけで、日本にその文化がなければ、ストンと落ちる訳語はない。ですが、ここでは、ざっくり、テロワール=ぶどうが育つ環境としましょう。

 

ワイン文化の中では、「テロワール」は、極めて大事にされています。

“ワインは土着の農産物であり、その土地に暮らす人間の営みから生まれるのが、本来のワインの姿である”と考える人が多いからです。

実際、ワインを好きになると、ぶどう畑がある場所の土地の個性が反映されているワインを楽しむ、という方法に向かっていく人が多いです。

例えば、「ボルドー産の赤といえば、濃いめで渋めのワインね」とか「ブルゴーニュ産の白なら樽の香りがするまろやかなワインだろうな」みたいに、産地と味わいの結びつきがわかると、ワインの世界が急に開けていく感覚になるんですね。

そして、「やっぱりワインは土地に結びついた飲み物だな」「テロワールが表現されているワインって素晴らしいな」と実感するようになり、もっと突き詰めると、「単一畑のワインって個性があって魅力的だな」と思うようになるわけです。

 

僕も、ワインにハマりはじめた頃は、なけなしのお小遣いで、いろんな産地のワインを買い漁り、ワインの世界地図を塗りつぶしていく勢いで、産地の特徴を頭にインプットしていきました。

ヨーロッパ、北米、南米、南ア、オセアニア、そして日本。あと、たまに中国やインド、タイのワインにトライしたこともあります。

たしかに面白かった。世界は広いなあ。ワインっていろんなところでつくられて、いろんな味があるんだなあ、と勉強になりました。

 

ただ、いろいろ飲んだ結果、今、僕がたどり着いたのは、「テロワールはたしかに魅力のひとつだけど、テロワールを重視していないワインだって、じゅうぶん楽しい」です。

ずっとその場所で代々続いてきた混じりっけなしの文化。それは、たいへん素晴らしいものだと思います。

でも、僕は、文化を混ぜ合って新しいものをつくることも、また素晴らしいと思います。

うどんも、カレーうどんも、両方いいじゃんの感覚です。

ニュージーランドのお隣オーストラリアで、世界最高峰のワインのひとつと言われる「ペンフォールズ グランジ」(市場価格10万以上)は、オーストラリア国内の様々な産地から最上級のぶどうを集めて、独自の醸造技術を使ってワインにしています。テロワール関係なし。でも叡知の集結で、すんごいものをつくることができるのです。

僕は、「混じりっけのないものをつくりたい」という気持ちと「美味しいものを追求したい」という気持ちを天秤かけたときに、後者を優先させることを、特に間違っているとは思いません。

お米でブレンド米というと、安いお米というイメージもあります。でも、専門家によるブレンド米の中には、単一品種米をしのぐ美味しさ、値段のものもありますよね。

混ぜて、味を均一にして、年によるブレをなくすのだって、立派な技術だし、その技術が積み重なれば、それは文化になるんじゃないの、と思ってます。

 

ふと思うと、僕がこんな考えになったのは、自分のこれまでが関係しているのかもしれません。

僕の社会人人生は、ラジオからはじまって、その後、飲食になって、そして去年からワイン通販が加わりました。今はラジオ、飲食、通販の3種ブレンド。いろいろ混ざり合ってもいいじゃんっていうのは、自分のブレンド人生を肯定したいからかもなあ。

今後は、そのブレンドが独自の美味しさに仕上がるように、熟成させていかねば、です。

今週のペアリング提案

今週は、先にワインから。

ニュージーランドにも、テロワール関係なしのいわゆる「マルチ・リージョナル」と呼ばれるワインがあります。グランジみたいに10万円以上するワインじゃなくて、こちらは日常使いができるハイコスパなやつ。

ヴィラマリア プライベートビン シャルドネ 2020

ヴィラマリア シャルドネ2020

税込2,200円。だいぶお値打ちです。

このワインは、ギズボーンホークス・ベイマールボロワイパラという4つの産地のぶどうを使っています。

ギズボーンとホークス・ベイは北島。マールボロとワイパラは南島。ギズボーンからワイパラまでは、700km近く離れています。だいぶ遠い産地のぶどうのブレンドです。

日本に置き換えると、鹿児島、福岡、京都、名古屋のぶどうを使っている、みたいなイメージかな。

このワインの凄いのは、この価格帯のシャルドネなのに、樽熟成させていること。豊かな果実味に、木樽の香ばしい香りがちゃんとのっかってます。優秀。

ぴったりな料理は、ボクモの人気メニューの中から選ぶと・・・

サーモンパイ

サーモンパイ。パイ生地の中に、サーモンとじゃがいもが入ってます。そして卵黄ソースとデュカというスパイスがアクセントになってます。

シェフの自信作なので、ぜひ食べていただきたい!でも、マンボウの影がじわりじわりと近づいているぞ・・・どうなるボクモ。。。涙

この記事の筆者

NZワインラバーズ編集部
岩須 直紀
ニュージーランドワインが好きすぎるソムリエ。ラジオの原稿執筆業(ニッポン放送、bayfm、NACK5)。栄5「ボクモ」を経営。毎月第4水曜はジュンク堂名古屋栄店でワイン講師(コロナでお休み中)。好きな音楽はRADWIMPSと民族音楽。最近紅茶が体にあってきた。一般社団法人日本ソムリエ協会 認定ソムリエ。
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