ダイナミックなカード

「ダイナミック・プライシング」という言葉をご存じでしょうか。

ホテルの宿泊代や航空運賃などは、週末やゴールデンウィーク、お盆休みなどは高くなりますよね。

逆になんにもない平日はお値打ちになったりします。

この「需要と供給に応じて、価格が変動するシステム」をダイナミック・プライシングといいます。

これ、使う側にとっても、働く側にとっても、とてもいいやり方だと思います。

高いお金を払いたくないという人は、繁忙期を避けて平日に予約する。

そうすると、本来ヒマでしょうがない平日も、ある程度予約が入って仕事がまわる。

いいなあ。これ、飲食店にも導入できないかなあと以前から思っていました。

やっぱり、どうしても週末や祝前日に需要が集中しがちで、平日はなかなか安定しないという悩みはずっとあるので。

でも、ホテル代や航空運賃は、すでに「価格が変わるのが当たり前」になっていますが、飲食店がいきなりそれをやったら、たぶん違和感がありますよね。

「ラムチョップステーキ、週末は1,500円ですが、平日は1,000円です」っていう店があったら、きっと「週末、高い!」となってしまう。あまり印象がよくないと思います。

だから、多くの店が「ハッピーアワー」とかの施策をやっているんですよね。

早い時間はヒマだから、平日18時までだったら生ビール1杯200円とか、1品おまけでついてくる、とか。

でも、うちは開業して13年、一度もハッピーアワーをやったことがありません。本当はやった方が良いのかなと思いつつ、好きな時間に来て、ゆっくり過ごしてもらうのがいいよな、なんて考えているうちに、やらずにここまで来てしまいました。

ただ、ここ最近、週末はようやく飲み屋業界に復活の兆しがある中で、月〜木、もっとお客さまに来ていただけるようにしたいなあ、という悩みが大きくなってきまして。

なんにもない平日こそ、楽しさがある。しかも、その楽しさはダイナミックな感じ。

そんなことがやりたいなあ、と思って、こんなのをつくってみました。

ボクモのスタンプカード

いにしえの作戦「スタンプカード」です。

アプリ全盛の今だからこそ、逆に「ものがある」というのがいいかなと。顔の見える小さな店だから、アナログなやり方が似合うかなと思いまして。

6〜7年前に一回やったことがあって、そのとき、なかなか評判が良かったのを思いだして、今回は、「月、火、水、木だけのスタンプカード」というものをつくってみました。

中身はこんな感じ。

ボクモのスタンプカード

月曜から木曜にご来店いただき、カードを提示していただいたら、スタンプを押します。そして、次回、月曜から木曜に来ていただいたら、何かしら特典があります。

そして、回を重ねると、サービスのランクがあがっていき、どんどん良い特典がついてきます。 

最終的には、10回でボトルワイン(ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブラン)が1本サービスになります。どうでしょう。なかなかのダイナミックさじゃないかなあ。

(ただし、ちょっとセコいのが、お会計がお一人様4,000円以上のときにスタンプを押します、となっている点。すみません。こうしないと、成り立たないのです。ここだけは勘弁していただきたいです。)

先々週、スタンプカードをやろうと思いつき、先週illustratorでしこしこつくって、今週納品されました。

で、スタッフに、こんな感じでスタートするからね、とミーティングで説明しているとき。

「は!マズい!!!このカード、思いっきりミスしている!」

と気づきました。

2回目のご来店から特典が使えるようにしたかったのに、特典欄には「2」からの特典しか書いてない。

ボクモのスタンプカード

つまり、1回ご来店してくださった方に、スタンプを1個押して、「次回は〈1の特典〉が使えますので、また来てくださいね」と言いたいのに、〈1の特典〉がない。

やってしまった。

先々週と先週の岩須は、「2回目から使えるようにしよう」→「特典欄も2からでよい」と短絡的に思ってしまったのでした。

どうしたもんかなあ。

あ!そうだ!初回にスタンプを2つ押してしまおう!

それならば、次回は〈2の特典〉が使えることになるもんね。

ということで、いきなりスタンプが2個押されるというダイナミックな間違いをしてしまったスタンプカード、スタートいたします。

月〜木にご来店の皆様、よかったらもらってやってくださいな。

今週のニュージーランド

お世話になっているお客さまで、ラグビーチーム「トヨタ ヴェルブリッツ」の職員さんがいらっしゃるのですが、その方からこれをいただきました。

スティーヴ・ハンセンのサイン入りユニフォーム

スティーヴ・ハンセンさんのサイン入りユニフォーム。

スティーヴ・ハンセンさんは、今、トヨタ ヴェルブリッツで「ディレクター オブ ラグビー」という役職に就いている方で、オールブラックスでヘッドコーチを務めていたことでも知られる方。

「ニュージーランドにまつわる店だから」ということで、わざわざこれを持って来てくださるとは。ありがたいです。

ちなみに、僕自身はラグビーに対してはとてもウブです。

カウンターでラグビーの魅力を教えていただける方、募集しております。特に月〜木ね。笑

先週のクイズの答え

先週、ブログの100回目を記念して出題した、クイズの正解はこちらです。

【第1問】

岩須が20代の頃からお世話になっていて、現在も岩須を放送作家として起用しているラジオパーソナリティーの名前は?

【答え】小林克也さん

【第2問】

2011年に岩須が開業、2020年9月に経営を交代し、今は新しいオーナーさんがやっている栄4丁目のロックバーの名前は?

【答え】ロックモ

【第3問】

ボクモで出会った二人が結婚し、その披露宴に出席した岩須が、出席者の前で行った「ワインセレモニー」でつくったのは?

【答え】ロゼワイン

【第4問】

ボクモの開業前(14年前)、岩須が古園シェフと二人で旅した場所は?

【答え】ニューヨーク

 

たくさんのご参加、ありがとうございました!3と4はわりとマニアックかなあ、と思ったのですが、ほとんど皆さん正解でした。

ワイン、ビール、絵はがきセットに当選された方には、近日中にメールにて連絡させていただきます。

この記事の筆者

岩須
岩須 直紀
ニュージーランドワインが好きすぎるソムリエ。ラジオの原稿執筆業(ニッポン放送、bayfm、NACK5)。栄5「ボクモ」を経営。毎月第4水曜はジュンク堂名古屋栄店でワイン講師(コロナでお休み中)。好きな音楽はRADWIMPSと民族音楽。最近紅茶が体にあってきた。一般社団法人日本ソムリエ協会 認定ソムリエ。
1 / 4