ソムリエ岩須のおすすめニュージーランド白ワイン11本【2023】

ニュージーランドは、ワインづくりの歴史は浅いものの、世界からも注目を集めるワイン産地の1つ。

NZワインはここ10年で輸出量を2倍に伸ばし、日本でも国別の輸入金額ランキングでトップ10入りをするなど、市場も急拡大しています。

白ワインイメージ

ワインと言えば「難しくて分かりづらい..」というイメージがある方も多いかもしれませんが、NZワインはフレッシュかつフルーティーで親しみやすい香りと味わいのものが多いので、ワイン初心者の方にもおすすめです。

今回の記事ではNZワイン専門のソムリエ岩須が、そんな魅力あふれるNZワインの中から特におすすめの白ワイン11本を3つの価格帯にわけてご紹介します。

 

ワイン初心者〜NZワインが大好きという方まで、お気に入りの一本を見つけて頂けたら幸いです!

ニュージーランドワインの特徴

 

おすすめのワインをご紹介する前に、まずは簡単にNZワインの特徴を解説しますね。

「白ワインだらけの国」とも言えるNZは、なんと生産されているワインのうち85%以上が白ワインなんです。さらに、その中でも「ソーヴィニヨン・ブラン」という品種が圧倒的な割合を占めています。

ソーヴィニヨン・ブラン

ニュージーランドワインの歴史

フランスをはじめとするワインの伝統国では紀元前からワインづくりがはじまっているのに対し、NZのワインづくりが本格化したのはここ40年ほどのこと。

1985年に「クラウディ ベイ」というワイナリーがリリースした「ソーヴィニヨン・ブラン」が世界で高く評価されたことが、NZワイン市場が急拡大するきっかけとなりました。今では、ソーヴィニヨン・ブランがNZワインの代名詞的な存在となっています。

NZはワイン産業に遅れて参入した利点を活かし、合理的なワインづくりやプロモーション方法で急成長を遂げています。また、環境に配慮したサステイナブルなぶどうの栽培方法や醸造方法は、持続可能な社会を形成する行動としてワインづくりのモデルケースにもなっています。

ワインの産地

 

NZワインと言えば「マールボロ」。日本で販売されているNZワインも、そのほとんどがマールボロ産です。

マールボロ(Marlborough)

NZワインの8割以上を生産する巨大産地。特にマールボロのソーヴィニヨン・ブランは、パッションフルーツや柑橘系フルーツなどの弾けるような果実味が特徴です。

その他にも個性豊かな産地があります。ぜひ、下記の生産地域紹介ページをご覧下さい。

詳しいNZワインの生産地域はこちら

白ワイン用ぶどうの人気品種

 

ソーヴィニヨン・ブランが圧倒的なシェアを占め、その他の品種はまだ日本では店頭での取り扱いが少ないのが現状です。ソーヴィニヨン・ブラン以外のNZ白ワインをお探しの場合は、通販サイトでの購入がおすすめです。

ソーヴィニヨン・ブラン(Sauvignon Blanc)

NZワインを代表するぶどう品種。ハーブや青草などの爽やかな香りに加え、柑橘類の果実やパッションフルーツなどの親しみやすいフルーティーな香りや味わいが楽しめます。

ピノ・グリ(Pinot Gris)

白ワインの中では、ソーヴィニヨン・ブランに次ぐ生産量で、NZでは人気の高い品種。近い将来、この「ピノ・グリ」がNZワインの名産になる可能性も!?

シャルドネ(Chardonnay)

NZでは生産量はそれほど多くありませんが、品質の高いシャルドネがつくり出されています。果実の香りと樽由来のバニラの香りが調和しているスタイルが主流です。

ゲヴュルツトラミネール(Gewürztraminer)

根強いファンがいる個性的な味わいを持つ品種です。北島ではトロピカルな味わいに、南島では酸味を伴った味わいになる傾向があります。

詳しいNZワインのぶどう品種はこちら

 

NZワインはとにかくフレッシュさが魅力なので、基本的になるべく新しいヴィンテージ(ぶどうが収穫された年)のワインを選ぶのがおすすめです。特にソーヴィニヨン・ブランは最新ヴィンテージを選ぶと、グレープフルーツのような独特の香りが強く感じられると思います(一部そうでないものもありますが)。

では、おすすめ白ワインのご紹介にうつりましょう。まずは、2,500円未満のワインからご紹介します。

マナ バイ インヴィーヴォ ソーヴィニヨン・ブラン

マナ バイ インヴィーヴォ ソーヴィニヨン・ブラン

ワイナリー名 インヴィーヴォ (Invivo)
ぶどう品種 ソーヴィニヨン・ブラン
産地 ニュージーランド
ヴィンテージ 2022
希望小売価格 2,090円(税込)

こちらのMANAソーヴィニヨン・ブランは、NZのソーヴィニヨン・ブランの良さをカジュアル価格で体験できる高コスパワイン。

レモンのような柑橘類の風味が特徴で、心地よい酸味が感じられます。すっきりとした後味のライトなワインなので、ドリンカビリティも高いといえます。

さっぱりとした味わいのこちらのワインには、サラダや、唐揚げ、白身魚フライなどの揚げ物がおすすめです。

ご購入はこちら:ボクモワイン

ヴィラマリア プライベートビン リースリング

ヴィラマリア プライベートビン リースリング

ワイナリー名 ヴィラマリア (Villa Maria)
ぶどう品種 リースリング
産地 マールボロ
ヴィンテージ 2021
希望小売価格 2,200円(税込)

NZワインのリーディングカンパニー「ヴィラマリア」。ヴィラマリアは、世界中のワイン・コンペティションで、国内最多の受賞歴を誇ることでも広く知られているワイナリーです。

今回はそのヴィラマリアのシリーズの中から「リースリング」をご紹介します。

こちらのリースリングは「オフドライ」といって、ほんのり甘みを残した辛口。キリッと引き締まった柑橘の酸味と、ほんのりとした甘みが特徴です。

食事のスタートに最適な一本で、サーモンマリネや苦みのある葉物のサラダ、エスニック系のスパイシーな料理と好相性です。

ご購入はこちら:ボクモワイン

 

続いて、2,500円〜3,500円未満のワインです。この価格帯になると、はっきりとした個性を持つNZワインに出会える可能性が高まってきますよ。

インヴィーヴォ マールボロ ソーヴィニヨンブラン

インヴィーヴォ マールボロ ソーヴィニヨンブラン

ワイナリー名 インヴィーヴォ (Invivo)
ぶどう品種 ソーヴィニヨン・ブラン
産地 マールボロ
ヴィンテージ 2022
希望小売価格 2,530円(税込)

「インヴィーヴォ」は、2007年設立の新進気鋭のワイナリー。初リリースから非常に短期間で世界に認められるワイナリーへと成長を遂げ、「グラハム・ノートン」や「サラ・ジェシカ・パーカー」など著名人とのコラボレーションワインも話題です。

ご紹介するこちらのワインは「これぞマールボロ、ソーヴィニヨン・ブランの定番!」と言える一本で、ハーブの香りと柑橘の酸味、心地よいほろ苦さが感じられます。

このワインは、ピクニックやキャンプなど屋外のシーンにもおすすめ。ぜひ、キリッと冷やして、BLTサンドやバインミー、ブリトーのようなカジュアルな食事と気軽にあわせてみてください。

ご購入はこちら:ボクモワイン

ローソンズドライヒルズ リザーヴ ソーヴィニヨン・ブラン

lawsons-dry-hills-reserve-sauvignon-blanc

ワイナリー名 ローソンズドライヒルズ(Lawson's Dry Hills)
ぶどう品種 ソーヴィニヨン・ブラン
産地 マールボロ
ヴィンテージ 2022
希望小売価格 3,080円(税込)

「ローソンズドライヒルズ」は、ロス&バーバラ・ローソン夫妻によって設立された、マールボロのワイナリーです。彼らはもともと、ぶどうを栽培し販売する栽培農家でしたが、1992年から自社ブランドでのワイン⽣産をスタートさせました。

こちらのソーヴィニヨン・ブランは、芳醇な果実味が感じられ、ミネラル感もあり、複雑な旨みを持っています。カジュアルなソーヴィニヨン・ブランを飲んだ方の、次のステップにおすすめしたいワインです。

このワインは、ディルを使ったサーモンのマリネ、バジルを使ったマルゲリータのピザなど、ハーブをきかせた料理や、パクチーが入った生春巻きなどのエスニック料理とよくあいます。

ご購入はこちら:ボクモワイン

ギブソン ブリッジ ピノ・グリ リザーブ

ギブソン ブリッジ ピノ・グリ リザーブ

ワイナリー名 ギブソン ブリッジ ヴィンヤード (Gibson Bridge Vineyard)
ぶどう品種 ピノ・グリ
産地 マールボロ
ヴィンテージ 2020
希望小売価格 3,190円(税込)

「ギブソン ブリッジ ヴィンヤード」は、ピノ・グリを専門的に扱うとても珍しいスタイルのワイナリーです。オーナーのハワードシモンズ氏は、「ぶどう」に関わる仕事は全て“自分の手”でのみで行うことにこだわり、ワインづくりを行っています。

ご紹介するピノ・グリは、ステンレスタンクで低温発酵をし、11ヶ月間シュールリー(澱引きをせず、澱の上で醸造すること)を行い熟成させたワインです。

はちみつ浸けのかりん、ネクタリンなどのまろやかな香りで、口当たりはとてもソフトで酸味も穏やか。

繊細な香りと味わいのこのワインは、食事とも合わせやすく、白身魚の塩焼き、豚肉と白菜の煮物などの和食にもよくあいます。

ご購入はこちら:ボクモワイン

グリーンソングス レイトハーベスト リースリング

グリーンソングス レイトハーベスト リースリング

ワイナリー名 グリーンソングス (Green Songs)
ぶどう品種 リースリング
産地 ワイララパ
ヴィンテージ 2019
希望小売価格 3,190円(税込)

続いてご紹介するのは、日本人生産者のワインです。「グリーンソングス」は、東大卒の元金融マンという異色の経歴を持つ醸造家・小山浩平さんが営むワイナリー。

こちらは、グリーンソングス初のリースリングを使用したデザートワイン(甘口のワイン)です。「レイトハーベスト」と呼ばれるこのワインは、ぶどうの収穫を遅らせ、糖度が高くなったぶどうを使って甘口に仕上げる方法でつくられています。

蜜のニュアンスとさわやかなフルーツの酸味が広がる、「レイトハーベストリースリング」のお手本のような一本です。デザート全般と好相性ですが、青カビチーズもとてもあいます。

ご購入はこちら:ボクモワイン

グレイワッキ ソーヴィニヨン・ブラン

グレイワッキ ソーヴィニヨン・ブラン

ワイナリー名 グレイワッキ (Greywacke)
ぶどう品種 ソーヴィニヨン・ブラン
産地 マールボロ
ヴィンテージ 2021
希望小売価格 4,070円(税込)

「グレイワッキ」は、NZの名門ワイナリーである「クラウディ ベイ」で長い間醸造責任者を務めたケヴィン・ジュッド氏が営むブティックワイナリーです。グレイワッキでは、ケヴィン氏がワインづくりの長年の経験を活かし、完成度の高いワインをつくり出しています。

このソーヴィニヨン・ブランは、フルーツ感が全面に出た正統派のNZのスタイルを踏襲しつつも、まろやかさを重視した味わい。よりお食事に寄り添いやすい味わいで、サラダや白身魚のマリネ、ソテーしたチキンや豚しゃぶなど、幅広い食事にマッチします。

ちなみに、ケヴィン氏は写真家としても活動していて、NZのワイン産地を取材して撮影した写真集や、ワイナリーに暮らす犬たちを撮影した写真集を出版しています(岩須の店「ボクモ」で見ることができます)。そして、グレイワッキのワインのラベルには、彼が撮影した写真が使われています。

ご購入はこちら:ボクモワイン

 

続いて、プレゼントにも、ちょっとリッチなディナーのお供にもぴったりな3,500円以上のワインです。

ミルトンヴィンヤーズ “リヴァーポイント・ヴィンヤード” ヴィオニエ

ミルトンヴィンヤーズ “リヴァーポイント・ヴィンヤード” ヴィオニエ

ワイナリー名 ミルトンヴィンヤーズ (Millton Vineyards)
ぶどう品種 ヴィオニエ94%、マルサンヌ4%、
マスカット・プティ・グラン2%
産地 ギズボーン
ヴィンテージ 2018
希望小売価格 3,520円(税込)

「ミルトンヴィンヤーズ」は、NZで最も東にある町ギズボーンのワイナリーで、NZにおけるバイオダイナミック農法のパイオニアです。

そんなミルトンヴィンヤーズは、著名なオーガニック生産者ニコラ・ジョリーが主宰する世界的なオーガニックワインの団体のニュージーランド唯一のメンバーでもあります。

ヴィオニエやシュナンブランなど、他の地方ではあまりつくられていない品種も魅力で、このヴィオニエは、力強い果実味があり、ボディはやや厚めです。

まろやかな旨みたっぷりなこのワインには、揚げ物がぴったり。特に海老フライ、メンチカツ、野菜のフリッターがよくあいます。

ご購入はこちら:ボクモワイン

クラウディ ベイ ソーヴィニヨン・ブラン

クラウディ ベイ ソーヴィニヨン・ブラン

ワイナリー名 クラウディ ベイ (Cloudy Bay)
ぶどう品種 ソーヴィニヨン・ブラン
産地 マールボロ
ヴィンテージ 2022
希望小売価格
4,455円(税込)

NZワインを語る上で欠かせない存在の「クラウディ ベイ」。1985年に初リリースされたソーヴィニヨン・ブランは「世界が白(ワイン)に目覚めた一本」とも称され、まだ認知度の低かったNZワインの魅力を世界に知らしめました。

最新の2022ヴィンテージからは、ボトルデザインが一新され、さらにスタイリッシュな印象になっています。

キリッとした酸味、グレープフルーツやパッションフルーツの風味、ハーブの爽やかさが特徴で、NZの代表産地であるマールボロのスタイルをしっかりと表現しています。

カルパッチョやグリーンサラダ、白身魚のムニエル、フライドチキンなどとの相性は抜群です。

ご購入はこちら:ボクモワイン

ヨハネショフセラーズ ゲヴュルツトラミネール

ヨハネショフセラーズ ゲヴュルツトラミネール

ワイナリー名 ヨハネショフセラーズ(Johanneshof Cellars)
ぶどう品種 ゲヴュルツトラミネール
産地 マールボロ
ヴィンテージ 2020
希望小売価格 5,060円(税込)

「ヨハネショフ セラーズ」は、巨大産地マールボロの中にありながら、手作りを貫くブティックワイナリー。マールボロでは珍しく、30度もある急斜面に畑がつくられているのが特徴です。

ヨハネショフセラーズは、シャンパーニュ製法のスパークリングワインをはじめ、ピノ・グリ、ピノ・ノワール、ロゼワインなどで数多くの賞を獲得し注目を集めています。

このゲヴュルツは非常にエキゾチックな香りで、ぶどうの濃縮感が強い、個性派の白。このワインに合わせるなら、中華料理、タイ料理がバッチリですね。スパイシーな味付けのお料理だと、なおGoodです。スパイスカレーとも好相性ですよ。

ご購入はこちら:ボクモワイン

ペガサス ベイ シャルドネ

ペガサスベイ シャルドネ 2019

ワイナリー名 ペガサス ベイ (Pegasus Bay)
ぶどう品種 シャルドネ
産地 カンタベリー/ワイパラ
ヴィンテージ 2019
希望小売価格 7,480円(税込)

このワインをつくっているのは、カンタベリーにある「ワイパラ」という産地を代表するワイナリー「ペガサス ベイ」。ワイパラワインの先駆者であるドナルドソン家によって1986年に創立された、NZの中では歴史のあるワイナリーです。

鼻をグラスに近づけると、白桃や洋梨のような糖度の高いフルーツの香りがしっかりと感じられます。そして、ブリオッシュをイメージさせる樽のニュアンス鼻腔に広がり、長い余韻として残ります。

味わいは濃厚で、濃縮したフルーツの味わいが口いっぱいに広がります。これぞまさに「リッチな白ワイン」と言える一本。魚のバタームニエルや、魚介のグラタン、ポークカツレツなどと合わせてみてはいかがでしょうか。

ご購入はこちら:ボクモワイン

まとめ

NZは、白ワインばかりの国。中でも、ソーヴィニヨン・ブランはNZワインの顔と言える存在です。

まだNZワインを飲んだことがないという方は、まずはマールボロの代表的なスタイルのソーヴィニヨン・ブランをお試しください。

そして、ある程度その香りや味わいの特徴を掴めてきたという方は、他の産地のソーヴィニヨン・ブランや、ソーヴィニヨン・ブラン以外の品種のワインの魅力を体験していただけたらと思います。

 

ぜひ、この記事を参考にあなたのお気に入りのNZワインを見つけてくださいね!

この記事の筆者

ボクモワイン
ボクモワイン編集部
ボクモワインの編集部です。ソムリエ岩須の監修の元、ニュージーランドやワインについての情報を執筆&編集しています。

この記事の監修

岩須
岩須 直紀
ニュージーランドワインが好きすぎるソムリエ。ラジオの原稿執筆業(ニッポン放送、bayfm、NACK5)。栄5「ボクモ」を経営。毎月第4水曜はジュンク堂名古屋栄店でワイン講師(コロナでお休み中)。好きな音楽はRADWIMPSと民族音楽。最近紅茶が体にあってきた。一般社団法人日本ソムリエ協会 認定ソムリエ。
1 / 4